2016年8月

節税と企業倫理

欧州委員会がアップルに対し約1.5兆円の追徴税をアイルランドに納付することを命じた。勿論アップルは反対しているが、アイルランドも反対し、米国も不満を表明している。約1.5兆円の追徴税を受け取れば良さそうに見えるが、アイルランドは今の法人税制が経済政策の要であるから死守すると言う。アイルランドには米国企業だけでも700社以上が子会社を置いていて従業員総数は14万人もいるからだ。米国は欧州が米企業を標的にして世界的な税制改革を脅かそうとしていると不満を言っている。当の欧州委員会は、EUの国家補助規制に抵触していると主張している。国家補助規制とは、企業が政府の支援を得て同業他社より優位に立つことを禁じる規制だ。アップルの実効法人税率は03年の1%から14年には0.005%にまで引き下げられていた。0.005%とは極めて異常だと思うが、自分にとっては誰の言い分が正しいのかは分からない。これは合法的なタックスヘイブンの問題ではなく、違法性の問題だからいずれは決着が着くことだろう。だが自分はタックスヘイブン自体も問題だと思う。大きな利益を上げている世界のトップ企業が、実体のない書類上の本社を他国に置き節税に努めることは企業倫理として好ましいことではない。でも税金は納めれば最適に使われるとは限らない。であれば節税した分を学校建設などの使用目的が限定した機関に寄付すればよい。企業も社会に貢献したことになる。これぞ大企業と言うものだ。銭ゲバだけの大企業はいずれ滅びることになる、そんな時代が来てくれないものかと思うのだが。

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生まれ変わる瞬間

サムスン電子が新発売した大画面スマートフォンの充電中の爆発が相次ぎ供給が中断されたとのこと。リチウムイオン2次電池の出現でスマホなどの小型通信機器が飛躍的に使い易くなったが、相変わらずリチウムイオン2次電池の危険性は解消されていないようだ。リチウムイオン2次電池の危険性は、特殊な有機溶媒を用いた電解液にある。溶媒を水にするとリチウムによって電気分解してしまうので使えずエチレンカーボネートなどが使われている。だがエチレンカーボネートは燃え易いため火災や爆発の原因になるほか有毒性もあり厄介な溶媒だ。ところが、東大等の研究グループが、新しい水系の電解液を発見したと発表した。通常リチウム塩を水に混ぜるとリチウム塩は固体になってしまうが、特定のリチウム塩2種と水を一定の割合で混ぜると常温で安定な液体になることを発見したとのこと。スーパーコンピューターで解析した結果、全ての水分子がリチウムイオンに配位した状態で液体になる極めて特殊な液体構造になることが分かったようだ。水系電解質が産まれるかもしれない。水系になれば製造コストも下がるし、安全性が飛躍的に向上するはずだ。そうなれば用途も一挙に拡大する。リチウムイオン2次電池が生まれ変わる瞬間かもしれない。

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親の心子知らず

息子のレイプ事件で母親の高畑淳子が涙の記者会見。息子といっても22歳。もう一人前の大人だ。欧米人から見れば極めて奇妙な会見に映るかもしれない。だが日本では大人になっている子供の尻拭いを親がするのはある程度常識になっている。親としての気持ちは分からなくもないが、親は一度簡潔に謝ればよい。責任は全て子供にあるのだから。ところがマスコミが執拗に追いかける。息子の身から出た錆びとはいえ少し気の毒にも思う。では、親は子供を育てた結果に責任があるのだろうか。科学的な根拠に基づく「言ってはいけない:橘玲:新潮新書」の主張がユニークだ。「人は遺伝子と家庭環境とその他の環境」により人格が形成されると言う。影響度は遺伝子が50%で環境が50%。だが、家庭環境は親の使う言葉程度の影響しかなく、ほとんどがその他の社会環境だと言う。親は子供に口酸っぱく躾をするが、子供は親の思い通りには育たない。つまり、子育てや教育は子供の成長には関係が無いということだ。自分の人生を振り返ってみると、自分も親の意見などは聞かずに育った。確かに一理はある。この本は科学的根拠に基づく進化生物学や進化心理学の入門書のようなもの。「親の心子知らず」と嘆いているうちは、進化していないとも言えるかもしれない。

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GPIFポートフォリオの過ち

運用総額約130兆円の世界最大の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人GPIFが、巨額の運用損を計上した。この1年間の日本株式の評価損益はマイナス13兆円を超えている。2014年10月からポートフォリオを大幅に入れ替え、日本株の保有比率を12%から25%と大幅に引き上げた。一時は株価上昇で利益は出たものの、現在は2014年からの累積収益率はマイナスに転落してしまった。大切な年金の原資が実質的に目減りしているのだ。GPIFは、EU離脱による円高や世界的な株式市場の下落や米雇用統計が事前予想を大きく下回ったこと等を言い訳にしているが、そういう問題ではない。年金をリスクの高い株式に25%も運用する事自体が間違っているのだ。しかも、GPIFと日銀を合わせた公的マネーが東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっているという。公的マネーは企業を選別せず、株価指数に沿って広く薄く投資するパッシブ運用が中心だ。業績の悪い企業も株価が上がるから、優良会社もダメな会社も見分けがつかなくなる。浄化作用が効かなくなる。公的マネーが日本株式の7%も占めている。損きりを始めて撤退に向かえば、崖を転がり落ちるように株式市場は暴落してしまう。最早公的マネーは市場から撤退することも出来ない。安倍政権の大失敗だと思う。それにしても、何故誰も騒がないのだろうか、不思議な世の中だ。

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ながら運転撲滅を

ポケモンGOで初めて死者が出た。日本での初めての死者は徳島。前を見ていなかった運転者が若い二人の女性を撥ねた。二人は死亡と重傷。惨すぎる。現場は片側1車線の直線道路。運転者がゲームに熱中し前を見ていなかったと言う。その3日後には名古屋で横断歩道を渡っていた人が撥ねられ死亡した。運転手が運転をしながらポケモンGOをしていたが電池が無くなり、車内のシガーソケットから充電しようとしてよそ見をしたのが原因とのこと。最近は自動車を運転をしていて怖いと思う事がよくある。バックミラーから後続車の運転者の挙動がよく見える。スマホをいじりながら運転している姿をよく見かける。その時はヒヤヒヤものだ。追突してくれるなよと祈るしかない。何で自分が不運としか諦めなければいけないのだろうかと怒りが湧いてくる。10数年前に道路交通法が改正され、運転中の携帯使用に罰則が設けられた。当時は警官が目を光らせ携帯ながら運転を次々と取り締まっていた。その効果は絶大で、一時はながら運転が激減した。ところが、警察が手を抜くと、今ではながら運転が当たり前になってしまった。警察はネズミ取りをするより、ながら運転撲滅に力を入れるべきだと思う。ポケモンGOをきっかけに、再度ながら運転撲滅のキャンペーンを張ってほしいものだと願う。

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おかしな世の中の素

ワンセグ機能付きの携帯はNHK受信料不要と、さいたま地裁の判決が出た。「NHKから国民を守る党」の大橋朝霞市議がNHKの放送受信料を支払う必要があるかどうかの確認を求めた裁判だった。放送法には「受信設備を設置した者に受信契約の義務がある」とある。だが大橋市議は、ワンセグは携帯で設置ではないと主張。一方NHKは「設置とは受信設備を使用できる状態に置くこと」と反論。判決は、放送法条文で「設置」と「携帯」が分かれて定義されているので、携帯は「設置」ではないという結論に到ったようだ。極めて常識的だが、本質はそこには無い。決して文言の問題ではない。放送と情報の境の判断が極めて重要だ。放送から情報へと権力を拡大するNHKの姿勢を厳しく律する裁決をすべきだったと思う。受信料問題はもう一つある。NHKだけが映らない専用機器を取り付けて、受信料支払いを拒否してきた元船橋市議が、敗訴して東京地裁から受信料支払いの命令を受けた。判決理由は、専用機器が取り外し出来るからとか。逆に考えれば、不可逆的に取り付ければ、受信料を払う必要はなくなるという事だ。バカな判決だが、かなり一歩前進と言える。それにしても、日本の司法は程度が低過ぎる。一般国民が司法に望むことは、常識で判断してほしいという事だ。ところが、司法は現行の法律の中でしか判断しない。法律自体が間違っていようがお構いなし。そんな法律バカが「日本の常識」のような顔をして裁決する。おかしな世の中だと思う。

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彷徨える台風

台風10号が迷走している。19日に八丈島の近くで発生し、その後西へ西へと流れ今は沖縄の南大東島の南まで南下した。しかも中心気圧は950ヘクトパスカルと丸々と太り、最大瞬間風速60メートルの暴風が吹き荒れている。そのまま南の海で消滅してくれれば良いが、何とこれから進路を変えて北上し本土に上陸しそうだという。現在の予報通りに進むと茨城県に上陸し新潟に抜けることになる。発生場所が八丈島の近くというのも珍しいが、茨城県に上陸するのは史上初めてだという。変わり者の台風だ。お蔭で新潟旅行の日程が決まらず、大きな迷惑を被っている。それにしても、最近の天気予報士の説明は上手いと思う。台風10号が北上し日本を直撃する理由を、大陸と太平洋の高気圧の形状と偏西風の蛇行で極めて論理的に説明する。勿論納得してしまうのだが、いつも本当かしらとも思う。高気圧も低気圧も絶対的な気圧で決まっている訳ではない。常に相対的な関係で、気圧が高い所を高気圧、低い所を低気圧と言っているに過ぎない。高気圧は低気圧に影響を及ぼし、低気圧は高気圧に影響を及ぼしている。台風は高気圧の縁を進むと説明する。高気圧は山のように動かず、台風は谷間を流れる激流のようだ。でも台風が高気圧に与える影響はないのだろうか。天気予報を見ると、いつも台風10号のように頭の中が迷走してしまう。

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生きた証の記念碑

第一生命経済研究所の調査によると、先祖の墓に入りたいと考えている人は約4割で、墓はいらないと回答した人が2割とか。時代の流れとともに、墓はいらない人が増えているようだ。海洋葬や樹木葬、最近では宇宙葬なるものまであるそうだ。自分は三男なので両親の墓には入れない。かといって勿論自分の墓など手当していないし、する積りもない。自分は輪廻思想を信じている。死んだら生まれ変わるものと思っている。だから「千の風」と同じように、墓の中でじっと眠っていることはないはずだ。墓は単なる生きた証の記念碑だと思う。記念碑であれば、墓である必要はない。20年近く前から自分は海洋葬がいいと思っている。だが当時は海洋葬のルールが曖昧で、実現の可能性が低かった。でも最近は散骨のルールが確立しつつあるようだ。「墓地埋葬等に関する法律」には、散骨を禁止する規定は無い。一部地域の条例を除いて法規制の対象外とされている。また法務省は、散骨は節度をもって行われる限り、遺骨遺棄罪にはあたらないとの見解を示している。従って、散骨は個人の自由な判断に任せられていると解釈出来る時代になっている。自分は平塚の海が好きだ。平塚の沖合の迷惑の掛からない所に散骨してほしいと思う。更に出来れば高麗山にも撒いてくれるとありがたい。子供たちや知人たちが通りすがりに「この辺だよね」と偶に思ってくれれば、まさにそれが自分の記念碑になる。願ってはいるが、叶うかはカミサンの胸先三寸次第なのかもしれない。

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そんなの関係ねぇ?

「反捕鯨団体シー・シェパードが永久に妨害をしないとの合意が成立した」とのニュース。これでやっと過激な妨害が無くなるのかと思ったが、そうではなさそうだ。日本鯨類研究所が米国の連邦地裁に訴えた裁判で合意が成立。日本が和解金を支払い米国のシー・シェパードは永久に妨害行為をしないという内容。金の力で強引にねじ伏せた感じだ。ところが、このニュースが流れると即座に豪州のシー・シェパード「そんなの関係ねぇ」と表明した。妨害活動の実行部隊である肝心の豪州のシー・シェパードにこの合意は及ばないとのこと。米国と豪州のシー・シェパードはそれぞれ法的に独立している。豪州のシー・シェパードからみれば「豪州で違法な日本捕鯨の妨害を続ける」ということだ。日本鯨類研究所は「米国からの資金や人材の提供が禁止されるので豪州の妨害活動には打撃になる」と指摘している。そんな効果が有るか無いか分からない裁判よりも、直接豪州で裁判を起こすべきだと思う。その場で、日本の調査捕鯨という行為に正当性があるのかをはっきりさせるべきだ。調査捕鯨には、税金の無駄遣い、鯨肉不要論、沿岸捕鯨の圧迫、天下り先、科学的根拠の無さ、政治献金、動物愛護等々の批判が山のようにある。この際、豪州で裁判を起こし、世界と日本の国民が議論を尽くし、調査捕鯨のあり方に決着をつけたらどうだろうか。

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夫はマリオに、夫人はハワイに

リオで安倍首相がマリオとし登場した日に、首相夫人はハワイの真珠湾を訪れた。同じ日になったのは偶然だろうか、それとも計画的だったのだろうか。今年は真珠湾攻撃から75年目の節目の年に当たる。12月7日に安倍首相が真珠湾のアリゾナ記念館を訪問するかが注目されている。だが政府は慎重だ。首相の訪問は無いと言う。首相夫人の真珠湾訪問について、菅官房長官は「私的なものでコメントを控える。首相の訪問予定は全く無い」と言っている。リオのマリオはトップ記事になるが、夫人の真珠湾は記事には載らず騒がれないが事実として残る。巧妙な日程調整だと感じる。10月頃に、官房長官か外相が公式に訪問し、その反応を見て首相訪問を決断するのではないかと思う。米国トップの広島原爆記念館訪問の経緯が思い出される。広島原爆投下は今年で70年目の節目を迎えた。まずケネディ駐日大使が広島を訪問した。それに続きケリー国務長官が公式に広島訪問しトラブルもなく歓迎を受けた。その感触を確認した後、オバマ大統領の訪問が確定し実現した。首相の真珠湾訪問には賛否色々な意見がある。だが首相は真珠湾を訪問すべきだと思う。節目の年に訪問し、一つのキリをつけるべきだ。戦争の経緯を振り返る必要はない。双方にそれなりの理由があるのが戦争だから。ただひたすらに冥福を祈り謝罪してくれば良い。それで日本の戦後が終わる。この機会を逃すと、あと25年間も戦後が続くことになるかもしれない。

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低迷するドラゴンズ

中日ドラゴンズの低迷が続いている。10日ほど前には、谷繁監督が突然解任された。就任以来Bクラスに定着し、今は何とトップの広島と20ゲーム以上も離されている。戦績不振だから監督が責任を取らされるのは当たり前だとは思うが、あまり納得がいかないところもある。落合がGMになってから井端選手などの有力選手が首を切られ放出された。戦力の割に報酬が高過ぎると言う理由だった。その見返りに、その後役に立つ選手を補強したのかというとそうでもない。最下位に定着してしまった原因は、谷繁監督の指導力や采配ミスだけではなく、ずばり戦力不足にあると思う。MLBでは、選手の補強はGMの仕事で、監督はその選手たちを活用するだけが仕事だ。でも日本では、選手補強はGMと監督の共同の仕事になっている。ところが中日では、日本流ではなくMLB流儀になっている。日本流とMLB流のどちらが良いかという話ではない。要は結果が出せれば良い。MLB流であれば、当然GMも結果の責任を負うことになる。監督の首を挿げ替えれば済むというものではない。中日トップは、リストラだけしかしなかったGMをリストラする気はないのだろうか。このままでは選手もコーチも、沈みかかった泥船から逃げ出す以外に道はなさそうだ。

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金のメダルと鉛のメダル

リオ五輪もそろそろフィナーレを迎えようとしている。想定外と言っては失礼だが、日本選手の頑張りがやけに目立った大会だった。従来の日本選手は、ここ一番という時に実力を発揮出来ず敗れ去るのが常であった。だが、柔道や卓球、バドミントン、水泳そして陸上競技も頑張りがものをいった。次期大会が東京という要因も無いとは言えないが、日本選手の精神力は間違いなく一段前進したと感じる。勝者が笑い、敗者が泣くのはスポーツの定めだ。だが、敗者が称えられ、勝者が国家の恥と蔑まされた出来事もあった。陸上女子5000m予選の出来事。米国とニュージーランドの選手同士が接触し転倒。通常であれば、接触した相手を罵り、再び走り始め、自分の不運を嘆くものだ。ところが、ダゴスティノ選手とハンブリン選手は違かった。ダゴスティノ選手が先に立ちあがったが、ハンブリン選手は立ち上がれない。ダゴスティノ選手はそのまま走らずに、泣いているハンブリン選手を助け起こし「立って。最後までやらないと」と励ました。レースに復帰すると、ダゴスティノ選手の怪我が思わしくなく、今度はハンブリン選手がダゴスティノ選手を励まし続けた。ダゴスティノ選手は怪我をおし、最後まで完走。ゴールで待っていたハンブリン選手がダゴスティノ選手を抱きかかえ称賛した。二人はタイム上は予選を通らなかったが、大会側は決勝出場を認めたとのこと。二人は競技の金メダルは獲れなかったが「五輪精神の金メダル」を手中にした。一方、水泳で金メダルを獲得したロクテ選手は愚かだ。ガソリンスタンドで仲間と狼藉をはたらいたため、警備員に拳銃を突きつけられ賠償金を支払わされた。だが、その事実を「強盗に拳銃を突きつけられお金を巻き上げられた」とでっちあげた。しかも、仲間を残し自分は一人で米国に帰ってしまった。後日、真実が明らかになり、ロクテは今では「米国の恥」と言われている。金メッキが剥がれ落ち地金の鉛がむき出しになってしまったようだ。五輪は人格も篩にかけるのかもしれない。

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気象庁の言葉遊び

気象庁が大地震発生後の余震確率の公表方法を見直ししたと発表した。熊本地震の余震確率情報で被害がより拡大したと批判を受けたからだ。マグニチュード6.5の地震発生後「今後3日間に震度6弱以上の余震が起きる可能性は20%」と公表した翌日に、より大きなマグニチュード7.3の地震が発生。「余震20%」の表現で危険性が低いと考えて自宅に留まり亡くなった人の被害が拡大した。今後は「震度6弱以上となる地震の発生確率は平常時の30倍」などと公表するという。余震が本震よりも大きかった事への反省らしい。だが「余震20%」にしても「平常時の30倍」にしても、我々住民にとっては実感が湧かない。もっと住民に注意を喚起させる表現は無いものかと思う。一方、政府の地震調査研究推進本部が、全国の活断層帯の長期評価について、S、A、Z、Xの4段階に分けて公表する案をまとめた。Sランクは30年以内に大きな地震が起こり得るリスクが「高い」、Aは「やや高い」という具合だ。従来は、30年以内の地震発生確率を数値で示して「高い」なのどの補足情報を付けて公表していた。だが、これも気象庁の余震確率と同様に実感が湧かない。どうも批判を避けるための言葉遊びとしか思えない。その点、MEGA地震予測は優れものだ。測量学の世界的権威である村井東大名誉教授が考案した地震予知法で実績を上げている。GPSデータにより全国各地点での地面の動きを解析し、歪み状況を把握する。極めて直接的でかつ数値化出来る方法といえる。最近首都圏で大きな地震が頻発している。MEGA地震予測は今まで出したことのない最高レベルの5に引き上げ注意を喚起している。ナマズだってバカにしてはいけない。より広く地震予知法を検討する必要がある。地震学会は確率ばかりに拘っていると、何の役にも立たないお荷物になってしまうと思うのだが。

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日本ハムの勢い

パ・リーグ成績表に珍現象が現れた。1位ソフトバンクSBに対し2位日本ハムの勝差がマイナス0.5。何と2位の方がゲーム差では先行しているのだ。今日SBが敗け日ハムが勝ったため、SBは64勝39敗5分、日ハムは67勝41敗1分になった。成績順位は勝率で決まる。SBの勝率は64÷(64+39)=0.621で、日ハムは67÷(67+41)=0.620だからSBが1位だ。ところが、ゲーム差でみると、SBは64-39=25で、日ハムは67-41=26だから、(25-26)÷2=-0.5となる。プロ野球も終盤になると、優勝確率の目処としてゲーム差が注目される。あと何日で何ゲーム差だから追いつくとか追いつかないと騒がれる。そのゲーム差が、2位の方が上を行っているという現象なのだから面白い。単に試合数や引き分け数の違いで起きる現象ではあるのだが。一時はSBが10ゲーム以上も引き離しトップを独走していた。その後日ハムが猛追しSBに肉迫している。その日ハムの勢いが、ゲーム差までもひっくり返してしまったと解釈すれば、更に面白い。何故かゲーム差までもパ・リーグ人気を押し上げているようにみえる。

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ネコとの会話

ネコの生態を観察していると面白い。6年前に生まれた近所のソトネコのメスが親になり、毎年コネコを産むようになった。オヤネコがコネコを育てる姿は、ヒトと同じだ。住処から付き添って徐々に距離を伸ばしながら外の世界を教えている。コネコが迷子になり行方不明になると、優しい声で鳴きながら子供を探し回る。そして1年すると次の子が生まれる。その1年間は兄と弟が同居生活を送る。しかし、次の年にまたコネコが産まれると、2年前のコネコはオヤネコから追い出されて何処か違う住処へと移動していなくなる。それが繰り返えされ、今は去年産まれたコネコたちが我が家に遊びに来る。犬は飼い主に懐くが、ネコは懐かない。犬は「人に頼っている」ように見えるが、ネこは「自分の頭で考えている」ように見える。但し記憶力は悪そうだ。3日も経てば忘れてしまう。だから気まぐれに見える。その気まぐれがヒトに癒しをもたらすのかもしれない。庭の広さを「猫の額ほどの広さ」と表現するが、脳みそも小さいのだろう。ネコは飼い主や遊んでくれる人は覚えている。ネコから見ると、ヒトは巨大なネコに見えているという説を聞いた事がある。そう言えば、ウチのカミサンは、猫を見つけると「ニャー」と言って挨拶をする。ネコの生まれ変わりなのかもしれない。最近は「人猫語翻訳機」というアプリがあるらしい。日本語でも英語でもネコ語に翻訳して、発声してくれるのでネコに話しかけることも可能なようだ。更に「猫人語翻訳機」が出来れば、ネコがヒトに話しかける時代がやって来る。ネコに何を言われているのか、ストレスが溜まりそうな気配も感じてならない。

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クリシナ vs イシンバエワ

ロシアの国家絡みのドーピング不正を告発したクリシナのリオでの孤独な戦いが始まった。ロシアの陸上チームで唯一出場が認められたクリシナは練習不足にもかかわらず、女子走り幅跳びの決勝に進んだ。クリシナは「国家絡みのドーピングを無くしたい」という願いから敢えて告発したと言う。プーチンは「西欧に嵌められた」と言っているが、WADAの調査結果が示す通り「国家絡みのドーピングは事実」。クリシナはロシアの仲間がいないのは寂しいとも言っているが、出場出来たことを喜んでいるという。他国の走り幅跳びの選手はクリシナに好意的とのこと。クリシナは正義を貫き通したのだから、あとは思う存分力を発揮してほしいと思う。だが、ロシアでは「裏切り者」とバッシングの嵐のようだ。一方、棒高跳びの世界記録保持者イシンバエワは出場出来なかった。イシンバエワは、ドーピングしていない陸上選手が出場出来ないのは不公平だとIOCに文句を言っている。文句を言う順番が間違っている。まずは国家絡みのドーピングをしたプーチンを責めるべきだ。そして国家が犯罪を認めれば、その次にIOCにドーピングをしていない選手の救済を求めるべき。スポーツの実力とは関係なく、クリシナは世界で、イシンバエワはロシアの片隅で生きているようだ。

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核のジレンマ

安倍首相が米国の核先制不使用について反対の意向を伝えたが、日本のマスコミは大きく取り上げていない。オバマ大統領が、敵の核攻撃を受けない限り、核兵器を使用しないとの政策を打ち出しているが、反対意見が多い。ケリー国務長官やカーター国防長官が反対し、英仏独は懸念を示している。安倍首相は、北朝鮮に対する抑止力が弱体化するとして反対を表明したようだ。だが、果たして核先制使用が正しいのだろうか。核の威力は凄まじい。たった1発でも数十万人が犠牲になり、環境は破壊され長年にわたって放射能の後遺症に悩まされることになる。核保有国同士で核が落とされれば、必ず核による報復が始まる。先手を打とうが、後手を引こうが被害は同じだ。そもそも核戦争に勝者は存在しない。両者が敗者になるだけ。核を使わず、使うかもしれないということが核の抑止力たる所以だ。核の先制使用は囚人のジレンマと似ている。誰かが抜け駆けするかもしれないと恐れるから、先制使用する権利を持つことが大事だと思うのだろう。だが、核には報復という手段があるので、先制使用はそれほど重要ではないはずだ。全ての国がハッピーになるには、全ての国が核先制不使用を宣言することだ。オバマ大統領だけが正解の道を歩んでいる。世界が核のジレンマから抜け出すのはいつになるのだろうか。

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トランプ劇場の閉幕

トランプ劇場が閉幕しそうだ。米兵士の遺族への誹謗中傷をきっかけに空気が一変した。拮抗していた支持率が、差を広げつつある。大統領選撤退説まで飛び交い始めた。メキシコ国境に高い壁をメキシコ政府に作らせるとか、日本に原爆を持たせるとか言いたい放題だった。徹底した保護主義は大国アメリカのやるべきことではないが、白人低所得者層から喝采を浴びた。ところがヒラリーのメール問題を攻撃するため、ロシアに行方不明のヒラリーメールを探してと言った頃からおかしくなってきた。銃規制強化のヒラリーに対抗し、暗殺を仄めかし不興をかってしまった。止めは原爆使用発言だろう。「核兵器を持っているのに何故使えないのか」と再三専門家に質問したという。3月には「イスラム国の掃討には核兵器を」と言い放っていた。米政府は核の先制使用の可能性を完全に否定はしていない。政府の政策と矛盾する訳ではないが、余りにも軽々しい。トランプが大統領になれば、本当に核戦争の引き金を引く恐れが現実味を帯びてきた。やっと米国民も我に返るのかもしれない。そして幕は下りそうだ。

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全日空手荷物不搭載の判断

全日空が国内線22便で手荷物を搭載せずに出発したとか。原因はベルトコンベアの故障。約40分後に復旧したが、約5500人の乗客に影響が出たようだ。しかも、手荷物を搭載しなかった事は事前に乗客に知らせず、到着後にアナウンスしたという。まず第一感。客を客とも思わない酷い会社だと思った。現地で手荷物を受け取れない乗客にとっては大迷惑。その後のスケジュールは狂うし、空港まで引取りに戻らなければならない。迷惑料として5000円が支給されたようだが、その金額の少なさに全日空の誠意の無さをダブルで感じたに違いない。航空手荷物が手違いで別の空港に運ばれることは良くある事だ。間違いは何処にでもあることだから、しょうが無い。金銭でチャラにするのはある程度納得出来る。でも今回は、極めて故意。しかも全日空の誠意もみられない。全日空に呆れながら、何故このような判断をしたのだろうかを考えてみた。もし手荷物を全て人海戦術で積み込んでいたら出発が大幅に遅れる。その遅れは雪ダルマ式に大きくなり欠航便が出て来る。出発便が欠航すれば到着便も欠航し、全面的に欠航状態に陥るかもしれない。全日空の1日当りの乗客を15万人として、その半数が欠航の憂き目に遭うと仮定すると、7万人以上が被害を受ける。一方今回手荷物の影響を受けた人は、搭乗客の半数と仮定すると約3千人。被害想定を7万人と3千人と考えれば、より少ない3千人を選んだ全日空は的確な判断をしたとも言えそうだ。しかし、ひょっとすると全日空は、7万人分の払戻し代と3千人分の迷惑料を天秤に掛けたのかもしれない。いずれにしても、全日空の誠意の無さが目に付いたトラブルであった。

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シャープの行く末

シャープの社長に鴻海ナンバー2の郭氏が就任した。創業から100年、初めて外国人が社長に就任した。企業の生き残りは熾烈そのもの。弱肉強食の世界。シャープの凋落は、トップが液晶の汎用製品を特化製品と見間違えた報いでもある。その間違えたトップを諌められなかったのだから従業員にも少しは罪がある。シャープは鴻海のもと、企業としては蘇えるのかもしれない。鴻海の狙いは、シャープの持つ液晶技術。特に有機液晶。海外の有力企業から見れば液晶技術が今の技術的な焦点になっているのは間違いない。努力次第では蘇えるのかもしれない。でも、自分はこう思う。開発競争は頭の問題ではなく、資金力で決することになるのが当たり前。だから、シャープが今後液晶分野でトップを走り続けるのは可能かもしれない。でも、でも、シャープは「違うでしょ」が原点だ。なぞるだけで汚れが落ちる「超音波ウォッシャー」など、シャープ独特の商品開発力は健在だ。シャープは資金力にお願いする企業ではないと思う。本来の「ちがうでしょ」こそが企業を再生する力であると思う。

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ヒラリーの変遷

米国大統領選でヒラリー・クリントンが、TPPについて大統領になっても反対すると演説した。5年前の国務長官時代はTPPを支持していた。ところがトランプのTPP攻撃に遭い「修正しなければ反対」の立場に変わった。そして今日は、明確に反対との表明に至った。サンダース票の取り込みを狙ったがための宗旨替えがバレバレだ。得票の為なら主張を変えるのが大統領選なのかもしれない。しかも、就任後は公然と公約を破棄するのも米国大統領の常だ。だが、今度ばかりは当選してもすぐにはTPP賛成には変われまい。それにしても、米国人のヒラリー嫌いは徹底している。何故なのだろう。一口で言うと、彼女は信用の置けない人間と思われているからだろう。ビル・クリントンの州知事時代の不正疑惑であるホワイトウォーター事件が発端かもしれない。ヒラリーは何かを隠している。正直に話をしていないイメージがついた。ビルのホワイトハウス浮気スキャンダルが発覚しても、ヒラリーは怒るどころか平然としていた。仮面夫婦を隠しているとのイメージを与えた。ヒラリーはリベラルではあるが、外交は共和党以上に右派だ。右派取り込みの為銃規制にも反対した。軍事力により世界秩序を安定させる方針を主張している。そのため軍需産業の献金を最も受けてるのも共和党員ではなくヒラリーだ。金の為なら戦争も辞さないように映る。本来のリベラル支持派からは裏切り行為に見えるし、信用の置けない人物に見えるはずだ。そしてメール問題とTPPの変遷。ヒラリーの欠点は、隠している、正直ではない、だけでなく、主義主張が一貫していないことに尽きると思う。でもトランプよりはマシなのか。米国大統領選はまだまだ混迷が続きそうだ。

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高校野球連盟への疑問

猛暑の甲子園で連日高校野球球児たちが熱戦を繰り広げている。ひと昔前は根性論が主流で、練習中の水飲みは厳禁、失策するとウサギ跳びが待ち構えていた。それに較べれば最近の球児たちは爽やかだ。指導者たちが根性派からスポーツ科学派に乗り換えつつある効果のようだ。ところが、高校野球連盟の体質はさほど変わっていない。大会が始まる前に、女子マネージャーがグランドから退場させられたことが話題になった。大分高校の女子マネージャーがグランドでノックのボール渡しを手伝っていると、大会関係者が退場を命じた事件が起きた。安全面を考慮して「練習補助員は男子部員に限る」という規定があるという。安全を考慮するのであれば、男女を問わず野球経験者に限るとするべきだ。性差別の臭いがする。本場米国のMLBでは、ボールを真面に投げられないような女の子が試合中にボールガールをしている時代だというのに。はたまたグランドは女子禁制の場所だとでも思っているのだろうか。それならば、開会式のプラカードを何故女子生徒に持たせているのだろうか。既定の根拠が曖昧過ぎる。更に投手の投球数はMLBでも100球以下に制限しているのに、何故高校野球は無制限に放置しているのだろうか。選手は何故半強制的に坊主頭にさせられるのだろうか。たった一人が部室で喫煙しただけで、何故チームが出場を辞退させられるのだろう。高校野球連盟への疑問は尽きない。

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機能しない国連

相変わらず国連は機能していないようだ。北朝鮮のミサイルが日本の排他的経済水域EEZに落下した。日本と米国は足並みを揃え国連に非難声明を出すよう要請した。ところが、国連安全保障理事会が非難声明を見送る見通しになってしまった。中国が米最新鋭ミサイル防衛システムTHAADの韓国配備に反対する文言を盛り込むよう求め切り返しを図ってきたからだ。これで国連は暗礁に乗り上げてしまった。いつもそうだ。アー言えばコー言うで、挙句の果ては拒否権を切る。北朝鮮のミサイルは他国の領域に落とした現実の脅威だが、韓国のTHAAD配備はミサイルの着弾を想定した架空の現実だ。現実と架空では、月とスッポンほどの違いがある。常識的に考えると、中国の主張には無理がある。でも、その主張がまかり通るのだから、正常な世界ではない。5大国に拒否権があること、200ヶ国近くが加盟していること、運営資金の多くを日本が出資していること等々を考え合わせると、今の国連を抜本的に刷新すべきだと思う。民主的な運営とは如何なるものなのか国連自身が身を持って証明すべき時期が来ていると思う。200余りの国が、真剣に議論を重ねれば自ずと道は拓けてくるはずだ。

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偉大な一歩

祝MLB通算3000本。あと2本で足踏みをしていたイチロー選手が、やっとMLBだけの3000本を達成した。MLB史上30人目とのこと。MLBのイチローには思い出がある。イチローがメジャーデビューしたのが2001年。この年は奇しくも9.11があった年だ。この年の7月、自分は出張でデトロイトにいた。出張先は米国の子会社で仲間内。こちらは工場立地の検討のため訪米したので、頭の中は検討内容で一杯。そこへ相手から意外なお誘いがあった。イチローが初めてデトロイトに来るので、会社あげての応援だと言う。是非とも一緒に見に行こうと誘ってくれた。球場は、タイガースの本拠地コメリカ・パーク。グランド間近の一塁側内野席。特等席だ。ポップコーンとビールで観戦。ブルペンには大魔神がいた。イチローがヒットを打った。まるで夢のような出来事だった。今から思うと、あのヒットはMLB通算50本目くらいだったのかもしれない。その後3000本に達するなど思ってもみなかった。当時を思うと、3000本とは夢のまた夢。イチローが16年間も戦い続けてきたことが、今更ながら偉大に感じる。単なる観戦とはいえ、偉大な戦績の始まりに接したことは、その偉大さをより一層偉大さを感じさせるものなのだという事を実感させられた経験であった。

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今年の猛暑で

連日猛暑が続いている。8月に入り熱中症患者の搬送が50%も増えたとか。猛暑はまだまだ続く。何とか乗り越えなくては。今日はさすがに昼間からエアコンを入れた。天気予報の解説者は、去年までは室温は余り下げずに28度にと言っていたのに、今年は暑いのを無理せず28度以下に設定をと言っている。毎週しているテニスも控えることにした。掛かり付けの医者は「少しでも不調に感じたら点滴しに来なさい」と言っている。ネットの記事によると、具合の悪い人が水を自分で飲めなくなったら、すぐ救急車を呼べと言う。すでに意識障害に陥っているという。暑さというよりは、湿度に参っている。ジッとしていても汗が噴き出してくる。朦朧としながら、何か今年は去年と違うと感じた。暑いだけではない。去年までは、電力のピンチが頻繁に放送された。ところが、今年は皆無。原発が動き始めた訳ではない。やはり原発は不可欠という情報は、意図的な情報操作だったのかと思う。原発は順次廃炉にすべきだと思う。

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反物質の思い出

「反物質」が消えた謎を説明する現象が、ニュートリノでも起きている可能性があると国際学会で発表された。宇宙が誕生した時は、現在の世界を形作る物質と同じだけあったはずの「反物質」が消えた謎の解明が進んでいるようだ。いきなり「反物質」と言われてもチンプンカンプン。でも、興味を引かれるところもある。一つは、茨城県東海村の陽子加速器施設から岐阜県飛騨市のスーパーカミオカンデに向け、ニュートリノを発射した実験から分かった事。もう一つは、物質と反物質は鏡に映したようにそっくりだが、電気のプラスとマイナスが逆のため、合わさると光になって消滅してしまう。光になる時に莫大なエネルギーを放出するので宇宙船のエネルギー源として考えられている事。更に面白いのは子供の頃に兄が教えてくれた話。世の中には自分と全く同じ人間がいる。しかし、出会ってしまうと一瞬のうちに二人共消滅してしまう。だから、自分と同じ人を見たら絶対に近づくな、という話。多分その頃も「反物質」が話題になっていたのだろうと思う。もしかして兄はSF小説を読んだのかもしれない。いずれにしても、この話は半世紀以上も自分の記憶に残っている。今でも自分と同じ人間を見たら瞬間的かつ本能的に避けようとするに違いない。いつもは忘れていたが「反物質」の記事で、大昔の事を思い出した次第。

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形式だけの決定機関

黒田日銀総裁のバズーカも一時的で、当初は円安株高が進んだが今では就任当時に戻ってしまった。2年後に物価安定目標2%を掲げたものの、0%付近を推移しており、全く金融政策の効果は見られない。結局アベノミクスは失敗だった。だから日銀は方向転換をするべきだと思うのだが、日銀の金融政策決定会合は真逆の方向に進んでいる。政策は9名のメンバーの賛否で採決される。過去2回の追加緩和は5対4だったが、今回のETF追加緩和は7対2と賛成が増えた。過去の延長線上の政策なのに何故だろうかと思ったら、メンバーが替わっていた。総裁反対派が退任し、賛成派に置き換わった。総裁の言う事を聞く人ばかりになったのだから、黒田の思うが儘だ。果たしてこのような金融政策決定会合は、正常に機能するのだろうか。全く形式だけの会合になる。しかも黒田総裁の責任は会合の責任にすり替わってしまう。権力者のやりたい放題となり、極めて危うい組織になってしまった。一方、原子力ムラでも同じことが起きている。問題は、旧原子力安全・保安院が衣替えした原子力規制委員会。東日本大震災後、民主党政権が原子力ムラの猛反対を押し切って原子力規制委員会に入れた島崎元日本地震学会会長をメンバーから外し、御用学者を代わりに入れた。島崎氏は、関西電力が大飯原発で想定する最大級の地震の揺れが小さく見積もられ過ぎていると指摘した。垂直の横ずれ断層で起きた熊本地震と同じメカニズムだから、熊本地震から得られた新たな知見を加えて評価すべきと主張した。だが結局意見は取り入られずに、退任させられ御用学者の出番になった。原子力規制委員会には、3.11の教訓を生かし、熊本地震の知見を取り入れる姿勢は全くないことが分かってしまった。大飯原発で地震が起きれば、3.11の二の舞を踏むことになる。既に金融政策決定会合も原子力規制委員会も形式だけの決定機関に成り下がってしまった。信頼は出来ない。

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継続性と脚光性と客観性

日経が3か月前に「新粒子の発見か。欧州合同原子核研究機関CERNがヒッグス粒子の約6倍の質量を持つ新粒子の可能性があるデータを掴んで検証中。もし存在すれば、現在の素粒子の標準理論を塗り替える大発見」との記事を載せていた。また新発見かと楽しみにしていたが、CERNは検証の結果、データのバラツキであり新粒子ではなかったと公表した。そして今日、日経は素直に「CERNが検証していた新粒子はなかった」と報道した。珍しい報道だと思う。マスコミは脚光を浴びそうな情報は大々的に扱うが、その後のネガティブな面を取り上げることは極めて稀だ。関心のある者にとっては、その後の経過が気になるものだ。だが、マスコミには概して一貫性がない。悪く言えば、つまみ食いの記事しか載せない。報道の継続性とか中立性よりも、売上目当ての脚光性にしか頭にないようだ。その典型例がSTAP細胞だ。連日連夜あれ程騒いだのに、STAP現象は存在しないと結論されると、その後のSTAP記事は皆無になった。ところが、その後欧米でSTAP現象が確認されたと報告された。だが、その事を取り上げた新聞社はゼロだった。もしマスコミが真実を求めているのであれば、飛びついて報道するはずなのだが。読者は客観性も求めていることを忘れないでほしい。

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人工知能が診断する時代

人工知能AIが、患者の白血病が治療などが難しい特殊なタイプだと僅か10分で見抜き治療に貢献したという。AIの適切な治療法の助言で患者は順調に回復しているとのこと。そのAIはIBMのワトソン。米国のクイズ番組で人間のチャンピオンを破ったことで有名だ。ワトソンは膨大な医学論文を学習し、それをベースに医学的に的確な判断を下したということだ。まさに医者の域に達しているようだ。ひと昔前にAIが出て来た頃は、単純作業の方が得意で、専門知識を総合的に扱う分野は、夢のまた夢と言われていた。ところが、AIはこの5~6年で急速に進歩し、将来は医者や弁護士などの知的で専門的な仕事はAIに置き換わると言われるようになった。そして、今その将来像である医者の仕事が出来るようになりつつある。もはや人間が絶対的に有利と言われていた将棋や囲碁も、AIが人間を負かす時代だ。この先、人間とAIの関係はどうなるのだろうか。ある人は、AIに仕事を奪われる時代が来るかもしれないと言い、またある人は、AIが人間を支配する時代が来るかもしれないと言う。AIが得意な分野はAIに置き換わるが、AIの苦手な分野では人間の価値が高まるはずだ。仕事がなくなるのではなく、働き方が変わってくるのだろう。AIの仕事は、最終的に必ず人間がチェックすることになる。だから人間がAIに支配されることなど決してない。共存共栄こそが豊かさを齎すに違いない。

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リオ五輪が始まる前の明暗

いよいよリオ五輪の開幕が迫ってきた。サッカーの対ナイジェリア戦は開会式の前に行われることになっている。ところが、未だにナイジェリアチームは現地に姿を見せない。アトランタからの航空運賃が払い込めず足止めを喰らっているとか。今の予定では試合開始の7時間前に到着するというから驚きだ。ナイジェリアの戦術という見方もあるが、それは考え過ぎだろう。サムライブルーにとってはラッキーに違いない。テニスの錦織選手はバブリンカが負傷欠場したため第4シードに繰り上がった。準決勝までは上位選手と当たらないので、これもラッキーだ。陸上では男子3千m障害に順大2年生の塩尻選手が急遽出場することになった。他国に出場辞退者が出たため、自己ベストの比較で持ちタイムの速い塩尻選手が繰り上がった。五輪参加標準記録を突破出来ず、既に秋のロードレースに気持ちを切り替えていた本人にとっては、まさに棚から牡丹餅の心境に違いない。開幕前にラッキーが続き、好成績が期待出来るムードでもある。だが、これらは全て他力本願型。一方サッカーでは、主力のFW久保選手の欠場が決まった。久保選手は4年前の高校生の時にザッケローニからA代表に抜擢されて、リオ世代の海外組1号として19歳で海を渡った。アジア最終予選も唯一、全6試合に出場してチーム最多3得点。代えの利かないエースだ。ところが、所属しているスイス1部ヤングボーイズがリオ派遣を拒否。ヤングボーイズは欧州CL予選を優先させるため、久保の派遣拒否を一方的にサイトで表明したとのこと。相手の事情も分かるが、日本サッカー協会は一体何を考えていたのかと思う。代えの利かない選手だからこそ、絶対確実に出場出来るよう手を打っておくのが常識だ。手倉森監督を含め協会は、自ら出来る努力を怠った。五輪のマネージメントは既に綻びかけているようだ。残念。

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アクティブラーニングあれこれ

アクティブラーニングがオーバーシュートしそうだ。中央教育審議会の新メンバーが、アクティブラーニングという言葉も知らないため体験しその良さを実感したことは1年前にこのブログアクティブラーニング に書いた。そしてその延長線上で昨日中央教育審議会が2020年からの次期学習指導要領にアクティブラーニングを導入する事を発表した。視点は「何を学ぶか」に加え「どのように学ぶか」と「社会に対し何が出来るか」だ。それ自体は全く正しい。だが、文科省は雛形を作って一律に導入するという。ということは文科省自身はアクティブラーニングの本質を全く理解していないということになる。そもそも「ゆとり教育」とはアクティブラーニングを取り入れることだった。だが文科省と現場は全く理解出来ず、授業時間を減らし、円周率は3で良いと教えた。目論見とは真逆の方向に行ってしまった。理解不足ゆえの大失敗だったのだ。そしてその後従来の詰め込み教育に戻り、更に教育効果を上げるべくいまアクティブラーニングが復活しようとしている。でも文科省はその雛形を作ると言うのだから、自主性という意味が理解出来ないらしい。またゆとり教育の失敗に逆戻りしそうだ。アクティブラーニングとは、自ら解決する力を付けることと言える。教師が自らのスキルで生徒たちを自主解決の道へと導くことだ。生徒に対する教師の関係は、教師に対する文科省と同じ。何故それが分からないのだろうか。また失敗するに違いない。でも一つだけ成功する道は残されている。文科相が数年をかけ、全ての教師をアクティブラーニングの専門教師に育てることだ。そこから新しい教育が始まるに違いない。出来る事なら期待したい。

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すわ、東京直下型大地震か

すわ、東京直下型大地震かという情報が流れたらしい。今日の17時過ぎ、千葉県富津を震源とする震度7の巨大地震が起るという緊急地震速報システムが作動した。気象庁が特定の事業者に向けて出している緊急地震速報システムで、関東の私鉄が運転を見合わせ、ウエザーニュースは「東京湾でマグニチュード9.0の地震が発生しました。最大震度は7です」という情報を配信したとのこと。幸い誤報だった。原因は落雷により地震計が異常値を記録したため。緊急地震速報は15秒後に取り消されたそうだが、速報を知った人々は相当肝を冷やしたに違いない。この速報は特定事業者向けなのでJRは知らずに平常運転を続けていたようだ。気象庁によると、一般向けに発表する緊急地震速報は誤報を避けるため、2点以上の観測点で揺れを観測した場合に発表することにしているので、今回は発表しなかったと説明している。この問題には色々考えさせられる。気象庁は緊急地震速報を商売にしている訳ではあるまい。何故限られた事業者だけに配信したのだろうか。緊急情報は速やかに全てに共有されるべきものだ。観測点が1点では誤報の恐れがあると知りながら何故発信するルールになっていたのだろうか。初めから正確を期し2点観測のデータしか採用しないと何故決めなかったのだろうか。東京直下型大地震が近々起こるかもしれないと言われている。誤報も予行演習になったかもしれない。緊急地震速報が出ずに突然大地震が来るよりは良い。相手が地震だけに、気象庁は自信を持って確実な速報システムを再構築してほしいものだと思う。

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