2025年1月

そんな事実はあったのだ

約30年前の平成の政治改革の当時、公費で政党に助成する政党交付金を導入する代わりに企業・団体献金を禁止する合意があったと主張する野党に対し、石破首相は「そんな事実はない」と否定した。実際はどうだったのだろうか。当時当事者だった細川護熙元首相が毎日新聞のインタビューに答えている。細川内閣の出発点になった非自民8党派の「連立政権樹立に関する合意事項」は、企業・団体献金の廃止を明確に謳っている。国会の所信表明演説で、企業・団体献金について「廃止の方向に踏み切る」と明確に言った。激変緩和の意味で、政治家個人に対するものを禁止し、政党への企業・団体献金は付則で5年後に見直すことにした。当時の河野自民党総裁も「企業・団体献金の廃止と政党交付金制度はトレードオフ」と発言し企業・団体献金禁止を支持していた。そんな事実はあったのだ。政治家は、卒業したからといってダンマリを決め込むべきではない。まさに生き証人なのだ。今こそ河野洋平は企業・団体献金の是非について決着を図るべきだと思う。

0 コメント

バイデンは何故USスチール買収に反対なのか

バイデン米大統領が日本製鉄によるUSスチールの買収計画に対する中止命令を出した。「米国の国家安全保障を損なう恐れのある行動を取る可能性がある」と判断したからだと言われている。果たして、そうだろうか。鉄鋼の世界市場は中国がほぼ独占している。そもそも買収計画は、単独では生き残れないUSスチールによる身売りの入札で始まった。もし、日鉄とUSスチールが組めば、粗鋼生産量で世界3位の日米連合が誕生する予定だった。日本も米国も救われるのだ。でも、反対しているのは全米鉄鋼労働組合USWだ。日鉄は長期雇用契約を約束しているから、USWには不利にならないはずなのに。バイデンは、この時期に何故買収に反対したのだろう。一説にはUSWの雇用を守るためとも言われているが、それは正しくない。買収により、USスチール自体も株主も従業員も守られるはずだ。恐らくバイデンは、USスチールのライバル企業である米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスに肩入れし、益を得ようとしているに違いない。さて、トランプも今は買収に反対している。大統領就任後、如何なる判断をするのだろうか。要注目。

0 コメント

5年後の豊かさを期待出来ないが

Nikkei Asiaの読者アンケートによると、5年後の豊かさを期待しているのは、日本が最低とのこと。トップはベトナムの83%で、日本は何と44%でダブルスコア状態だ。日本には将来に不安を抱く人が多いからだ。でも、年代別に見ると、日本の20代は6割が5年後の生活が豊かになると予想しているから、僅かに救いだ。日本と世界で求める働き方の違いも浮き彫りになった。日本は競争よりも安定を求めるが、ベトナムは安定よりも競争を求めている。パートナーとしての米国・中国について、日本は9割が米国指向だが、世界は7割へと落ちる。極めつきは政府への信頼度だ。日本は4割弱しか政府を信頼していないが、世界は5割以上が政府を信頼している。日本には昔から「和を以て貴しとなす」という精神がある。政治・経済を主導するトップに非があっても、引きずり降ろすことはない。暖かく見守っていれば、その内気付いてくれるに違いないと思っている。その思いが余りに長過ぎた。その思いが諦めに変質してしまったのだ。この際、ケツをまくって「和を以て貴しとなす」の長所を引き出し、反転させるしか方法は無さそうだ。

0 コメント

一年の計は元旦にありというが

一年の計は元旦にありという。毎年新年を迎えると「今年こそ○○しよう」と一年の目標を立てたものだ。でも、ここ数年年初に目標を立てたことがない。毎年目標をクリヤー出来なかったから諦めたという訳ではない。目標が全く無い訳でもない。この年になると、わざわざ目標を作らなくても、心の中には既に目標が存在しているということのようだ。若いときは、資格試験に受かるとか具体的な目標があった。でも、年を取ると違う。コツコツと努力した結果、如何に自分の血肉になったかを実感出来たかなのだ。DIAMONDonlineの記事「新年の抱負が(目標倒れに終わる人)と(しっかり達成する人)の決定的な違い」が参考になる。目標倒れに終わる理由は、目標が高過ぎることと固定化し過ぎることだという。三日坊主にならないコツは、習慣化したいことを朝のうちにやることだと助言している。自分は20年前に「人生は二毛作」というブログを書き始めた。でも「人生は二毛作」では、書く内容が途絶えてしまう。そこで14年前に「西成恭介の雑感帳」へと乗り換えた。「雑感帳」だけに、題材は自由だ。感じるまま書くことが出来る。だから、今の自分は何事に対しても「如何に感じるか」が目標になっている。ブログを書き続けているいること自体が実に面白い。

0 コメント