2017年11月

ビナードさんの指摘

昨日の毎日新聞の特集「アーサー・ビナード氏の直感」が面白い。ビナードさんは滞日27年の米国詩人。嘗て「日本語ぽこりぽこり:アーサー・ビナード:小学館」を読んだことがある。軽妙な文章のエッセイストだ。日本人以上に現在の日本を見ていて、新しい気付を発見させて立ち止まさせてくれる本だった。そのビナードさんが、美しい日本語は消滅に向かっていると言う。以下は特集の拾い読み。来日以来、経済を語る言葉が劇的に英語、カタカナばかりになった。日常会話でデリバティブ、アウトソーシング、インバウンドという言葉を当たり前のように使う。中身や衝撃度が分かっていないのにTPPという言葉だけが独り歩きし、分かった気分になっているうちに、チチンプイプイと騙される。問題は、人が自分の言葉で考えなくなるという危惧だ。小学校で英語を学ぶのは良いが、反面子供たちに日本語は英語より劣っているという印象を無意識に植えつけている。日本語力も弱まり、文科省の英語教育は悲惨だから二流の英語人が育ち、きちっとした言葉を持たない民があふれる。要は、自分たちの国を自分たちで好きなように創ろうという真の意味での独立を日本人は諦めているのではないか、と指摘している。ご指摘ご尤もですと読みいった次第。またまた立ち止まされ考えさせられた。

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トップの責務とは

肝心なときに強力なリーダーシップ力を発揮するのがトップの責務というものだ。日本の製造業の信頼性が揺らいでいる。神戸製鋼、三菱グループ等々の大企業によるデータ偽装が次々と発覚している。日本の製造業も地に落ちたものだと思う。このままでは日本の信頼回復は困難だ。こんな時こそ経団連の出番だと思う。政府のご機嫌を取るだけが仕事ではない。不正撲滅のため、傘下の全企業に見直し・改善・防止策を徹底するよう、大号令をかけるのが経団連会長の仕事のはずだ。ところが、あろう事か、榊原会長の東レでもデータ偽装が発覚した。しかも偽装の歴史は榊原の社長・会長時代まで遡るという。榊原の任期もあと少しだが、引責辞任という手はある。身を持って行動に移せば、信頼回復の動きを少しは後押しするかもしれない。会長でいる限りトップの責務は免れようもない。一方大相撲協会では横綱の暴行事件が騒がれている。結局処分する前に、日馬富士が引退を表明してしまった。八角相撲協会理事長は、終始他人事で何もしなかった。コメントは「断腸の思い」だ。何に対してどういう思いなのかが全く不明。存在感はゼロ。期せずして両トップにボロが出た。トップに就く前に「トップの責務とは何か」を言い聞かせる必要があるとは情けない限りだ。

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魔物が巣くう国交省

日産の検査不正が発端になり、諸問題を掘り起こしているようだ。国交省委託の完成車最終検査を無資格者に行わせた日産に非があるのは明らかだ。だが、最終検査そのものは陳腐化している。製造ラインで品質を作り込んでいく自動車メーカーにとっては儀式的なものに過ぎない。正しくは国交省に検査の見直しを提案し改正を図るべきだった。でも、日産は改正を求めずに、検査不正を選んだ。腐っても鯛。国交省の最終検査は腐った鯛だったから、日産が腐った鯛に批難されている。では、腐った鯛は誰が作ったのだろうか。国交省だ。国交省は、技術革新の速い自動車産業に遅れを取った。いや、遅れではなく、不作為だったのだ。一度許認可を出すとフォローはしない。未来永劫その許認可が生き続けるのだ。ここに至って、非は明らかに国交省にある。だが、国交省は次から次へと日産の問題点をリークする。日産を悪者にするには理由がある。メーカーの最終検査は車検と同じようなもの。日産が悪者でなくなると、車検制度という利権が根底から崩れてしまう。だから国交省は日産イジメにやっきになる。国交省には、この手のものが多い。トンネル崩落、耐震偽装、燃費偽装そして完成検査不正だ。国交相は歴代公明党の定席になっている。公明だけが悪いとは言わないが、国交省には官僚病という魔物が巣くっているようだ。

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スペクタル・ページェント

今日11月27日は旧暦の神無月10月10日。年に1度、全国から出雲大社に集まる八百万神を迎える恒例の「神迎祭」が稲佐の浜で営まれる。旧暦10月は、出雲地方では「神無月」ではなく「神在月」と呼ばれている。神無月(かんなづき)の語源は不詳のようだ。日本国語大辞典によると、「な」は連体助詞で「の」の意味で「神の月」すなわち、神祭りの月の意味だろうとしている。「水無月」も同じで「水の月」。出雲大社に全国の神が集まって一年の事を話し合うため、出雲以外には神がいなくなるという説は、中世以降の後付けで、出雲大社の御師が全国に広めた語源俗解とのこと。でも体裁は整っている。10日に稲佐浜で全国から参集する神々を迎える「神迎祭」が行われる。その後11日から17日まで出雲大社で会議が行われ、その間「神在祭」が行われる。会議の議題は、縁結びの相談。18日には、各地に帰る神々を見送る「神等去出祭」が出雲大社拝殿で行われる。勿論出雲大社には神々の宿舎となる「十九社」がある。神々が出雲に集まってしまっては、出雲以外は神がいなくなる。その間は恵比須神が留守神として就くという。何とも日本の一大スペクタル・ページェントだ。

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教育無償化優先の愚

Twitterなんて暇人が無責任に発言する程度のものと思っていたが、そうでもなさそうだ。「#子育て政策おかしくないですか」へのツイートが盛況だ。安倍首相が選挙公約で、消費増税分を財政赤字補填から幼児教育無償化に変更すると言い出した。国会でも無償化の議論が始まった。でも、幼児教育の問題は、無償化が最優先ではない。先ずは希望者が全員入れるよう施設を整え、それに見合う保育士を確保することだ。その為には、保育士の処遇改善も必要だし、高度過ぎる保育士試験を実情に合わせ人材を確保することも必要だ。無償化に回す金があるのなら、まず全員を受け入れる方策に金を回すべきだと思う。「#子育て政策おかしくないですか」には、多様な意見が寄せられているが、無償化よりも全入をという意見が圧倒的だ。至極真っ当な意見だと思う。このパワーで世論を導いてほしいと願う。それにしても、政府は現状を理解していない。やることがトンチンカンだ。無償化すれば、少子化問題が解決するとでも思っているのだろうか。少子化は解決しない。国会議員らは、まずベストセラー「未来の年表:河合雅司:講談社現代新書」を熟読し、現状を理解すべきだと思う。幼児教育無償化を憲法改正に盛り込む議論など、先の先の夢物語でしかない。

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プロならカンペを読むな

今日土曜日夕方の日テレ天気予報解説を見ていて情けないと思った。アナウンサーか天気予報士かは分からないが、男女で天気の解説をしていた。ところが、両人ともカメラを見ずに下を見ながら解説をしている。カンペを読んでいたのだろう。それでなくても当たらない天気予報だ。信憑性を感じない。プロ意識は皆無で、幼稚園の学芸会を連想させた。お笑いタレントのやっつけ仕事ぶりのように、如何にも本人と局の無責任さを感じた。お陰で明日の天気が晴れなのか曇りなのかを見損なってしまった。一方、平日のNHK「ニュースチェック」の女性キャスターも不快感を覚えさせる人物の一人だ。ニュースを話す時に、カメラの上を凝視する。カンペが上にあるのだろう。その瞬きもせず凝視した様子が、不気味だ。しかも、上から目線で話をする。他人を小馬鹿にしたような素振りが不愉快だ。9時のニュースに移った桑子アナの後釜のようだが、何故このような人選をしたのか、NHKの常識を疑ってしまう。幸いなことに、自分は両番組のファンではない。偶々チャンネルを変えたときに、ほんの少し見てしまっただけだ。今後、少なくともこの番組だけは一瞬たりとも見ないよう努力することにした。

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怪しいs

10日以上前このブログにも書いた日馬富士暴力事件。未だに事件が解明されず、寧ろ益々闇の中を彷徨い始めている。事実として判明しているのは、日馬富士が貴ノ岩に暴力を振るったことだけ。日馬富士が説教しているのに貴ノ岩はスマホをいじっていたというが、これも怪しい。日馬富士がビール瓶や灰皿などで殴ったというのも怪しい。白鵬はビール瓶を否定したがこれも怪しい。貴ノ岩は頭蓋骨骨折だというが、医師は否定しているのでこれも怪しい。当事者はモンゴル人だけの閉じた世界だ。彼らの証言は極めて怪しい。貴乃花親方は無言を貫いて、相撲協会と対峙している。双方とも怪しい。旭鷲山がしゃしゃり出て貴ノ岩を援護しているがこれも怪しい。モンゴルの朝青龍は反旭鷲山派で大統領に進言しているがこれも怪しい。まさに大相撲協会の内輪もめなのだろう。内輪もめの因縁は深い。でも内輪もめはどこを基点にするかで善悪が反転する。だから、この種の問題は、根を深く追求すべきではないと思う。単に、日馬富士が貴ノ岩に暴力を振るったことに焦点を当てて裁くべきものだと思う。よくよく考えれば、深謀遠慮する者が、直情的に暴力を振るうはずがない。結果は日馬富士の負けだ。彼の過去と普段の言動が証明している。日本では「身から出た錆」と言う。

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最期の出来事

突如我が家に超常現象らしきものが起こり始めた。自分が20年ほど前の単身赴任時代から使っているアナログの目覚まし時計だ。それ以来ほぼ正確に時を刻み、頼りにしてきた。今朝眼を覚ますと8時過ぎだ。慌てて飛び起きてテレビを点けると7時5分過ぎ。?と思い、目覚まし時計を観察すると、妙に秒針の動きが速い。そして死んだかのように止まってしまった。カミサンにも同じような事が起きた。料理のためにキッチンタイマーを使う。今日はタイマーが妙に速い。あっという間に30秒が過ぎて行く。明らかに異常な事は誰でも分かる現象だ。最近、ヘルスメーターで計る体重の変動が激しい。1日で2kgも変動するし、数分でも変動する。これは正に超常現象に他ならないと思った。悪霊が憑くことなどしたのだろうか、何か厄介払いをしなければとか、不安になった。念のため、乾電池を交換してみることにした。あら、驚くことなかれ。全てが解決し順調に動き出した。それにしても不思議なことだ。一斉に乾電池の寿命が終えるとは。そして最後のエネルギーアップも。丁度人が逝く時の前日に覚醒し元気になるのと良く似ている。物質である乾電池にも、自身の最期が分かるのかもしれないと思われる出来事だった。

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退位日決定の攻防

今日の日経朝刊には「退位19年3月末か4月末」の記事があったが、夕刊には「4月末に決定」との記事。大事な退位が、かようにも簡単に朝令暮改されて良いものかと思う。天皇が崩御された場合は、自動的に皇位継承されるが、退位は皇室会議の意見を踏まえて首相が決めることになっている。官邸は当初12月末案を提案したが、行事が立て込んでいると宮内庁の反対にあい断念した。その後宮内庁が3月末案に絞っていたが、急遽官邸から4月末案も考慮するようねじ込められた。それが朝刊報道だ。そして、3月末は国会予算審議や選挙があるとの理由で4月末案に決まった。それが夕刊だ。結局宮内庁の3月末案を葬ったのは、官邸の宮内庁に対するリベンジとも受け取れる。皇室会議は12月1日に開かれる予定で、まだ行われていない。だが、既に4月末と決まってしまった。最終的に決定するのが首相だとはなっているが、首相の好き勝手で決めて良い類いのものではない。それこそ、天皇や国民を忖度し決めるべきものだと思う。国民にとって、12月末や3月末は区切りが良い。結局天皇も国民も無視され、政治家の都合だけで退位日が決められた。安倍及び官邸は極めて不遜だと思う。

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無いはずが在った反物質

京都大の研究チームが、雷が大量の反物質を生成することを世界で初めて発見し、その仕組みも突き止めたとのこと。反物質は、物質と電気的な性質が逆で、それ以外の質量などの性質は同じ。今から138億年前の宇宙誕生時には反物質は物質と同じ量があった。物質と反物質が出合うと光を放出し、いずれも消滅してしまう。ところが、現在の宇宙は反物質だけが消滅し、物質だけが存在している。だから、反物質はなぜ消えたのかという謎は、素粒子物理学の最も重要なテーマの一つになっている。その反物質が、身近な気象現象である雷によって大量に生成されているというから驚きだ。仕組みはこうだ。まず雷からガンマ線が出て大気中の窒素と反応する。すると放射性同位体が出来、反物質である陽電子を放出する。そして陽電子は電子と衝突し消滅する。雷雲の中では、1回の放電で数兆個の陽電子が作られ、10分間ほどの間に発生と消滅を繰り返すと推定されるという。宇宙から反物質が消滅した謎は、日米で素粒子ニュートリノを使って確かめる実験が続いている。そのうち、その謎も解明されるだろう。日本の宇宙研究畏るべし。

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インパクトなImPACT

量子コンピューターの初の国産機の開発に成功したと国立情報学研究所やNTTなどのチームが発表した。処理速度はスーパーコンピューターの100倍に達したという。量子コンピューターとは、光の粒や電子など量子と呼ばれる極めて小さな物質の世界でおきる物理現象を応用した次世代のコンピューターだ。ハードウェアは量子ゲートを組み合わせた量子回路だが、量子ゲートは核磁気共鳴、量子光学、超伝導素子など様々なものが使われる。今回発表の量子コンピューターは、全長1キロのループ状の光ファイバーに光の粒を大量に入れ、この光の粒が「0」であると同時に「1」でもあるという量子力学の特殊な物理現象「重ねあわせ」を応用することで超高速の計算を行うとのこと。難しすぎて内容は理解出来ないが兎に角速いのだ。しかも、消費電力はスパコンの100分の1。量子コンピューターは人工知能や新薬の開発、交通渋滞の解消などに役立つことが期待されている。残念ながらスパコン用のソフトは使えない。ソフトを増やし使い易くするため、世界中の研究者が利用できるようインターネット上で無料公開するとのこと。賢いし太っ腹だ。この開発は内閣府の研究支援制度「革新的研究開発推進プログラムImPACT」の一つ。ImPACTとは、実現すれば産業や社会のあり方に大きな変革をもたらす革新的な科学技術イノベーションの創出を目指し、ハイリスク・ハイインパクトな挑戦的研究開発を推進することを目的として創設されたプログラム。税金は有効に活用されている。成長戦略とは、このように地味ではあるが着実に革新的な技術を開発し、実社会を豊かに導くことだと思う。

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ボジョレーの誘惑

11月第3木曜日はボジョレー・ヌーボーの解禁日だ。今年は11月16日だが、嘗てほど騒がれなくなった。日本では20年前のワインブームの頃から注目され、一時は世界への出荷量の半分もが日本に輸入されたという。産地のボジョレー地区にとって日本は「お客様は神様です」状態だったようだ。輸入量は2004年をピークに、現在は半減以下になっている。ボジョレー・ヌーボーの評価が面白い。公的なボージョレーワイン委員会による評価は、エレガントだとかフルーティーだとかの表現なので、美味いか不味いが判別不能。一方、販売業者による評価は威勢が良い。100年に1度の出来とか、21世紀最高の出来とか毎年最高の出来と言う。ボジョレー史上最悪の年となった2012年でも「偉大な繊細さと複雑な香りを持ち合わせ、心地よく、よく熟すことができて健全」と褒める。褒めちぎるだけだから参考にもならない。そんな口車に乗ってボジョレー・ヌーボーを飲んできたが、そろそろ口も肥えてきた所為か、輸入量が減っている。業者は「今年は最高」と言う。その言葉に、つい飲みたい衝動に駆られてしまう。美味しい飲み方は、タンニンが少ないので冷やした方が良いとのこと。一番美味しい期間は、解禁から2~3か月だとか。取り敢えず買うことにした。自分はアルコールの誘惑に弱いだけかもしれない。

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白内障手術の功罪

白内障手術を受けた女性は長生きすると、米カリフォルニア大学の研究チームが発表した。調査対象は約7万人だから、満更間違いでもなさそうだ。人口学的要因である合併症、喫煙、飲酒の有無のほか、BMIや身体活動量などを考慮して解析した結果、手術を受けた女性は受けなかった女性より60%も死亡リスクが低かったという。でも、何故寿命が延びるのかは分からないし、男性にも効果があるのかは分からないとのこと。自分はこう推測する。これが現代医学の限界だと。現代医学では因果を説明出来ない。でも、実体験者は感覚的に生活の質QOLが向上したことを実感している。QOLが向上すれば普段の生活にメリハリが出てくる。まさにアドレナリンの放出だ。生活が活き活きしてくる。現代医学では、単にこの精神効果を数値として評価出来ないとうことなのだろう。先日我が家のカミサンが白内障の手術を受けた。結果は良好。こんなに鮮明に見えるのねと喜んでいる。今まで隅に溜まったホコリなど見えなかったのに、見えるようになった。お陰で室内がウソのように綺麗になりつつある。言うことも強気になった。まさに長生きしそうだ。この研究結果は正しいと思う。でも、正しくはないとも思う。自分も数年前に白内障の手術を受けた。鏡を見た時、眼鏡を外すと朧気にしか見えなかった顔がハッキリと見えるようになった。自分は若い時代に戻ったのかと喜んだ。でも、一時すると「年老いた顔」に愕然とした。白内障手術は素晴らしい技術だが、本当に女性に幸せをもたらすのだろうか。米研究チームの結論は正しいのかが疑問に思えてきた。

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柿の一生

我が家の庭には、松、梅、柿、柚子、その他にも二三の木がある。今は晩秋。柿の木の情景に風情を感じる。今年の柿の実の収穫も終わった。植木屋が刈り込んだ枝には紅葉した柿の葉が20枚程度ぶら下がり、風に吹かれている。その殆どは茶色に枯れているが、鮮やかな茜色に染まりホクロのような斑点のある葉が数枚残っている。その色彩はまるで実篤や鶴太郎の絵そのものだ。その色彩が、柿の葉はこうして枯れていくのだとシミジミと教えてくれているように感じさせる。やがて柿の木は葉を落とし、枝だけで寒風に耐えることになる。そして、春が来る。春を真っ先に迎えるのが柿の木だ。誰よりも早く枝先に緑を付ける。それを見て春が来たと思う。その緑は日毎に膨らみ、手のひらを開くように太陽を迎える。こうなると成長は早い。瞬く間に葉は大きくなり生い茂る。白い花が咲き散っていく。そして知らない間に小さな青い実を付ける。実は日毎に生長する。そして、ある時、黄色に変色し始める。その時、初めて今年も沢山実がなったことに気付くのだ。去年は少なかったが、今年は100個以上の実が獲れた。年を取り高所作業は難しくなってきたので高枝鋏で刈り取った。我が家の柿は、殆ど手入れはしていないが、そこそこ堅くて上品に甘くて誠に美味だ。知り合いに少し分け、あとは毎日朝食のデザートになる。何か幸せを感じる。そして、この文章の先頭に戻るのだ。柿の一生も素晴らしいと思う。

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ホーキング博士と第二の地球

あの有名な理論物理学者ホーキング博士が地球について警告を発している。人口過多によるエネルギー消費の増大で、今後600年以内に地球は燃え盛る火の玉と化すと言う。だから人類は地球を脱出する必要がある。博士は、アルファ・ケンタウリ星系へ超小型宇宙探査機を送り込む計画があると言う。その星は、太陽から最も近い恒星系で、地球から4光年ほどの距離にある。光速の20%の速さで飛行する超小型宇宙探査機を使うと、その星には20年で到達するという。NASAの元研究センター長は、全てが上手くいけば今世紀半ばには、生命を維持出来る可能性のあるその星の惑星を見つけることが実現するかもしれないと言っている。夢のような話だが、強ち夢物語でもなさそうだ。だが問題は生命が存在出来る惑星が見つかるかだ。ところが、ナショナル ジオグラフィック ニュースによると、地球から11光年の距離に生命が存在出来そうな惑星を発見したとのこと。恒星ロス128の周りを回っている惑星ロス128bだ。そこには大気と水と光が存在する可能性があるという。まさに第二の地球かもしれない。ただホーキングの探査機でも55年もかかってしまう。でも光速と同じ速度になれば11年に短縮される。だが待てよ、光速と同じになれば粒子は波になってしまうかも。博士は今後どう展開しようとしているのだろうか。宇宙は夢と現実の間を行き来させる魔物のようだ。

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チバニアンの由縁

どうやら地質年代の年表の一部が、日本に因んだ名称に生れ変わりそうだ。その名前は「チバニアン」。ラテン語で「千葉時代」という意味だとか。イタリアもイオニア海の近くにある2地層「イオニアン」を申請していたが、国際地質科学連合の作業部会で千葉県養老渓谷の「チバニアン」に内定した。その地層が観測・研究をしやすいことが決め手になった。来年にも正式に認証されることになるようだ。地球の磁場を示すN極とS極は過去360万年の間に計11回、逆転したと考えられている。この地層はその最後の逆転を示す証拠とされる77万年前~12万6000年前を代表する地層とのこと。46億年の地球の歴史は、当時の生態系や気候変動などを基に115の地質時代に区分されている。ネアンデルタール人が生きていた新生代・第四紀・更新世のカラブリアンと後期との間が「チバニアン」と命名されることになる。「チバニアン」という名前が生まれるに至った経緯は、1920年代に地磁気の逆転現象が発見されたことに遡る。その発見者は当時の京都帝国大学の教授とのこと。それがきっかけとなり多くの日本人研究者が研究を進めたようだ。確か自分の記憶では、養老渓谷の逆転地層を発見したのは元高校教師だった。定年後の研究活動が実を結んだようだ。こうして見てくると、地磁気の逆転現象の発見も、養老渓谷の逆転地層の発見も日本人だ。「チバニアン」が研究のしやすさだけでなく、これらの要素も含めて日本が選ばれたような気がしてきた。

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おかしな暴行事件

横綱日馬富士の暴行事件が発覚した。先月26日モンゴル力士の集まりで、貴ノ岩をビール瓶で殴り、脳振とう、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液漏のけがを負わせ、貴ノ岩は入院し、今場所は休場。貴ノ岩の親方貴乃花は警察に被害届を提出。日馬富士は何食わぬ顔で出場。2連敗もあるが、週刊誌に暴行事件が載ることが分かり、急遽休場し、暴行事件を陳謝した。おかしな事件だ。大相撲協会は本当に知らなかったのだろうか。休場の理由も把握していなかったのだろうか。それとも隠蔽していたのだろうか。日馬富士は何故自分から協会や警察に届けなかったのだろうか。何故貴乃花に謝りに行かなかったのだろうか。白鵬や鶴竜は暴行現場にいたのに何故無言を貫いたのだろうか。貴乃花は警察に届けたのに何故協会に事実を届けなかったのだろうか。摩訶不思議な角界だ。その内事実関係が明らかになるだろうが、少なくとも日馬富士の角界追放は免れまい。全くおかしな事だらけの事件だ。横綱の権威とは、力づくでねじ伏せることではなく、品格に基づくものだと世間が一斉に騒ぎ出しそうだ。

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マザー・テレサ賞の価値

建築家の坂茂さんが日本人として初めてマザー・テレサ社会正義賞に選ばれた。この賞は、人類に対し類いまれな貢献をした個人や組織に贈られるもの。これまで女子が教育を受ける権利を訴えてきたマララ・ユスフザイさんや国境なき医師団などが受賞している。まさに世界を救う人々に贈られる賞と言える。この受賞は日本人が真に誇るべきものだと思う。坂さんの段ボール建築は有名だ。紙管を使ったクライストチャーチの大聖堂や、地震災害時の避難所用間仕切りシステムによるプライバシーの確保や、途上国でのスラム街の住環境改善など活躍の場は広い。しかも、20年も続いているボランティア活動だ。勿論本業でも大活躍で数々の有名な建築物を設計し、3年前には建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞している。日本人にとって、マザー・テレサ社会正義賞の受賞は大ニュースだと思う。だが、日経の記事の取り扱いは軽い。「ペンギン クラゲがお好き?」の記事の方が大きく重い。日経の編集者はクレージーだと思う。ニュースの価値が分からない。そういう目で見直すと日経の記事は粗だらけだ。記事が粗末なのに11月から値上げした。憤ってしまう。日経は大ニュースを大ニュースとして報道する見識を取り戻す必要がある。

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大谷選手と日ハムに拍手を

久々に心洗われる清々しいニュースだ。日ハムの大谷選手がメジャーに挑戦することが決まった。心洗われるのには二つの理由がある。一つは、大型契約ができる年齢まで待たずに挑戦する23歳大谷の決断だ。ダルビッシュは6年46億円、田中将は7年161億円の巨額契約だった。大谷もあと2年待てば田中以上の巨額契約は出来たはず。だが、25歳未満の国外選手と契約する際の新労使協定で4億円に留まると予想されている。大谷選手は夢を叶えたいと言っている。巨額契約よりも夢を選んだ大谷選手に拍手を贈りたい。もう一つは日ハムの決断。日ハムは企業だから採算性が第一優先のはず。企業の常識として考えれば、あと2年待って200億円程度でと思っていたはずだ。ところが4億円で手放すことにした。しかも戦力ダウンになる。アメリカ人から見たら、まさにクレージーだ。でも日本人から見れば、日ハムを応援したくなる。日ハムは何処を見ているのだろう。多分、目先の日本野球ではない。大谷選手がMLBで活躍し、それを育てた日本のプロ野球が脚光を浴びて光り輝く日を夢見ているに違いない。サンデーモーニングのアホ御意見番が「日本野球の損失」と言ったらしい。ゴルフの松山選手の国内試合不出場にペナルティを科したことを連想させる。所詮、大御所とか御意見番は、世界に羽ばたく若者の足を引っ張ることしか出来ないようだ。

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公明の行方

公明離れが加速している。公明と言えば創価学会、創価学会と言えば公明党、それが常識だった。だが、最近は変わりつつあるようだ。嘗ては創価学会イコール公明党だったが、今は創価学会が公明に異を唱えているいるようだ。自分には詳しい内情は分からない。創価学会会員ではないから公明を批判する立場にもない。でも、誰しもが、公明を少し批判したいと思うのが現状のようだと思う。公明の存在価値は何だったのだろかと考えてみる必要がある。タイトロープを渡るように保守と革新の峰を歩きつつ、過激な保守のブレーキとなる存在だった。存在価値はあったと思う。でも、今その存在価値はあるのだろうか。ない。これが現実だと思う。山口代表は、余りにも自民に近づき過ぎた。言い方を変えれば、余りにも甘い蜜を吸い過ぎた。その期間が長過ぎたので舌が麻痺してしまったのかもしれない。この衆院選で議席を5席も減らし、初めて700万票を割った。選挙が終われば公約「5歳以下の幼児教育を全て無償化」も反古にされた。自民に舐められられても反撃しない。自民の憲法改正案にも態度を保留している。出自も信念も忘れてしまったようだ。創価学会には鉄拳を下し破壊する道しか残されていないように見える。公明あわや、いや哀れ。

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大盤振る舞い

トランプが去った。安倍首相はトランプに武器の大量購入を、そして娘にはイバンカ基金に57億円の拠出を約束し、安倍夫人はメラニア夫人に140万円ものパールをプレゼントした。大盤振る舞いだ。今後米軍が日本から撤退することは決まっているから、武器の購入はある程度理解出来る。異様に感じたのは57億円と140万円だ。トランプの娘だからといって、57億円もお金を出すのかと驚いた。でも高橋洋一教授によると、発展途上国貧困対策の一環で、女性起業家支援基金を世銀内に設置するというもの。外務省では7月から決まっていた。ただ、お金の出所は決まっていない。一般会計ではなく特別会計で処理されるだろうとのこと。要はイバンカ個人へのプレゼントではなく従来路線の世界貢献の一貫ということのようだ。問題はパール。トランプはハワイで突如「真珠湾を忘れるな」と口走った。そして、昭恵夫人の接待が銀座のミキモト。メラニアに140万円ものパールをプレゼントした。メラニアはパールが好きとのこと。今年の初め訪米した時に、安倍夫人がメラニアにパールピアスを贈って喜ばれた。そして9か月後に、再びパールのプレゼント。誰が喜ぶか。ウンザリしているに違いない。でも、問題はそこではない。140万円は私費なのか公費なのかだ。昭恵夫人は口利きの名手だ。この人に頼めば、叶わなかった申請に予算が付くことで知られている。数が多いので真実を追究するのは止めておこう。140万円は57億円の4000分の1に過ぎない。でも、僅かな金額ではあるが、問題が多過ぎる。もし私費であれば、思慮は浅いがいっぱしの人物として見直すこととしたい。さて。

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節操の有無

新聞の下欄にある文藝春秋12月号の広告に目が留まった。「退任した前会長の遺言 NHKは受信料を値下げせよ 籾井勝人」という小さな見出し。この人ほど期待外れだったNHK会長はいないと思う。籾井は三井物産出身で豪腕で知られていたから、NHKに民間パワーを注入出来ると期待していた。当時このブログ「NHKのあるべき姿」にも書いた。だが期待を裏切り、国会での就任挨拶から発言の取り消しが始まった。でも発言内容は民間人として極めて常識的なものだったと思う。取り消さなければ道を踏み外してしまうことも無かったろうにと思う。それ以降は、費用の公私混同や全理事から日付の無い辞表提出など、お騒がせの毎日だった。籾井が唯一真面な対応をしたのは、退任直前に自ら提案した受信料値下げだ。放送センター建て替えのため積み立ててきた建設資金が目標を達し200億円が余剰になった。この200億円を受信料値下げに充てようと提案した。だが経営委員会で却下され実現には至らなかった。何処の会社でも同じだが、それまでNHK受信料が高過ぎると言っていてもNHK会長に就任すると、手のひらを返したように値上げを主張する。節操が無い典型だ。籾井は、値下げについては節操があった。就任時に自説を曲げない節操があれば、名会長になっていたかもしれない。

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交通道徳の見直しを

東名高速の追越し車線上に無理矢理停車させ、2名を死に至らしめた事件をきっかけに路上トラブルの報道が絶えない。ちょっとした運転にキレた者があおり運転などを繰り返し、挙げ句の果ては暴力にまで発展する。路上トラブルを防ぐ方法はないものだろうか。DIAMONDonlineの「あおり運転問題で日本人は欧米に学べることがある」が参考になる。長らく海外で暮らした著者は欧米と日本の違いを指摘している。日本の交通道徳は「道路交通法に違反しさえしなければ、何でもあり」だが、欧米は「交通法規と同様に、他者の権利を尊重すること」だと言う。欧州では車の流れを妨げないことが優先される。先を急ぐ車がいたら速やかに進路を譲る。交差する道路が優先道路でも流れを止めないまで出ない。他者の権利を保障することが自分の権利の保障に繋がるという考え方が徹底されている。米国ではノロノロ運転に対しクラクションを鳴らす車は無いそうだ。何故なら「いつ何時発砲するような人物が乗っているのか分からないから」との落ちもある。著者によると、欧米に較べ日本は明らかに善良な市民と思われる者同士の競り合いが一番多いとのこと。そろそろ、あおり運転事故の報道をきっかけに、欧米並の交通道徳に改める時期に来ているようだ。

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オモテナシさまざま

お国が変わればオモテナシも変わる。日本ではトランプの大好きな米国産牛肉とゴルフだったが、韓国では元慰安婦のハグと独島(竹島)エビだ。米国の記録では慰安婦は庶民よりも豊かな暮らしをしていたことや、軍の強制連行ではなく親が売り飛ばしたことが確認されている。更に米国は韓国の独島を日本の領土であることも認めている。当然トランプも承知のはず。しかもトランプは白人系美人にしか興味が無い。韓国の接待はトランプにとってどのように映ったのだろうか。一言で言うと、日本はトランプの好きな物を差し出したが、韓国はトランプの嗜好を無視して韓国の好きな物を並び立てたということだ。たとえトランプがどのような人物であろうと米国の大統領だ。それなりに相手を慮るというのが国際的な礼儀というものだ。さぞ非礼な国に感じたことだろう。だが見方を変えると、韓国の振る舞いは中国による日米分断作戦の一部にも見える。THAAD配備で中国から経済的な制裁を受けていた韓国は、最近中韓の戦略的パートナーシップの発展を強化推進していくことに合意した。それで中国の経済制裁が解けつつある。それを維持するには反日をアピールするのが必須。目下東アジアの最大の問題は北朝鮮の核兵器開発だ。それをそっちのけで日米の分断化を図る。ひょっとするとトランプは北朝鮮問題解決の意志決定メンバーから韓国を外す心積もりをしたかもしれない。

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パラダイス文書

パナマ文書の衝撃からまだ2年も経っていないのに、今度はパラダイス文書だ。パナマ文書では多くの政治家が辞任に追い込まれた。今回のパラダイス文書は、パナマ文書と同様にタックスヘイブンによる租税回避の実態暴露だ。多くの政治家や投資家や企業やタレントの名が挙がっている。英国のエリザベス女王やカナダのトルドー首相、アップルの資産隠しやマイクロソフト共同創業者のアレン、歌手のマドンナやロックバンドのボノ、日本人では漫画家の鳥山明や元首相の鳩山由紀夫とバラエティに富んでいる。米大統領選では、この金が両候補に献金されている。本来税金として納められるはずだった金を使って大統領選を戦っていたという訳だ。献金者は当然当選後の見返りを求める。候補者らは全てを承知のはず。実にダーティーな選挙だと思う。トランプ陣営の選対本部長らがロシアゲート疑惑で起訴されている。更にこのパラダイス文書で、トランプ政権のロス米商務長官にロシア疑惑が浮上した。米大統領と候補者は共にロシア塗れだ。米大統領選も地に落ちたものだと思う。これから一波乱も二波乱もありそうだ。

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トランプの初めの一歩

トランプ大統領が初めて来日した。着いたのは横田基地。沖縄は米国のやりたい放題と言われているが、都内の横田基地も同じ。横田は米国内と同じ扱いだ。米国機は離着陸も自由だし、パスポートも不要。日米合同委員会のなせる術だ。この歪みは「知ってはいけない:矢部宏治:講談社現代新書」に書いてある。一度は読むべき本だと思う。トランプは横田基地から専用ヘリで霞ヶ関ゴルフ場へ。昼食は米国産牛肉のハンバーグ。とは言ってもマクドナルドなどではない。今絶賛されているマンチズバーガーシャックだ。米国産牛肉を最大限に引き立てるので最高のオモテナシであることは間違いない。そしてゴルフとディナー。トランプはご満悦だ。そりゃ当たり前だ。政治とは無関係に接待漬けなのだから。でもトランプはビジネスマンだ。明日は人が変わって厳しい要求を突きつけるかもしれない。変わったのは、マスコミと国民だ。あれ程酷い大統領だと貶していなのに、今日は好意的だ。写真を撮ろうと人は集まるし、反対のデモも起きない。ヤクザが堅気には親切で、堅気はヤクザを悪い人には感じないことと似ている。でも、トランプにも良い点はある。まず他国を訪れ人と会うこと。会えば国柄や人柄が分かるし親しみも湧く。まずは出来る限り他国を訪問し、自分の目で見ることが大切だ。トランプは、やっと一歩を歩み始めたのかもしれない。

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もういい加減にして

もういい加減にして欲しいと思うのが加計問題だ。衆院選明けの23日に認可かと噂されていたが、昨日の朝刊に認可との記事が載った。文科省大学設置・学校法人審議会が2日の非公式会合で開設を了承したのだが、本来は非公開の会議だ。であるのに何故か3日の朝刊にその結果が報道された。間違いなく官邸のリークだ。官邸は既成事実を作り押し切ろうとしているに違いない。これで、また野党の追及の炎が燃え上がることになる。「もういい加減にしてして欲しい」と思うのは、こんな些細な問題で国会討議の時間を潰してほしくないからだ。加計問題の犯人は、首相自身か取り巻きであることは間違いない。現在の日本は獣医学部を早急に必要とする状況にはない。特区で試行して、良ければ全国に広げる類いのものでもない。打ち破るべき岩盤規制の象徴でもない。ただ単に首相のポン友加計の願望に過ぎない。それを安倍が配慮したに過ぎない。もし安倍が直接命令したのなら政治の私物化で、首相の資格は無い。即去るべきだ。たとえ命令が無くても取り巻きが忖度したのであれば、安倍が忖度させてしまった配慮の無さを不徳の致すところと国民に謝るべきだ。それで全て解決する。李下に冠を正さずとか、瓜田に履を納れずという諺を知らないのだろうか。「謙虚」という言葉だけでは解決するはずがない。

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陸王あれこれ

TBSで「陸王」が放送されている。原作はあの半沢直樹で有名な池井戸潤。老舗の足袋業者が会社存続のため、培った足袋製造の技術を生かして、裸足感覚の薄いソールのランニングシューズを開発する物語。役所広司が主演を務め、敵役にピエール瀧も出演している。一方で、NHKの来年の大河ドラマは「いだてん」で、足袋屋がマラソン用の足袋を開発する物語だという。しかも、役所もピエールも出演する。偶然とは言え、被っているところが何とも言えない。ランニングシューズの開発経緯が面白い。以前は厚底のシューズで踵から着地する走法が主流だったが、故障し易かった。「陸王」では、足の平全体で着地する走法に適した薄底シューズを開発する。原作を読んでいないので、結末は知らないが、これに成功するのだろう。いま現実世界では薄底シューズが主流だ。青山学院はアディダスの薄底シューズで成果を上げている。ところが、ごく最近、ナイキが厚底シューズを開発した。軽量の厚底で足先から着地して蹴り上げるという。成果は出ている。ボストンマラソン3位の大迫選手、チェコのハーフマラソンで日本記録を出した設楽選手等々。今月5日には熱田・伊勢間の全日本大学駅伝が開かれる。東洋大と東海大は既にナイキのシューズを導入済みとのこと。シューズの開発経緯を理解しながらの駅伝観戦は、より一層の面白さを増しそうだ。

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応新知故?

福島原発の核燃料がメルトダウン後、圧力容器内には残っていないことを証明したミュー粒子が、今度は別の世界で歴史的な発見をしたようだ。エジプトのクフ王の大ピラミッドの中心部に未知の巨大空間があること発見したとのこと。石で出来たピラミッドの内部を調べることは容易ではない。それでも、石に穴を明けたり爆破して王の間、女王の間、大回廊を発見してきた。だが今回は最先端の科学を利用した。空から降り注ぐ宇宙線であるミュー粒子は、分厚い岩をも透過する。密度の高い物質に当たると一部が吸収され、空洞など密度が低い部分では吸収されにくい。検出器で粒子の飛来方向と透過率を計測すればX線のように内部を透視出来るという訳だ。ピラミッドの中央下部と外側下部に検出器を置き、空洞の場所を特定した。その結果、大回廊の上部に長さ30メートル以上の空間があることが判明したとのこと。場所さえ特定出来れば、その内何とか辿り着けるだろう。そこには何があるのか、夢は膨らむばかりだ。温故知新ではなく応新知故とでも言うのだろうか。アッパレ!最先端科学技術。

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来年のヒット商品とは

日経トレンディが毎年「今年のヒット商品ベスト30」と「来年のヒット予測ベスト20」を発表している。世の中の流行りを感じるには、良い企画だと思う。因みに今年の1位は「任天堂スイッチ」で来年の1位は「AIスピーカー」だ。任天堂スイッチは生産が追いつかないほど売れまくり、任天堂の救世主になった。果たして、来年はAIスピーカーが1位に輝くだろうか。未来を予測するには、過去の事実を確認することが常道だ。過去を振り返ってみると、2015年の予測が「グルメ健効系フーズ」に対し実績が「北陸新幹線」、2016年の予測が「新電力トリプルセット割」に対し実績が「ポケモンGO」、2017年の予測が「ノールックAI家電」に対し実績が「任天堂スイッチ」だ。来年のヒット予測ほど当てにならないものは無いことが分かる。ヒット商品とは何を意味するのだろう。現在の延長線で考える商品をヒット商品といえるだろか。延長線上に無いからこそ、ヒット商品といえる。ヒット商品は意外性を持っている。意外に受けたからヒットしたといえる。ということは、来年の予測をすること自体に矛盾がある。でも、来年のヒット商品を思い描くことは楽しい。ひょっとすると日経トレンディは、次年度の実績ヒット商品を際出すために、敢えて当たりもしない予測をしているのかもしれないと思えてきた。

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