WHOが新型コロナウイルス変異株の名称を、国名ではなくギリシャ文字を当てると発表した。イギリス型はアルファ、南アフリカ型はベータ、ブラジル型はガンマ、インド型はデルタという具合。その国の人々がいわれのない差別や中傷の対象となるのを避けることが狙いだというが、何か変だ。問題は2つある。1つは、変異株に限っていること。新型コロナウイルスの名称を変えるのならば、発祥元の中国型も入れるべきで、中国型をアルファとして、後は変異順に名付ければ良い。今回の改名案は如何にも中国隠しに映る。もう1つは、ギリシャ文字では科学的表現が曖昧になること。どのような変異をしているかを表す方が科学的だ。例えば、イギリス型はウイルスのタンパク質の501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変わったからN501Yと表現する。ブラジル型はE484Kだ。イメージ的にも、アルファがベータに置き換わりつつある、と言うよりも、イギリス型が南アフリカ型に置き換わりつつあると表現した方が地理的な関係が理解し易い。どうも新型コロナウイルスに関しては、パンデミック宣言の遅れから始まり、WHOが防疫活動をディスターブしているように思えてならない。
ミズノオープンでフィリピンのパグンサンが優勝し、全英オープンの出場権を獲得した。コロナ禍でハウスキャディーが不足し、セルフプレーOKとなった。キャディーがいないなら、通常は手引きカートを使うのが常識だ。ところが、パグンサンは全ホールを自らバッグを担いで回った。しかも、バッグに入れたクラブは11本。規定では14本まで入れることは出来るが、疲れるので体力温存を優先したという。ホール間移動中は鼻歌を口ずさみながらスマイル。プロゴルフ選手としては全く異質だ。パグンサンの逞しさを感じた。一方上半身が二回り大きくなった石川遼には肉体的な逞しさを感じたが、14位タイで終わった。又吉直樹みたいな長髪が異常に感じた。相変わらず、ゴルフ以外の所に気が行っているようだ。スイング改造には集中しているが、ゴルフ以外の所に拘りが有り過ぎる。石川遼の戦績不良は、結果としてゴルフに集中出来ていないためなのかもしれない。
何故今頃になって五輪開催の是非が騒がれるのだろうか。去年五輪が延期されるとき、専門家はコロナの収束には2、3年はかかると言っていた。森前組織委員会長は2年延期を進言し、IOCも2年延期を容認していた。でも、1年延期に固持したのが安倍前首相だった。初めからコロナ収束を想定し、2年延期にしていれば完全な形での開催も可能だったかもしれない。だが、安倍が総理として五輪の旗を振ることを切望し、1年延期を強行したのだ。しかしコロナ禍は専門家の予言通り未だに収束する気配さえ見せない。五輪は、海外観客無し、無観客そして中止へと追い詰められている。当然中止すべきと思うが、いま組織委は国内観客のみか無観客の選択に迫られている。このまま進み、無観客が選択され、次の段階で中止が選択されることが望ましい。安倍が総理として五輪の旗を振ることを切望さえしなければ、このような混乱は無かったはずだ。安倍にはもう一つの理由がある。黒川の検事総長就任が阻止され、河合杏里の1.5億円を懐に入れたことが検察に曝かれようとしている。それを阻止するには五輪強行で国民の目を反らすしかない。結局、五輪開催騒動は安倍個人の意向で右往左往されているようだ。
IOCの横暴が益々激しくなってきた。ディック・パウンドIOC最古参委員は、菅首相が中止を求めても開催すると言い出した。何故なら、もし菅が中止を言い出しても個人の意見に過ぎないからだと言い切ったという。更にIOCは、五輪参加選手らに「コロナで死亡は自己責任」という過去に例が無い同意書の提出を義務付けた。参加してコロナに罹るのは選手の責任という訳だ。世界中に変異株が蔓延し始めているのに無責任極まりない。では、何故IOCはこれ程までに暴言を吐くことが出来るのだろうか。一言で言えば、腐敗した五輪貴族の懐に入る賄賂の存在だ。IOCの資料によれば、2013年から2016年までのIOCの収入は約6200億円で、その73%が放映権料。収入の90%が世界各国にアマチュアスポーツの強化費用として分配される。でもオリンピック開催地を決めるとき、賄賂でIOC委員を買収しないと当選は不可能。竹田JOC前会長は、IOCの委員を約2億2千万円で買収した容疑でフランス司法当局の追及を受け、事実を認めている。要するに、IOCはアマチュアスポーツの強化に貢献しているものの、裏では五輪貴族が甘い蜜を吸っているのだ。五輪強行を目指すのは甘い蜜を吸っているIOC役員。たとえ開催地が中止を叫んでも五輪を中止するはずがない。コロナ禍で良かったことが一つある。IOCの体質の暴露だ。これを機にIOCの刷新が進めば、コロナ様々という時代が来るかもしれない。
東京五輪の関係者用のプレーブック(ルールブック)が公表された。コロナ対策として、マスクをすること、最小限の物理的接触に心掛けること、PCR検査を受けること等が原則として書いてある。しかし、医学界で最も権威を持つ医学誌と称される「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」が、プレーブックについて「五輪を進めるというIOCの決意は最高の科学的証拠に基づいていない」と批判する論文を掲載した。方法も管理も穴があり過ぎると指摘している。例えば、コロナウイルス接触確認アプリと健康観察アプリのインストールで管理しようとしているが甘過ぎる。ウェアラブル端末にすべしと。またNBAなどが導入した厳格なプロトコルの教訓を参考にしていないなどだ。結論として、最も安全な選択肢は中止かもしれないと警告している。一方で、WHOはプレーブックを高く評価しているという。でも、IOCとWHOはズブズブの関係にある。しかも、テドロスWHO事務局長は後手後手でコロナ対策の初動に失敗し、感染を世界中に拡散させてしまった人物だ。テドロスがバッハを応援するのは、互いの尻拭いになるので当然の理屈なのかもしれない。
五輪の強行開催を目指すIOCと政府の暴走が止まりそうもない。国民の8割が反対しているのは日本だけかと思っていたが、そうではない。公益財団法人新聞通信調査会が3月に実施した米国、フランス、中国、韓国、タイの5カ国の世論調査でも「中止」「再延期」がすべての国で7割を超えたという。今や五輪の開催は、IOCと日本政府だけが賛成で、世界中の7割の一般市民は反対という構図にある。でも口先だけで反対と言っても状況は変わらない。具体的な意思表明が必要だ。最早反対の署名を集めて政府に圧力をかける方法しか無さそうだ。五輪の中止を求めて、弁護士の宇都宮健児さんらが署名サイト「Change.org」を通じて呼びかけ始めたオンライン署名が開設して以来最多の39万筆を超えたという。自分は今までSNSや署名サイトに賛同票を入れたことがない。でも、今回の五輪強行開催は目に余るものがある。早速、自分も1筆投じることにした。目に見える形で意思表示することが、政府を動かすと信じている。
代々木公園の木々が伐採され、中止を求める声が広まっている。東京五輪のパブリックビューイングやイベントを行なう会場の設置作業だという。コロナが流行する前の計画では1日3万5000人の来場者を見込んでいたとのこと。政府や東京都の言うステイホームとは全く逆行している。コロナで有ろうが無かろうが、計画通り突っ走る政府・都の姿勢を表す典型的な出来事だ。橋本五輪組織委員会長は「これから皆さんの声を聞くことが必要なのかと思う」と流暢だ。決して「聞く」とは断言しない。来場者を半減すれば良い程度に考えているのだろう。何事も計画通り進む。五輪中止を求める声に対し、首相も都知事も五輪委員長も五輪相も声を揃えて「安全安心な五輪にする」と言うが、その根拠は全く示さない。そこで分かった。「安全安心な五輪にする」は彼等の念仏なのだと。法然上人は念仏を唱えれば誰でも極楽浄土に往生出来ると諭した。彼等は「安全安心な五輪にする」と言うだけで、五輪は開催にこぎ着けると信じている五輪教の教徒なのだろう。
米国務省が、コロナ感染拡大の日本への渡航警戒レベルを最高のレベル4に引き上げ、渡航中止を勧告した。日本はインドや仏と同じ扱いになった。米国と日本を比較すると、米国の感染者数は日本の約100倍で、死者数も約100倍。直近の1日当たりの感染者数は約10倍になっている。この数字だけを見れば、米国務省は日本への渡航を奨励すべきであり、日本は米国への渡航を禁止すべきものと言える。では何故米国は日本への渡航を禁止したのだろうか。米CDCは過去にも何回か渡航禁止を出している。問題はいつも日本のワクチン不足だ。今回もそう。世界中でコロナが蔓延しているのに、日本のワクチン接種率は未だに2%程度。日本はワクチン未文化国だから、出入国は極めて危険と見做されているのだろう。そしてCDCは日本の医療体制が脆弱で、感染すれば入院すら出来ないことも熟知しているに違いない。更に言えば、米国人は日本人のように自粛に徹することなど出来ないことも考慮に入れたのかもしれない。
五輪の強行開催派と中止派が鮮明になってきた。バッハIOC会長は「五輪の夢を実現するために、誰もがいくらかの犠牲を払わなければならない」と発言し、猛反発を受けている。ひょっとすると、バッハは隠れ中止派かもしれない。竹田恒泰は中止の世論に対し「賠償金を食らうことを知らない」「コロナに負けた烙印押される」と警鐘を鳴らしている。父が竹田前JOC会長だからコテコテの強行派になるのは宜なるかな。河合杏里の1.5億円は安倍前首相の懐に入り、検察が動くとの噂がある。二階は関与を否認し、安倍は菅を持ち上げ出した。検察を止められるのは菅しかいないと神頼みなのだろう。五輪が開催されれば、検察が動くチャンスは殆ど無くなる。開催は安倍の頼みの綱だ。一方中止派のメインは日本国民。8割が反対しているが、その声はIOCにも政権にも届かない。ソフトバンクグループの孫正義会長は開催の後遺症を危惧している。大企業経営者の中止派は珍しい。グレーテス国連事務総長が世界保健総会で「我々はウイルスと戦争をしているんだ。我々には戦時体制が必要だ」と呼びかけた。五輪には、参加者の安全が深刻に脅かされている場合には開催都市からIOCに対して開催を返上できる規定がある。中止派が盛り返す基盤が出来た。開催派は自分都合で、中止派は健全志向と言えそうだ。
海外の大手新聞社は、東京五輪を中止すべきと激しい調子で発信しているのに、日本の大手新聞社はマイルドだ。開催国だからとは思ったが、実情はコロナで五輪どころの騒ぎではない。何か変だなとは感じていた。それにはそれなりの理由があるようだ。五輪はお金がかかる。莫大な税金投入だけでなく、大手企業がスポンサーになる。従来、五輪スポンサーに大手新聞社は加わらないのが原則だった。何故なら、開催の是非はもちろん、開催方法や予算の執行状況などを国民が監視できるよう自由に報道するのがメディアの役割だからだ。会社で言えば監査役だ。ところが、東京五輪のスポンサーには大手新聞社が名を連ねている。協賛金が約60億円のオフィシャルパートナーには読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞がなり、約15億円のオフィシャルサポーターは産業経済新聞、北海道新聞という具合。禁じ手を地で行っているのだ。週刊ポストがこれらの新聞社に「開催に賛成なのか」をアンケートしたら、全ての新聞社が「お答えしかねる」との回答とのこと。新聞社は、国民の8割が開催に反対している声をどのように聞いているのだろうか。
何とコーツIOC副会長が「緊急事態宣言下でも五輪を強行する」と断言したという。とうとうIOCの化けの皮が剥がれてきたようだ。発言の拠り所は、宣言下でのテスト大会がクラスターの発生も無く成功したと見ているからだ。それに加え、日本の感染者数は海外に較べ少ないことも考慮しているのだろう。コーツは「参加予定選手の60%がワクチン接種済みで、われわれが取っているすべての対策で安全な大会は可能だ」とも言っている。恐らくコーツは五輪関係者のことしか考えていないのだろう。五輪関係者と訪日客がもたらす日本国内の感染拡大など眼中には無いようだ。日本のワクチン接種率は2%にも満たないし、医療体制が崩壊寸前にある。菅首相は「安全安心の五輪にする」と言っているが、菅も五輪関係者のことしか頭に無い。国民の安全安心を担保する方策については全く言及が無い。この際、コーツ発言をきっかけに国民が一致団結して五輪開催反対の大合唱を始めるべきだと思う。
世界の各地でジェノサイドが問題になり、ジェノサイド条約が注目されている。ジェノサイド条約とは、集団殺害を国際法上の犯罪とし、防止と処罰を定めるための条約だ。ジェノサイドは、人種や民族、宗教的な集団構成員に対し、殺害や肉体的、精神的危害を加えることなどと定義されている。2019年の時点で、152ヶ国が条約に批准している。ウイグル自治区で弾圧している中国も、ロヒンギャを迫害しているミャンマーですら条約に批准している。ところが、日本は未だに未加盟のままだ。茂木外相はその理由を、ジェノサイド条約は締約国に対し集団殺害の行為等を犯した者を国内法により犯罪化する義務を課しており、締結の際に必要となる国内法が未整備のためだと言っている。何のことはない。国際的な視野での法整備を怠っているからなのだ。日本の政治家は自分の票に繋がらなければ仕事をしない典型例なのだ。このままでは、日本は益々世界から取り残されることになる。国会の機能を見直し、例えば参院は国際的な観点から法案を提出する場とするなどの改革が必要だと思う。
イスラエルとハマスが激しいロケット弾攻撃を繰り広げている。パレスチナ問題は歴史が長く根も深く、容易に解決する問題ではない。だからこそ、片方の肩を持ち争いの火に油を注ぐのではなく、消火させることこそ今取るべき最善の道だと思う。ところが、ウイグルのジェノサイドを非難するバイデン大統領は、イスラエルのジェノサイドについては言及せずロケット弾攻撃を容認・支持している。バイデンのジェノサイド非難が如何に薄っぺらなものかが分かる。一方日本政府は、双方の暴力行為を強く非難し、平穏を取り戻すよう強く求めている。ところが、中山防衛副大臣は「あなたは突然ロケット弾を打ち込まれ家族の命や家を奪われたらどうする?イスラエルはテロから国を守る権利がある。私達の心はイスラエルと共にあります」とツイートした。でも、イスラエルがパレスチナ自治区に侵略し家を奪ったからハマスは報復としてイスラエルにロケット弾を打ち込んだのだ。中山のツイートは事実を正確に捉えていないし、明らかに日本政府の公式見解を逸脱している。しかも、イスラエル政府関係者がお礼を言って既成事実化してしまった。日本の軍隊はイスラエルと共に戦う、と世界に公言してしまったようなものだ。昨日の岸防衛大臣の予約不備の記事への反論といい、今日の中山副大臣の逸脱といい、自衛隊を任すには不適任過ぎる。早急な首のすげ替えが必要だ。同時に曖昧な発言に終始する首相も。
朝日新聞出版と毎日新聞が、新型コロナウイルスワクチン大規模接種センターの予約システムに不備があることを指摘したことに岸防衛相が激怒しているとのこと。経緯はこうだ。架空の接種券番号で予約が出来るとの噂が流れた。朝日・毎日の記者は実際に架空番号で予約出来るのかを確認し、すぐに取り消した。システムに不備があることが判明したので、防衛省とシステムの委託先の会社に見解を求めたが明解な回答が得られなかった。そして不備の事実を記事に載せた。それに対し岸防衛相は「65歳以上の方の接種機会を奪い、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為だ。これでは現場の士気が下がる」などと批判を展開。防衛省を通じて2社へ抗議した。おまけに安倍前首相が尻馬に乗って「極めて悪質な妨害愉快犯だ」とツイート。国のシステムに不備が付きものなのは現実だ。でも、コロナ予約は急ぐから、軽度な不備は許容されるべき状況にある。重箱の隅を突っつく行為は慎むべきだと思う。でも問題は防衛省にある。指摘された不備をすぐに確認して朝日・毎日に回答すべきだった。もし放置されれば、多くの架空番号予約が成立し、現場は大混乱に至ったかもしれない。今回の指摘で不備が判明したのだから、むしろ感謝すべきだったろうと思う。では岸の怒りの原因は何処にあるのだろうか。恐らく、岸への事前連絡も無しに、菅が自衛隊を活用すると言い出したことにあるのだろう。岸は元々大規模接種センターに自衛隊を送ることなど考えていなかった。ヤル気のしない頼まれ仕事で、かつ不備にクレームを付けられれば、己の士気も落ちるはずだ。まずは自衛隊の活動範囲の定義と指示系統の見直しを図るべきだ。
縄文時代の土偶の存在は、邪馬台国論争と並び、日本考古学史上最大の謎と言われている。縄文時代は1万数千年前から2千年前までと非常に長い。現在までに2万点近い土偶が各地で発見されている。土偶研究は明治時代に始まって130年も経ち、通説は「土偶は女性をかたどったもので、自然の豊かな恵みを祈って作られた」となっているが、中には宇宙人という珍説まである。依然謎のままだ。ところが、驚きの新説が飛び出した。人類学者の竹倉史人が「土偶を読む:晶文社」で明らかにした。早速自分は近所の品揃えで有名なジュンク堂に行って読んでみた。土偶とは、食用にした植物に手と足を付けたもので、植物霊祭祀そのものだと言う。例えば、ハート形土偶は縄文人が食べていたオニグルミの殻をデフォルメしたもの。ハート形土偶の出土分布は、オニグルミの生育分布と一致する。これを発端に他の土偶を調べてみると、縄文のビーナスはトチノミ、遮光器土偶はサトイモ等々であることが判明したと言う。非常に説得力のある学説だと思う。歴史が塗り替えられる瞬間に立ち会っているような感覚になった。久々に感動した。
五輪中止が現実味を帯びてきた。一説では「辞退でIOCが日本に補償金1200億円請求」との噂もある。だが、IOCとの契約内容は公開されていないから分からない。武藤五輪事務総長などは「賠償請求されるかなどと考えたことも無い」と脳天気だ。きっと雇われ仕事と徹し契約書も見たことが無いのだろう。自分の腹が痛む訳ではないのだから、その無責任さも納得出来る。現実として契約書に賠償請求が記載されていたとしても、IOCは日本に請求出来ないと舛添前都知事は言う。自然災害であるコロナ禍で開催を返上した都市に賠償請求などすれば、今後開催を希望する都市など無くなってしまうからだ。また、IOCは保険をかけているはずだ。かけていなければIOCの落ち度になる。さすがに、お金に細かい舛添らしい見解だと思う。思えば、舛添は都の経費でパリまで大名旅行をしたり、湯河原の別荘の改修に経費を使ったり行き帰りに公用車を使ったり、家族旅行のホテル三日月代金を会議費で落としたりと、他人のお金を使うことには天才的だった。裏返せば、如何に自分のお金を払わないで済むかにも長けている。五輪組織委員会は舛添を顧問にするのが得策だ。
政府の新型コロナウイルス対応方針が基本的対処方針分科会で覆された。菅首相は何かにつけ専門家の意見を聞いてからと言うが、この手の分科会は専門家が意見を述べるものの最終的には政府の原案通りに承認されるのが当たり前だった。しかし、分科会は今回の緊急事態宣言に北海道、岡山、広島を追加することを主張し折れなかった。時系列でみると、前日の関係閣僚会合で西村コロナ相が緊急事態宣言は免れないと主張したが、菅は緊急事態宣言の県を拡大せずに「まん防」でいくと受け入れなかった。そして当日の朝、西村は分科会で菅方針での了承を取ろうとしたが、猛反対に遭い、会議を抜けだし菅に状況説明をして、菅から方針変更の了承を得た。この経緯から何が読み取れるだろうか。菅はコロナの現状を理解していない。菅の頭にあるのは五輪開催だけでコロナ対策は眼中に無い。あるいは菅へのコロナに関する情報が遮断されている。もしくは現実が既に菅の問題処理能力を超え、プッツンしてしまっている。更に西村は単なる廊下トンビで、菅も分科会も説得出来ない全くの役立たずだ。最早政治によるコロナ対策は全く当てに出来ない。今回の方針変更は専門家によるクーデターとも言われている。専門家は自信を持って事に当たるべきだ。少なくとも、日本は健全な方向に向かっていると思う。
またまた浮世床の世界だ。落語の浮世床。町人がたむろす床屋での話。字を読めない薪屋の大将が本を見ていると、茶化されて、声を出して読んでくれとせがまれる。話題は色々あるが、今日は真柄十郎左衛門の話。姉川の合戦の本多平八郎と真柄十郎左衛門の一騎打ち。大将が「敵に向かって一尺八寸の大太刀を」と読むと、若い衆が「短かかねえか」と問い、大将が「ちゃんとことわり書きがしてある。それは横幅で、前が見えるようにあちこちに窓を開けてある」と答える落ちだ。政府が五輪開催を強行しようとしている姿が浮世床にぴったり重なる。海外からの多くの選手と観客による感染拡大が危惧されている。それに対し、菅首相はコロナ感染を抑える当ても無いのに「安全・安心な大会にする」と言う。加藤官房長官は権限も無いのに「ルールに従わない海外選手は失格にする」と宣い、丸川五輪相は何と「見張りを付ける」と言い出した。これここに極まれり。日本の政界は落語が相当お好きなようだ。菅、加藤、丸川は即刻落語界に弟子入りすべき状況にある。お後が宜しいようで。
菅首相が高齢者へのワクチン接種を第一優先で進めている。しかしワクチン供給が不十分でワクチンが届かない市町村が相当数ある。でも高齢者接種を7月末までに終了させると公言した手前がある。そこでワクチン接種が順調にスタートしたと見せかけるため、医療従事者用のワクチンを高齢者に当てるよう指示が出た。未接種の医師は、自ら感染しないかと接種作業にビクビクしているという。また東京と大阪に大規模接種センターを開設するため、菅は自衛隊の医療従事者を活用する指示を出した。菅のこれらの指示は、一見問題無さそうに見えるが、大きな問題を孕んでいる。接種作業をする医師が未接種のため感染すると、クラスターの元になってしまう。目先の目的のため接種順序を変えるのは、まさに本末転倒といえる。また、自衛隊は国家の安全を守るために存在している。自衛隊の活用は、国家安全保障会議で協議し、国家の安全全体を考慮しながら決定すべきものだ。首相が好き勝手に自衛隊を使うのは、国としての危機管理の認識が欠如している。思いつきを最優先させる首相は国をも危うくする恐れがある。
あの絶叫「このハゲー!」で話題をまいた豊田真由子元衆院議員がコロナのコメンテーターとして復活している。さすが元厚労省官僚だけあって、遅々として進まない政府や行政のコロナ対策に対し、的確なコメントをしている。「感染症対策には国民が出来ることと、国と自治体がやるべきことがある。国や自治体がやるべきことをやっていない。1年4カ月経ってこの状況というのは、人災。政治と行政の作為だ」と述べ、更に具体的に「病床と医療人材を増やすことや、ワクチンを進めることや、変異株の水際対策の強化など」はやれば出来たことと指摘している。すでに議員でもないし厚労省官僚でもないから、まさに「岡目八目」なのだろう。しかし「このハゲー!」絶叫時代と現在の猫なで声の変わりようが異常で気持ちが悪い。五輪については開催するだろうと予測している。問題は「もし、日本が五輪中止を言い出したら、未来永劫日本に五輪は来ない」と述べたことだ。まるで8割が五輪開催に反対する国民への脅しだ。言葉付きは変わったが、性根は変わっていないようだ。クワバラ、クワバラ。
中川日本医師会会長がまん延防止等重点措置下で、自民党自見英子議員の政治資金パーティーに参加していたことが、文春オンラインによって暴露された。中川と言えば、連日テレビに登場し国民に自粛を呼びかけている人物だ。国民に自粛を呼びかけながら、己は自粛をしない。日本の政界と医師会はそっくりだ。菅政権も医師会も、感染防止は口先だけだから、国民は見透かして自粛などしない。従って、人流は減らないし、感染は拡大の一途だ。コロナ下での日本医師会長には2つの責務がある。1つは国民の感染防止意識の高揚だが、もう1つは医療体制のバックアップだ。日本の病院の8割は民間で、その民間病院は殆どコロナ感染者を受け入れていない。中川の病院も然り。民間病院の受け入れを拡充し、医療崩壊を防ぐことこそ日本医師会の責務といえる。予約希望者が殺到し大混乱しているワクチン接種についても、注射は医師に限るとする利権を撤廃し、医師がいなくても看護師が出来るように規制緩和すれば、大混乱は即鎮静化するはずだ。中川日本医師会会長は責務として、医師会にメスを入れるべきだと思う。期待は全く出来ないが。
国会の予算委員会集中審議が異常だ。野党が、コロナ禍での五輪開催の是非、バッハ会長へ中止・延期の相談の可能性、緊急事態宣言延長の理由等々を菅首相に質問したが、どの質問に対しても菅は「安全・安心な大会が開催できるよう、全力を尽くす」と繰り返すばかり。何と12回も同じ文言を読み上げたという。もう国会質疑など馬鹿らしくて見ていられないから、後からニュースで知った。菅は質問に対し、相変わらず答弁を拒否したり原稿の棒読みだ。しかも、質問の回答とは異なる原稿を読み上げた。今の国会質疑のレベルは、小学校の児童会以下。一部では「菅は認知症か」とも言われ出した。簡単な言葉も原稿を見ないと喋れない。原稿が無いと言葉と言葉の間に異様な間が開く。質問の内容を理解出来ない。間違った原稿を読んでも、それに気付かない。本当に認知症かもしれない。恐らく、首相として何も出来ない重圧が、思考を停止させてしまったのだろう。菅に首相の座は重すぎる。その座から解放させてあげるのが、菅のためであり国民のためでもあると思う。
高橋洋一内閣官房参与の「日本のコロナ感染はさざ波」発言が波紋を広げている。「日本の感染者は大幅に減らした英国と同じ程度なのに何故騒ぐのか。五輪開催には何の問題も無い」とツイートした。当然、不謹慎、人命軽視との批判の声が上がっている。問題は2つある。1つは、高橋が感染者数しか考えていないこと。日本の感染者数は欧米に較べ2桁少ないが、日本の特殊な医療構造のため、医療体制は崩壊の寸前にある。感染者数が少なくても、日本の大問題なのだ。そこが全く考慮されていない。今まで高橋は独特な切り口で社会経済を評論してきた。納得のいくものも多く、一目置いてきたが、今回の「さざ波」発言には失望した。もう1つは、高橋が菅首相のアドバイザーであること。高橋が菅に「コロナなどさざ波ですよ」と吹き込んでいるに違いない。そう考えると、菅が感染防止は上の空で有ることが肯ける。今は如何にも感染防止に取り組んでいるかのように見える菅だが、世間の圧力に押され仕方なしにポーズを取っているように映る。やる気の無いリーダーが、いくら感染防止を叫んでも、お天道様はお見通しだ。結果として、人流も感染も減らないことになる。
またまた菅首相の嘘八百が始まった。昨日の会見で、菅が「7月末までに1日100万回の接種をして、全ての高齢者に2回の接種を終わらせる」とぶち上げた。菅は「インフルエンザの接種は1日60万回の実績がある。今回ははるかに広い体制を取っているから可能だ」と言う。果たして実現可能なのだろうか。そのため東京で1日1万人、大阪で5千人の大規模接種センターを開設する予定だという。高齢者接種の模擬訓練では、1人あたりの接種に約12分かかった。10分としても1時間に6人しか接種出来ない。東京で1日1万回の接種ということは、1日10時間稼働とすると、1万回÷60人・時間=167となり、毎日167人の医師や看護師が必要になる。一体何処から集めるというのだろう。更に1万人が一カ所に集中すればクラスターが発生しかねない。もし、1日1万回が可能だとしても1月で30万回に過ぎない。1日100万回が如何に突拍子の無い数値であるかが分かる。さきの気候変動サミットで、菅は温暖化ガスを13年度比で46%削減すると公言したが、従来の26%削減目標でさえ達成は簡単ではないのが現実だ。実行力のある指導者が高い目標を掲げればインセンティブになる。しかし、菅の高い目標は、ただの大ホラで、絵に描いた餅の価値すら無く、兵隊が更に士気を落としてしまう効果しかない。
土壇場で東京五輪開催をひっくり返すのは小池かもしれないと噂されていたが、自分はWHOだと思っていた。ところが、何とWHOの緊急事態対応部門の統括者が東京五輪の開催を望んでいると表明した。その統括者は「日本国内の新型コロナ感染症の陽性率は横ばいになっている。日本は非常に体系的でリスク管理されたアプローチを適用しており、どのように大会を開催するかを決定する高い能力がある」とコメントしたという。世界的なコロナ感染の拡大を抑える術の無いWHOが、よく言うよと思う。しかも、日本の感染対策を高く評価している。一体どこを見ているのだろうかと疑ってしまう。その上、WHOは有効率が50%しか無い中国製ワクチンの緊急使用を承認した。チリの二の舞が起きることは間違いない。一方テドロスWHO事務局長は来年の再選を目指しているという。テドロスは、中国の支持を受けて事務局長になった経緯もあり、中国に忖度し新型コロナウイルス感染の初動対応に失敗し、世界的大流行を止められなかったマイナスの実績がある。WHOは滅茶苦茶だ。最早各国は独自でコロナと戦う道しか残されていないようだ。
渋野選手がワールドレディスサロンパス杯を欠場することになり、日本女子プロゴルフ協会が渋野に100万円の制裁を課すことを発表した。馬鹿げた裁定だと思う。松山選手が6年前に日本のシード権を放棄し米国ツアーに向かったときに、国内のシード選手に課せられる5試合の出場義務を果たしていないからとして100万円の制裁を受けたことを思い出す。6年前の松山制裁は、結果として松山選手がマスターズを制覇する期間を2~3年も先延ばしさせたと思う。やっとその松山選手がマスターズを制したというのに、日本のプロゴルフ界は相変わらず反省していないようだ。世界レベルのゴルファーへの成長の足を引っ張ったのだ。それだけでも罪深いルールだと思う。ところが、今度は全英オープンを制覇した渋野選手がサロンパス杯に出場しないからといって制裁を課す。日本女子プロゴルフ協会の小林会長の頭が変だと思う。プロゴルフ協会の会長の責務は、ゴルフを世界的レベルに引き上げ、ゴルフ人気を盛り上げることだ。世界レベルに引き上げるには、選手が海外で経験を積むことが必須。その点から考えても、日本のプロゴルフ界は、プロゴルフの本質を忘れている。結局、間違った日本贔屓が日本の足を引っ張っている。むしろ日本プロゴルフ協会は、海外に挑戦することを奨励し、選手を援助する方向に舵を切るべきだと思う。
日本のマスメディアは、決して表立って「五輪は中止すべき」とは言わない。権力に慮っているからだ。でもジャーナリズム精神に長けた海外マスメディアは違う。ワシントンポストは「日本政府は中止を決断し、費用の損切りをすべき」と主張し、サンフランシスコ・クロニクルは「世界各地で新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、東京五輪は開催されるべきではない」との記事を掲載している。ニューヨーク・タイムスは「日本と世界にとって一大感染イベントになる恐れがあり、五輪のあり方を再考すべき時期だ」と訴えている。ワシントンポストは更にバッハIOC会長にも言及し、日本を踏み台として収益に走るIOCの姿勢を糾弾し、バッハ会長を「ぼったくり男爵」と皮肉った。バッハ会長は「緊急事態宣言と五輪は無関係」と言い放ったり、中国製シノバックワクチンを「東京五輪に提供する」と唐突に言い出した。日本で承認されていない中国製ワクチンを日本で接種出来る訳がない。しかも、中国製ワクチンは有効性が低く南米チリなどでは、感染拡大が大問題になっている代物だ。最早IOCは五輪開催強行のためなら手段を選ばない。バッハ会長を「ぼったくりのバッカ会長」と呼ぶべき状況にある。
日本のコロナワクチン接種率はOECDの加盟国で最下位レベルだ。韓国の専門家が、日本のワクチン接種の遅れの原因を指摘している。3つある。1つは、ワクチンの供給不足。国内でのワクチン開発に成功していない。米国の自国優先主義が強まり輸出を抑制しているので日本への供給量は限られている。1つは、ワクチンの認証システム。海外での臨床とは別に、日本で独自の臨床試験を進めていることが遅れの原因。安全面を重視するあまり、緊急時のスピード感の欠如が供給遅れを招いている。1つは、ワクチン接種システムの問題。ワクチンの調達は国が行ない、接種は自治体が行なうと分かれていること。ワクチン接種率を上げるには接種者の管理のデータ化、デジタル化が重要であるが、国と自治体のシステムの連携がスムーズではない。要するにデジタル化が遅れているということだ。東京五輪を開催させるには、ワクチン接種率を上げる必要があるが、今更供給量を増やすことは出来ないし、国と自治体の連携を上げるなど不可能に近い。せめて、臨床試験を特例で簡略化する方法しか残っていない。モデルナ製ワクチンを特例で認可するというが、最早遅きに失っしてしまった。政府は東京五輪を「人類がコロナに打ち勝った証し」と言っていたが、今や「日本がコロナ対策に失敗した証し」として、歴史に跡を刻みそうだ。
夕方のテレビニュースを聞いて、我が耳を疑った。フジテレビ日曜報道 THE PRIMEでの、五輪開催是非の論議の内容だ。自民党ワクチン対策PT座長で、党東京都連会長の鴨下一郎が「五輪はステージ3でも4でも開催出来る。何故なら五輪は限られたエリアでやるから、感染に曝される訳ではない」と言ったと報道された。鴨下と言えば、医師で厚労族で環境大臣も経験した人物だ。一応コロナに関し常識があると思っていたが、とんだ見当違いだった。菅は首相になってから情報が届かなくなったと言われている。有能な人の意見も聞かずに、独断で迷走している。そこに鴨下が、このように助言すれば、菅は「五輪は別の世界だ」と信じ込んでしまうに違いない。「五輪に看護師500人動員要請」も同じ類いだ。看護師は休んでいる人が多いので動員は可能と入れ知恵した輩がいる。500人もいるのならば、コロナ感染対策に充てるべきと考えるのが常識だ。でも、菅はのうのうと五輪動員を肯定した。常識で判断出来ない首相がいて、取り巻きが非常識を首相に吹き込む。最悪の構図になっている。
スーパーのイオンがコロナ禍で働く従業員に報いるため、赤字ながら一時金を支給するとのニュース。社員やパート従業員など約45万人に対し1~2万円を支給する。総額60億円に上るという。因みに、今期の連結業績では、最終損益が710億円で過去最大の赤字だった。赤字でも一時金を支給するとは、天晴れとしか言い様がない。日本企業はアベノミクスで過去最高の利益を上げながら、内部留保を溜め込んできた。今大きな会社は、当面困っている所もあるが、タップリ贅肉を付けている。アベノミクスはトリクルダウンと言いながら、達成出来なかった。むしろ、大きな富が膿みのように大会社を腫らしている。どの会社も、膨れ上がる内部留保を、ひたすらに貯めるだけだ。あるいは図に乗って身の丈に合わないM&Aで失敗し、吐き出すことも多い。自分はイオンが嫌いだった。地方に進出し、商店街を崩壊させ、挙げ句の果てに撤退し、地方を廃墟にしてしまう元凶だったからだ。でも、今回はイオンを見直した。イオンは利益追求だけでなく、従業員を見ているし、お金の使い方を知っている。頑張れ!イオン。いや、全国の会社よ、イオンに続け!
緊急事態宣言が東京都、大阪府、兵庫県、京都府に発令され、蔓延防止等重点措置が7県に出されたが、人流は一向に減らない。テレビでは繁華街に出かけた人に「緊急事態宣言が出てますが」とインタビューすると「なかなか減りませんね。困ったものです」と答えている。外出を自粛すべき人が外出し、人流が減らないことを嘆く。「お前が言うな」と言いたい。今日、自分はテニスに行った。道路は車が溢れかえっている。恐らく今までで一番の多さだ。しかも、いつもは人が少ない歩道にも、異常に人が多い。緊急事態宣言とか蔓延防止等重点措置は、まるで他国の話のような世界だ。横にいるカミサンに「この状態は異常だね」と言いながら、インタビューに答える人を思い出した。まるで、自分はこの人と同じだ。自分に対し「お前が言うな」と無言で責めた。しかも、それを書いている自分がいるのだから「お前が書くな」という状況にある。仏の顔も三度までという諺があるが、自粛のお願いも三度まで、ということなのかもしれない。