2016年2月

サッカー監督の賞味期限

女子サッカーのリオ五輪アジア最終予選が始まった。6か国総当たりのリーグ戦で、上位2か国だけが五輪切符を手に出来る狭き門だ。しかも10日間の強行日程だが、日本はホームだから大きなアドバンテージがある。初戦はオーストラリア。嘗てのなでしこの実力が発揮出来れば勝利は固いと思っていた。ところが、ゲームが始まると、一方的にオーストラリアのペース。寄せが速い。キビキビと動く。一方なでしこはモタモタしていてボールを保持出来ない。我が家のテレビ観戦は、前半で見切りをつけてチャンネルを回した。それにしても何故こんなに弱くなってしまったのだろう。オーストラリアの監督は試合終了後に「まさに歴史的勝利だ」と歓喜の声を上げたとか。対日本戦に照準を絞り、日本の布陣を徹底的に研究したようだ。一方なでしこは沢選手は抜けたものの不動のメンバー。不動と言うよりは、変わり映えがしないと言うべきだろう。メンバーが固定されているから戦術が読まれ易いし、マークもし易い。初歩的な戦術ミスだ。佐々木監督がなでしこを率いて8年になる。昨年監督に再任された時、本人は「またやるの」と漏らしたし、自分も佐々木続投を奇異に感じた。その時既に佐々木の監督しての賞味期限は過ぎていたからだ。日本サッカー協会は、チームの更なる強化よりもリスク回避の安全志向で佐々木を選んだ。それがそもそものミスだった。昨年は沢選手もいたが、監督の采配ミスで試合を壊すことが多かった。新戦術を打ち出せず、かつ若手を抜擢せずに古株選手に固定した。相手に手の内を全て曝しているようなものだ。少し研究すれば、日本のツボを抑えるのは容易。更に対オーストラリア戦では、監督のリスク回避体質が、選手にも伝染したようだ。リスクをとって攻める選手がいなかった。さて、残り4戦でリスクを取った開き直りが出来るのだろうか。

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不振の日本マラソン界

国内最大の市民マラソン「東京マラソン」が行われ、3万6000人のランナーが都心を駆け抜けた。今年で10回目を迎え、市民マラソンとして定着したようだ。大会には海外から参加するランナーが年々増えていて、今年は85の国と地域から6000人を超える人が参加したとのこと。外国語で対応できるボランティアも多く集まり、警備も厳戒態勢で臨み心配したテロも起きなかった。2020年の東京五輪の予行演習としては、まあまあの出来だったのかもしれない。ところが日本人ランナーの成績は寂しい限りだった。リオ五輪派遣設定記録は2時間6分30秒。それに対し日本人トップは一般参加のランナーで2時間10分57秒で8位。日本陸連が強化をしているはずのナショナルチームの成果は全く出ていない。男子マラソンの日本記録は、高岡選手が2002年に出した2時間6分16秒だが、記録は14年も更新されていない。世界のマラソンは高速化しているが、日本は乗り遅れている。日本陸連は、選考方法には熱心だが、選手強化には興味が無いのかもしれない。不透明な選考でマスコミを賑わすよりは、選手強化に力を注いでほしいものだと思う。いつまでも大昔に成績を残した指導者の昔ながらの指導に頼っているのも、振るわぬ一因に違いない。過去の成功例が、足を引っ張るのは会社経営と全く同じ構図と言えそうだ。

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一票の格差の解決方法

一票の格差は、国会の決議により是正することは可能だ。しかし、決議するのは選挙で選ばれた議員本人だから、大方が満足する是正案を作るのが難しいのは当たり前だ。だから衆院議長の諮問機関である衆院選挙制度調査会に答申を依頼した。そしてアダムズ方式が提案されて、格差は1.5倍程度に収まるはずであった。だが、自民が拒否したため衆院選挙制度調査会の努力も徒労に終わろうとしている。公平な第三者機関が改革案を作成しても、決めるのは議員たちだから拒否されてしまった。では、この議員たちが動かざるを得ないような仕組みが出来ないだろうかと考えてみた。選挙の一票は国民の権利だが、納税は国民の義務だ。権利と義務は表裏一体の関係にある。一票に格差があるということは、権利の一部が毀損されているという事だ。権利の一部が履行出来ないのであれば、国民の義務も一部やらなくても良いと考えてもよい。と言う事は、税金もその分ディスカウントされるべきものだ。例えば、一票の格差に応じて、所得税を格差分補正する。一票の価値が低い所には格差分減額するとか、反対に、一票の価値の高い所に格差分の倍率をかける。そうすれば、国民は必死に格差を無くそうと声をあげる。議員たちは選挙民の声を聞かざるを得ないから、動かざるを得なくなる。なかなか良いシステムだと思う。だが、この案にはただ一つ欠点がある。その法案を国会で成立させるには議員たちの挙手が必要なことだ。衆院選挙制度調査会の答申と同様に法案作成以前にボツにされてしまう。さて、より良い案はないものだろうか。

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一票の格差

国政選挙の一票の格差について、各党の主張がバラバラだ。野田元首相の「あの約束はどうなるのか」と言う質問を躱すべく、安倍首相はアダムズ方式の導入は認めないものの「0増6減を達成する」と、しどろもどろに仕方なく認めた。見ていてこれが我が国の首相なのかと悲しくなった。依然として一票の格差が大幅に縮まる気配はない。民主などの7党は調査会の答申通り2010年国勢調査に基づく「7増13減」を求めている。共産党は定員削減反対で問題外だから話にならない。公明党は、2015年国勢調査に基づくアダムズ方式で「9増15減」を主張している。各党が主張する内容は、自分の党にとって有利にさせるか、悪くさせるかという一点に尽きる。自民は、地方の小選挙区から選ばれた議員が殆んどだ。格差是正は、地方の議席が減って都会の議席が増えることになるので、容認ならないということだろう。民主などの7党の主張は良く理解出来ない。何故直近のデータを大切にしないのだろう。その点公明は分かり易い。最も新しい人口データを使って、アダムズ方式で決めるべきだと言う。勿論、この方式が公明にとって好ましい選挙結果を得る図式には違いない。だが、それは偶々の結果であると見るべきだ。一票の格差是正は、民主主義の根幹でもある。これに関しては公明が最も正しく、自民が最も間違っている。

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民主/維新の合流劇

民主党と維新の党が3月中に合流することが正式に決まったようだ。同時に党名も変更するという。衆院の勢力は、民主72人、維新21人だが、維新の半数は民主からの出戻りだ。実態は少し前に戻っただけで何の変りもない。しかも、政策議論はそっちのけで、吸収か、合流か、解党か、党名変更かだけに時間が費やされた感がある。まさに看板の掛け替え以外の何物でもない。民主の岡田代表は「野合で何で悪いんだ。日本の政治の流れを変える歴史的な日にしたい」などとコメントしているが、理念も政策も一致しない野合は悪いし、流れを変えるインパクトはないし、日本の歴史に残りようも無い。右から左までいてバラバラな民主に、更に維新が加われば、今以上に理念も政策も無い纏まりのない集団になることは目に見えている。民主の最大の欠点は、纏まりがなく腰が定まらないこと。それを是正するには、旧社会党と旧民社党の生き残りを切ることだ。それで理念も政策も立てることが出来るはず。数が力ではない。理念と政策が力ということを未だに理解出来ないようだ。真面な理念と政策があれば、厭でも国民の支持者は増えることになる。一方合流が決まり、脚光を浴びているのが、ゆるキャラの「民主くん」の行く末。民主の幹部がマジに行く末を心配していた。今回の民主/維新の合流劇は、極めて能天気で滑稽に映る。1票の格差問題は何処に行ってしまったのだろう。合流劇は議員たちの職場放棄にも見えてきた。

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風化する原発事故

九州電力は川内原発を昨年再稼働させた。但し、原子力規制委員会は今年の3月末までに免震重要棟を建設することを再稼働の前提条件にしていた。ところが九州電力は今になってその建設を取り止めると言い出した。現在原子力規制委員会と九州電力で揉めているが、再稼働した原発を止める気配はない。免震重要棟の重要性は、福島原発事故で証明されている。もしあの時免震重要棟が無かったらフクシマ50は高い放射線を受け現場に踏みとどまれずに、東日本は崩壊していたかもしれない。いざと言う時の最後の望みの綱なのだ。それを九州電力は、あっさりと不要と言って約束を反古にした。一方、原子力規制委員会は関西電力の高浜1、2号機の審査に合格を出した。高浜1、2号機はともに40年を超えている。原発事故以降の法改正で、原発の寿命は原則40年とされている。早くも原発運転の「40年ルール」は、骨抜きにされてしまった。そもそも原子力規制委員会の合否審査自体が妙だ。審査の時点で、審査基準を満たしていなくても、電力会社が今後満たすつもりと言えば、満たしたと判定してしまう。本来審査基準を満たした時点で審査し、合否を判定すべきものだ。審査に合格して再稼働した時から、満たすまでの期間に災害が発生する事態は全く考慮されていない。原子力規制委員会の審査は、まるで小学生の学芸会と同じだ。「やったつもり」が許される。田舎芝居とも言えそうだ。東京電力では、5年も経った今になって、メルトダウンの判定基準を決めたマニュアルがあったと言い出した。誰も気付かなかったと言っているが、隠蔽したのは明らかだ。事故直後にメルトダウンと発表すれば大パニックを引き起こしていたに違いない。それを今になって発表したということは、それだけ原発事故が風化してしまった証とも言える。原子力規制委員会も電力会社も、そして国民も既に原発事故の恐ろしさを忘れてしまったようだ。

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スパン次第のロック解除

アップルのクックCEOがFBIからのiPhoneロック解除要請を頑なに拒否している。何故頑なに拒否するのだろうか。事の起こりは、カリフォルニア州の銃乱射殺人テロ。福祉施設を襲って職員ら14人を銃で殺害し、22人を負傷させた痛ましい事件だった。犯人はiPhoneでイスラム国と連絡を取っていたという。FBIはその内容からイスラム国との関係を解明したい。でも犯人のiPhoneにはロックがかかっている。ところがiPhoneには、ロック解除のやり方を10回連続失敗すると全ての情報が消えてしまう仕組みになっている。下手に手を出せない。だからFBIはアップルにロック解除の要請をしたようだ。だがアップルは、一度許せば、なし崩しになると拒否しているとのこと。常識的に考えれば、非常事態であるのに拒否するアップル側に無理があるように見える。ところが、この話には前段がある。あのスノーデンだ。スノーデンがNSAの世界的な監視活動を暴露した一件が背景にある。それ以前グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、ヤフーと共にアップルもNSAの監視プログラムに協力していたことが暴露されてしまったことは記憶に新しい。その後これらの会社は暗号化を徹底し情報提供と決裂した経緯がある。この経緯を考えれば、アップルが頑なに拒否することも肯ける。問題の始まりを決めることは難しい。例えば、中国は6千年の歴史をベースに論拠を構成するのが常套手段だ。だからチベットも南沙諸島も中国のものだと主張する。中東の紛争も、戦後に英仏などが変な線引きをしなければ、今のような紛争は起こっていなかったのかもしれない。要は因果関係の起点をどこにするのかのスパンにある。スパン次第で正義にもなるし悪にもなる。アップルとFBIの対決は、最も短いスパンでの紛争とも言える。スパンの長さを解釈するのは自由だが、今は常識的にはアップルの方が正しいように思う。でも世界はどのような判断を下すのだろうか。

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手書き文字が市民権を

もう40年近くも前の事だが、出張先の新宿で占いおばさんに手相を見て貰ったことがある。第3子は女の子になると言う。それを信じて一生懸命女の子の名前を考えた。女の子らしく「愛」という名前にしようと決めた。今は生まれる前から性別が分かるが、当時は分かる術はなかった。出産間近になり、もし男の子だったらどうしようと不安になった。男の子で「愛」という名前は拙いだろうと思い「愛」がダメなら「純」だとエイヤッと決めた。結局占いは外れ、男の子が生まれ「純」と名付けた。市役所で出生届に「純」と書いて提出したが、クレームがついた。「純」の糸偏の「小」の部分を「川」と書いたのだが、正しい漢字ではないと言う。結局書き直し「小」に直して提出した。我が家ではカミサンが書道の先生なので、子供たちは小学生の時に習字を習っていた。自分もふざけ半分に「薬」という字を書いてみた。これが意外と上手い。これトウサンが書いたんだよと長男に見せると意外な言葉が返ってきた。「薬」の「木」の下が「はねている」から間違いで、正しくは「とめる」だと指摘された。手書き文字は難しい。文化審議会漢字小委員会が、手書き文字の細かな違いはOKにする答申案を纏めているという。指針案では、漢字の点画の長短や方向のほか「つけるか、はなすか」「はらうか、とめるか」などを幅広く認めることになる。遅きに失したが文科省も時代の変化に追いつき始めた。手書き漢字も、やっと市民権を得たようだ。

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今日は1835日目

毎年2月11日の「建国記念の日」が近づいて来ると、もうすぐだなと少しソワソワする。このブログを書き始めた記念日が2011年2月13日だからだ。あれから丸5年が過ぎ6年目に突入した。文章表現の練習なのだから、内容は何でも良いから毎日書こうと心に決めて続けてきた。今日は1835日目に当たる。毎年2月13日頃にブログへの感想や反省を書いてきた。ところが、どういう訳か今年の記念日に気付いたのは、10日も過ぎた今日だった。5年間も毎日書き続けていると、書き続けた過去の事よりも、今後これから書く対象や内容の方に興味が湧くようになる。ブログを始めた当初は、いつまで続くか不安があった。この種のものは通常三日坊主になることが多い。3日も書くと書く対象が見つからずギブアップしてしまうのが世の常だ。振り返ってみて、一番辛かったのは2週間目頃だった。二番目が3か月後で、三番目が1年後。3年後は「よくぞ続けたものだ」と自分を褒めてあげたいと思った。それ以降は書くことが生活の一部になり、対象を考えることや文章作りが楽しくなってきた。石の上にも三年というが、3年が過ぎてトンネルを抜け出たような気がした。さて6年目には何が待ち受けているのだろうか。

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公園でのボール遊び

全国的に公園でのボール遊びを解禁する方向で検討が進んでいるようだ。自分が子供だった60年前は、放課後や休日の学校は遊び場だった。近所の友達とカクレンボや悪漢探偵や野球をして夕暮れ近くまで遊んだものだ。そして自分の子供が小学生になった30年前も同じ。子供を連れて校庭に行き、カケッコやキャッチボールを楽しんだ。小学校高学年になった長男はサッカーも上手かったが、野球も上手かった。夕方になると家の隣にある中学校の校庭で、長男の野球練習に付き合わされた。当時長男はダイビングキャッチをものにしようと取り組んでいたので、シートノックを頼まれた。ところが、自分は生憎の運動オンチ。長男が望む所にボールが飛ばない。シートノックを何回か失敗するうちに長男が怒り出した。「お父さんはワザとやっている」と怒って泣き出した長男の言葉が懐かしい。当時は公園や校庭を使って、間違いなく親子の会話が行われていた。だが、今はどうだ。黙って校庭に入ろうものなら、犯罪者紛いの扱いをされてしまう。公園でもボール遊びはご法度。砂場は柵が張り巡らされてネットが張ってある。子供が遊ぶには必ず親の手助けが必要だ。かくして校庭や公園は禁止禁止の立札で張り巡らされてしまった。今の子供にとって、校庭や公園は単なる空地だ。決して遊び場ではない。だが、その単なる空地を遊び場に変えようとする動きがある。過保護な大人がやっと大人に成長し、己の過ちに気付き出したという証なのかもしれない。校庭や公園を子供の遊びに開放することは大賛成だ。大人は責任逃れとは決裂して、子供の成長を見守る責務があると思う。

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アリとヒトの生き方

「働かないアリは組織の存続に不可欠だ」と、北海道大学大学院長谷川准教授が科学雑誌に発表した。働きアリの巣では、ほとんど働かないアリが常に2~3割いる。その働かないアリは他のアリが疲れて働けないとき、代わりに働いて労働の停滞を防ぐことを発見したという。アリの巣を維持するには、卵の世話など短時間でも中断出来ない仕事があるらしい。全てのアリが働いて疲れてしまうと、世話するアリがいなくなり、巣を維持出来なくなってしまう。だから巣を守るため、予備軍として休んでいたアリが働き始めると言う。面白い仕組みだと思う。サルなどは社会性生物といい、ボス以外でも子供を作り育てている。一方、アリなどは真社会性生物といって、女王のみが繁殖しその他のアリは子育てに徹する。繁殖について分業が確立されていて、言葉の意味は分からないが「真社会性」という文字がぴったりするような気がする。更にアリは、巣場所を選ぶとき、いくつかの候補の中から一番いいものを短時間で選ぶそうだ。1匹だと大したことは出来ないが、集団で行動して最適値を見出す能力があるとのこと。長谷川准教授は、アリのその能力に着目して、人工知能に応用出来ないかを考えているようだ。そう言えば、人間の集団でも、2割が働き2割がサボっているのが通常の集団だと聞いた事がある。だが働き者の2割を集めて集団にすると、また2割が働き2割がサボるようになるという。では、サボリの2割を集団にするとどうなるのだろうか。2割の働き者が出て来ると期待する前に、結果が恐ろしくて考えたくもない。どうやら人間よりもアリの方が自然に対しアリノママニ生きているようだ。

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不可解な五輪選考方法

1月末の大阪国際女子マラソンで、リオ五輪選考基準の2時間22分30秒をクリヤーしかつ日本人トップで優勝した福士選手が3月の名古屋ウイメンズにも出場するという。どうしてそんな無理をするのだろうかと不思議に思った。選考基準をクリヤーしたので監督も福士選手も当然内定が出るものと喜んでいた。ところが内定は出なかった。日本陸連の国内大会の選考基準は国内3レースの3位以内を対象として、2時間22分30秒をクリヤーした選手の最大1名を優先的に選出する、ということになっているようだ。陸連側から見れば、まだ3月に名古屋があるので福士選手に内定を出す訳にはいかない。選手から見れば、選考基準をクリヤーしたのだから内定が貰えると思っていた。結局選手側が選考基準を良く理解していなかった為、糠喜びに終わったということなのだが、選考方法自体がどうもおかしいように思う。選考対象レースは11月のさいたま国際、1月の大阪国際、3月の名古屋ウイメンズの3つ。マラソンは体力を消耗するから通常は続けて出場することはしない。チャンスを数で稼ぐのであれば、11月と3月に出場すべきだ。一発勝負に賭けるのであれば目標タイムが分かっている最後の3月に出場すべきだ。1月は福士選手のように3月の結果次第になるから出場すべきではない。元々3レースから選考すること自体が間違っている。福士選手は身体が壊れようとも3月に出場するという。だがそのレースで基準タイムをクリヤーする選手が数人出た場合、福士選手はその中の1番にならなければ出場権を獲得出来ない。連戦でクリヤーしかつ1番になるのは不可能に近い。もし誰も基準タイムをクリヤー出来なければ、福士選手が出場権を獲得出来るが、身体には大きなダメージが残る。従って五輪本番での上位入賞は期待が持てないことになる。福士選手にとって、3月の名古屋ウイメンズに出場する意味は全くない。陸連の選考方法が、優秀な選手を潰す手助けをしているように思えてならない。1レースだけの一発で決めることこそ、フェアーでクリヤーで選手を大切にする選考方法だと思う。

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国会空転の要因

国会が空転している。丸川環境相の放射能被曝線量の根拠問題、高市総務相の放送法違反局への電波停止強制、島尻北方相の「はぼ・・何だっけ」発言とかが、貴重で真に必要な国会の議論時間を減らしている。でも真ではないが、一応国会内の問題だから百歩譲って致し方ないとは思う。だが、不倫の総合商社である宮崎議員や甘利前経済再生相の秘書などに国会の時間を割くのは間違っていると思う。宮崎議員に対し「羨ましい」という議員もいるようだが、この種の問題は「議員不適合」として、議論なしに粛々と退場させてケリをつけるべきものだ。甘利の秘書も同じ。少なくともマスコミの情報では、犯罪責任は秘書にあり、甘利には監督責任があるだけのようだ。問題の建設会社の総務担当なる人物は、以前からの札付きで、政治家の口利きを利用して金を引き出すが、上手くいかないと逆に音声録音で政治家を脅すという。脇の甘い甘利が嵌っただけだ。事件が発覚してから、警察は何故甘利の秘書は相談してくれなかったのだろうと嘆いていた。もし一報があれば即座に近づかぬよう情報を流していたと言っていた。この秘書の評判は極めて悪い。調子が良いだけで罪悪感に疎いという。こんな秘書を地元の事務所長に据えていた甘利にも責任があると言えば有る。だからこの問題は単に甘利には人を見る目が無いという欠点の問題だと思う。決して国会で時間を費やする事柄ではない。甘利の秘書の罪状を追求する場所は、国会ではなく警察。国会は警察ではない。秘書を追求する民主は国会の時間を無駄使いしていると言える。甘利は睡眠障害で1か月程度の自宅療養が必要と診断され、国会を休んでいる。国民の2千万人が睡眠障害に悩まさている現状を考えれば、甘利だけに余りにも甘ったるい。こんな最中民主は「首相を睡眠障害に」と気勢を挙げたとか。ここに極まれり。最早民主に明日は無い。自分は間違いないことを確信した。

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米連邦最高裁判事と日銀政策委員

朝はNHK-BS1のワールドニュースを見ることが多い。今朝の米国ニュースは、亡くなったアントニン・スカリア米連邦最高裁判事のことを異常なほど長時間にわたり取り上げていた。信念を持って保守派をリードしていた人格者だったと悔やまれていたが、脚光を浴びたのは、人格だけではなかったようだ。最高裁判事は9人いる。そのうち5人は共和党の大統領が指名した保守派で、残りの4人は民主党の大統領が指名したリベラル派だ。保守派のスカリア氏が亡くなり、保守派とリベラル派が同数になり、後任をどちらにするかで態勢が変わる。米国では大統領判断を最高裁が覆すことが多いので極めて重要な選択になる。オバマ大統領がリベラル派を指名すれば、民主党の銃規制や地球温暖化対策に合憲判決が出る可能性が高まる。だが議会がねじれているから、オバマがリベラル派を指名しても共和党により議会で否決されるのは目に見えている。従って、後任選びは次期大統領に任せようという意見もある。5対4という数字は、民主主義的なイメージもあるが、極めて不安定な要素を抱えているとも見える。たった1人の意見で、保守とリベラルの間を大きく揺れ動く恐れがある。日本の日本銀行の金融政策も同じだ。金融政策は、9人の政策委員会委員の賛否により金融政策決定会合で決定される。日本で初めてのマイナス金利は5対4で可決された。賛成の5人は自民党政権時に選ばれ、反対の4人は民主党政権時に選ばれた。議論よりも頭数で政策が決まってしまうのが現実のようだ。奇しくも、今日からマイナス金利が導入された。マイナス金利政策の発表以来、黒田総裁の思惑とは裏腹に、猛烈な円高・株安が進んでいる。果たして金融政策決定会合では本当に真面目な議論をしたのだろうか。

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臭いの功用

子供の頃の祭りの夜店の照明源はアセチレンガスだった。あの臭いを嗅ぐと今でも昔の祭りのイメージが蘇えって来る。自分は長年化学を生業にしていたので、臭いだけで化学物質名を識別出来ることもある。新聞記事によると化学物質の臭いで体の病変を察知する研究が進んでいるようだ。息から体の異変を嗅ぎ取ることが可能だという。呼気には体内で起きる様々な反応によって生じる物質が含まれている。その物質を分析すればどのような病気かを推定出来るとのこと。例えば、糖尿病は脂肪酸を代謝してエネルギーを得るので、その際生成されるアセトンが血中を通して肺に運ばれ吐く息に混ざるという。食道がんはアセトアルデヒド、気管支ぜんそくは一酸化窒素、歯槽膿漏は硫化水素、肝硬変はアンモニアという具合らしい。呼気を採取し質量分析器にかければ物質を特定出来る。しかし、今は精度が低いので高める必要はあるようだ。自分の記憶が確かであれば、犬は癌の臭いを識別出来たはずだ。臭いの威力は素晴らしい。「病は気から」という言葉があるが「病は気体から」となる日もそう遠くはないかもしれない。

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青ガエルの思い出

熊本電鉄の「青ガエル」が今日ラストランを迎えるとのこと。うわーっと驚いた。自分は熊本には行ったことはないが「青ガエル」には乗ったことがある。「青ガエル」は、今から50年以上前の子供の頃に東横線を走っていた。親戚が一時学芸大学駅近くに住んでいたので、時々「青ガエル」に乗った。下膨れでオカメさんみたいな顔をして、緑一色なのでカエルを連想させたので当時から「青ガエル」と呼ばれていた。丸味があってツルッとしたところがハイカラな感じを与えた。今の東横線は一番人気の路線だが、その人気にこの「青ガエル」も一役買っていたのかもしれない。1980年に東横線でのラストランがあり「青ガエル」は廃車になったものと思っていた。ところがどっこい生きていたのだ。しかも、遠い熊本の地で35年もの間を。自分が、うわーっと驚いた理由は二つある。死んだと思っていたものが時空を超えて生きていたことと、子供の頃の思い出が一挙に蘇えったことだ。「青ガエル」が引退する今日は、北熊本~上熊本駅間を26往復運行し、午後8時59分北熊本駅に到着して仕事を終えるという。引退が決まってから、連日別れを惜しむファンが日曜日に県内外から詰めかけているようだ。自分も遥か彼方から「青ガエル」に「お疲れさまでした」とエールを送りたい。

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一神教と多神教

ローマ法王とロシア正教会総主教が歴史的な会談を行い、1000年ぶりにカトリック教会と東方正教会が和解したとのこと。永いこと教義の解釈で対立していたが、それを容認したためではないようだ。ローマ法王の後ろにはEUが控え、ロシア正教会総主教にはロシアがいる。極めて政治的背景を背負ってはいるが、和解することに越したことはない。ローマ法王フランシスコは精力的にカトリック以外の宗教トップと会談を行って相互理解を深めようとしている。ユダヤ教会を訪れたり、イスラム教のイランの大統領とも面会している。世界政治が硬直化している現在に、極めて意味のある行動だと思う。宗教が再び表舞台に出て来る時代を迎えようとしているのかもしれない。キリスト教にしてもイスラム教にしてもユダヤ教にしても、みな一神教だ。一神教は自分達の宗教だけが正しく、他は邪教と見做す。だから常に摩擦が起き易い。その点、日本は多神教であらゆる所に神様がおいでになる。何と「便所の神様」だっているし歌にもなっている。多神教だから、キリスト教もイスラム教も受け入れる。度量が広く平和的だ。むかし若い頃、日本人が外国に行った時に「あなたの宗教は何」と訊かれて「無宗教」と答えると、野蛮人とか人間以下と蔑まされたと聞いた事がある。だが今や日本の多神教こそが平和の宗教であり、一神教がやっと平和に目覚めつつあるようだ。人間も同じ。いつも自分だけが正しいという訳ではない。

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重力波の衝撃

今朝の新聞各社の1面トップは「重力波」が飾った。重力波は100年前にアインシュタインが理論的に予言した宇宙空間にできた「ゆがみ」が波となって光速で伝わる現象だ。重力波は微弱過ぎてこれまで観測に成功した例はなかった。ところが、米国の研究者らが、2つのブラックホールがぶつかる時に発生した約13億年前の重力波を世界で初めて観測したとのこと。重力波の直接観測はノーベル物理学賞に値する成果と言われているようだ。重力波など知らなかったので記事の受け売りだが、重力波による空間の伸び縮みの大きさは、地球と太陽との距離(約1億5千万km)が水素原子1個分(10億分の1m)変化する程度というから、想像を絶するほどの極めて僅かな変化に過ぎない。その僅かな変化の観測が、宇宙誕生の秘密を解き明かすかもしれないという。レーザー干渉計重力波検出器により、重力波そのものやブラックホールや中性子星という高密度星の研究が可能であることが実証されたことになるとのこと。今まで光や電波にだけ頼っていた天文学で、見えないものが見えてくるようになる。日本の重力波望遠鏡KAGRAも出番を待っている。今後天文学に革命が起こり、宇宙研究が飛躍的に進みそうだ。良く理解は出来ないが、凄い事が始まっているような気がする。

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弓馬術と茶道の作法

「一流の人はなぜ姿勢が美しいのか」という本があるらしい。「らしい」と言うのはその本を読んだことがないからだ。PRESIDENT という雑誌には、その著者である小笠原流三十一世宗家小笠原清忠という人の薀蓄が書いてある。人の歩幅は畳の幅90cmには合わない。畳のヘリを踏まないように歩くことは不自然だから気にせずに踏めと言う。それが姿勢を美しくするコツだと指摘している。しかし、敷居や閾を踏んではいけない。何故なら敷居と柱は家を支えている重要な構造の一部だからだ。敷居は踏む度に歪むことになるが、畳のヘリは傷んだら張り替えが利くからと言う。だが、茶道の世界では違う。決して畳のヘリを踏んではいけない。ヘリは結界を表している。ヘリのこちらと向こうでは世界が違うのだ。ここ数年間茶道を習って、畳のヘリを踏まないことは、無意識レベルで身に付いた。茶道を習って、姿勢が悪くなったなどとは聞いた事も無い。寧ろ茶道は姿勢を美しくさせることを実感している。勿論茶道でも、敷居を踏むことなどあり得ない。小笠原流は室町時代からある由緒正しい弓術、馬術、礼法の流派とのこと。何故畳のヘリに拘るのか良く分からない。どうやら小笠原流というのは、科学的合理性に徹し、精神性を排除した流派のようにもみえる。そう考えると「三十一世」という文字が眉唾ものに見えてくるのは自分だけなのだろうか。

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我が家のダイヤモンド富士

我が家の窓からは遠く富士山が見える。以前はもっと下まで見えたのだが、今ではビルが建ち並び富士山の頂上だけが辛うじて見えるだけだ。でも、間違いなく富士山である。冬になると空気が澄み、見える日が多くなる。夏は黒いが、冬は白い。だが冬でも夕方の富士山は黒いシルエットに変わる。太陽の沈む場所が日に日に左から右へと移っている。科学的に言うと太陽の日没の方角が南から北へと変わりつつある。昨日が、我が家から見えるベストのダイヤモンド富士なのかもしれないと思った。午後5時過ぎから夕日を観察し始めた。15分以上太陽を見詰めていたのかもしれない。眼がおかしくなってきた。カミサンから怒られた。それでも我慢をしていると、いよいよ太陽が富士山頂に近づいて来た。しかし、もうすぐ富士山頂というところで雲が太陽を隠してしまった。しかも、山頂の左肩辺りで、まだ少しずれているようだ。そこで明日こそ、我が家のダイヤモンド富士に違いないと確信した。そして今日こそはダイヤモンド富士を見ることが出来る日だ。天気は良い。快晴だ。昨日のような雲もない。千載一遇のチャンスと思った。いよいよ我が家のダイヤモンド富士の到来だと確信した。だがその時、我が家の前の駐車場で見慣れぬ車が右往左往し始めた。その状況を2階から観察した。しかし、不穏な空気は無いと分かった時には、既に日没を終えていた。富士山は黒いシルエットだが、空は茜色で太陽は見えない。時既に遅し。カメラまでも用意したのに、今年の我が家のダイヤモンド富士は、とうとう見ずじまいに終わってしまった。来年こそは、雑念を払う年にしなければと反省した次第。

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読めない漢字

漢字の読みは難しい。かつて麻生元首相が、未曾有を(みぞうゆう)、踏襲を(ふしゅう)と読んで赤恥をかいたことが有名だ。だが、学卒レベルでも読めない漢字は多い。首相が読めないからと言って責めるのは間違っていると思う。しかし、沖縄・北方相が歯舞を読めなかったのは大問題だ。島尻沖縄・北方相は記者会見の場で「はぼ・・・何だっけ」と詰まり、後ろから秘書官が「はぼまい」と小声で教えたとか。島尻は就任からすでに4ヶ月もたち、昨年末には根室市から歯舞群島を視察している。歯舞は島尻の仕事そのものだ。何故読めなかったのだろう。島尻という苗字は沖縄に多い。島尻の頭の中は沖縄の事で一杯なのかと思いきやさにあらず。島尻は東北出身で結婚して島尻姓に変わっただけ。沖縄選挙区の自民党参院議員ではあるが、辺野古移設に関して賛否が二転三転し、意見が定まらない。とても沖縄の役に立っているようには見えない。今夏の参院選では苦戦が予想されている。そこで白羽の矢が立ったのが、女性ダンスボーカルグループSPEEDのメンバーだ。比例代表で自民の票を増やそうとする魂胆のようだ。仕事の出来ない現職議員に素人の新人が加わることになるかもしれない。政治の質は低下する。さて、沖縄県民はどのような選択をするのだろうか。

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一皮剥けた松山選手

米国男子ツアー・フェニックスオープンで松山英樹選手が優勝し米ツアー通算2勝目をあげた。昨日3日目は2打差の2位だった。今朝、さて松山選手はどうなったかなと思いながらテレビを点けた。トップの選手はリッキー・ファウラーに替わっていたが、松山選手は16番ホールで2打差の2位。どうなることかとテレビに噛り付いた。17番以降が圧巻だった。17番でファウラーが池ポチャでボギーにしたが、松山選手はバーディーで追いついた。18番は難しい下り5mのパットが残った。最早これまでかと思った。だが、これをねじ込んでプレーオフになった。プレーオフになっても両者は実力を発揮し、もしミスをすれば負けという状態が続いた。結局4ホール目にファウラーが根負けして池に落とし決着がついた。松山選手の集中力はピカイチだった。一皮剥けたと言うべきだろう。相手は世界ランク4位のファウラーだったが全く気後れなどしなかった。この大会のギャラリーが凄い。何と期間中に61万人が詰めかけたとのこと。しかもギャラリーはファウラー贔屓だから、松山選手にとっては完全なアウェーだ。以前世界ランク1位のジョーダン・スピースが「ヒデキは勝負師の本能を持っている」と言ったことがある。まさに今日は勝負師そのものだった。松山選手が世界のビッグ5に入るのも間近かもしれない。今日のテレビを見て確信した。

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鳥人、蝶人、不死鳥

並外れて才能が優れていて結果を出していても、見慣れてしまうとそれが当たり前のように錯覚してしまうことがある。女子スキージャンプの高梨沙羅選手がそうだ。W杯スキー大会で、今季11勝目を飾り、自己最多連勝記録を10に伸ばし更に更新中。何とW杯通算41勝目。以前はライバルにサラ・ヘンドリクソンがいたが今は故障中で、高梨選手の独壇場を脅かす選手はいない。出場すれば必ず優勝するので、優勝しても驚かなくなった。もの凄い戦績なのに新聞の記事も小さく下の方に載っている。スキージャンプと言えば、鳥人と呼ばれたニッカネンが有名だ。そのニッカネンの46勝にあと5つに迫ってきた。もう時間の問題だけになってきたようだ。男子の歴代1位は、53勝のシュリーレンツァウアー。高梨選手が抜き去るのも夢ではなくなってきた。その偉業を達成した時には、高梨選手を何と呼ぶべきだろうか。「鳥人」はニッカネンに使われている。女性だから「蝶人」と呼ぶべきか。それとも日本人だから、富士山に引っ掛けて「不死鳥」とでも呼ぶべきか。余りにも凄すぎる戦績なので、今から呼び名がどうなるか楽しみになってきた。

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女性が価値を決める研究

先日、うちのカミサンがよその奥さんから「お宅のご主人は髪を染めているの」と訊かれたらしい。自分は今年で70歳を迎えることになるが、髪は黒いし、禿てもいない。勿論髪など染めたこともないし、もし総シラガになっても染める気など毛頭ない。禿になってもカツラを付けるなど信条に反するので考えたこともない。自分の髪が黒くて多いのは、単に海藻類を食べることが多い所為だと思っている。だから禿の気持ちは分からない。きっと本人にとっては切実な問題なのだろうと少しは察することは出来るが。その禿について学術的な進歩があったようだ。東京医科歯科大の研究チームが、加齢によって薄毛になる仕組みを解明したと発表した。ヒトの毛髪は3~5年で寿命を迎えて抜け、同じ場所から新しい毛髪の成長が始まる。その際皮膚の毛穴にある毛包幹細胞が毛の基になる細胞の再生産に使われる。ところが、その毛包幹細胞を保護する17型コラーゲンというたんぱく質が加齢と伴に減少する。そのため毛包幹細胞が毛穴の奥から皮膚の表面へと移動して、フケとして落ちてしまうというメカニズムとのこと。要は、17型コラーゲンの枯渇を抑える物質を見つければ禿にならずに済むという所まで辿り着いたようだ。ひょっとするとリーブ21は経験的にその物質を見つけていたのかもしれないし、あるいはまやかしであるのかもしれない。禿は男性から見ると精力的で、少しカッコいいと思うのだが、女性は毛嫌いするという。本当なのだろうか。もし嘘であれば、このような研究の価値は低くなる。この研究の価値を決めるのは、女性にあるようだ。

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インドネシアの誤算

日中が受注合戦を繰り広げていたインドネシアの高速鉄道建設で、日本有利と見られていたが土壇場で中国にひっくり返されたことは記憶に新しい。インドネシアは我が国最大のODA援助国で、間違いなく日本の新幹線技術が導入されるものと思われていた。ところが昨年9月に、いざフタを開けると中国に決まった。中国はタダ同然で作ると言うのだから、インドネシアも喜んだに違いない。その後、起工式が行われたものの工事は一向に進まず予定が大幅に遅れる可能性が出て来たようだ。着工されないばかりか、工事許可も下りていないのが現状とのこと。以前から日本は本気で受注を期待して現地調査を行い、詳細な計画を立てていたという。ところが、その内容が中国に漏れ、中国は日本案と同じ内容で、かつタダ同然の価格提案をして勝ち取ったようだ。だが、鉄道建設には、トンネルや地盤強化のハイテク技術が必要だ。当然日本はハイテク技術を持っているが、中国には無い。だから中国が日本の仕様をコピーしても実施することは不可能。結果として工事が着工されない状況にあるようだ。このような状況下で一番困っているのはインドネシアだろう。「安物買いの銭失い」という諺がある。でもインドネシアは銭を失った訳ではない。だが、安物買いのため経済発展のチャンスを逃してしまったようだ。災いを転じて福となすためには、インドネシアのジョコ大統領は「安かろう悪かろう」の深い意味を勉強すべきだろうと思う。

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シャープの滅亡

産業革新機構による出資で決まりかけていたシャープの再建計画が土壇場でひっくり返った。ホンハイの郭会長が直接シャープに乗り込み支援額を7千億円超に積み増したのが決定打になった。産業革新機構の支援額は3千億円だから、当然と言えば当然だが、それにしても優柔不断のシャープ役員が、よくコロッと寝返りが出来たものだと感心した。裏話によると、社外取締役が、7千億円と3千億円を比較して3千億円を選ぶと自分たちが善管注意義務違反に問われかねないという危機感から、産業革新機構路線に強烈な待ったをかけたためという。案の定、シャープ生え抜きは決断には関与していなかったようだ。そもそも、産業革新機構によるシャープ再生案は、液晶事業はジャパンディスプレイと統合し、白物家電などは、会計不祥事で赤字に苦しむ東芝と再編し、一気にエレクトロニクス産業の競争力の回復も図ろうというもの。だが国が腐れかかった大会社を更生させるため、踏み込む事は間違っていると思う。腐るには腐る理由があるはずだ。もし自力で更生出来ないのならば、腐るものは腐らせた方が良い。ましてや、この種のものに税金をつぎ込むなど以っての外だと思う。一方、ホンハイは技術の海外流出はさせない、雇用は守ると言っている。シャープはそれを信じたようだが、信じられるだろうか。たとえ、そのような契約が結ばれたとしても、1~2年後には反古になる。経営陣を総入替して契約を破棄すれば事足りる。結局ホンハイによってシャープというブランドと技術は生き残るが、それ以外は消滅することになるはずだ。シャープの滅亡は、社外重役を含め歴代の経営者に責任があると思う。

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イギリスのEU離脱/残留問題

イギリスの欧州連合EU離脱が現実味を帯びてきたようだ。このまま進むと6月にEU離脱の是非を問う国民投票が行われることになりそうだ。イギリス国内の反EU感情は強く、最近の調査ではEUからの離脱支持が42%と、残留支持の38%を上回っているという。国民にとって、流入する多くの移民、EU加盟国との貿易関係、イギリスの主権等の対応について、融通の利かないEUへの不満は大きい。官僚や実業家、政治家などの権力層は残留を望み、一般の国民は反EUに傾いている。キャメロン首相は、残留派だが国民を残留側に引き戻すために、トゥスクEU大統領から譲歩案を引き出そうとしている。だがもし、国民投票で離脱が決まれば、残留支持のスコットランドの独立運動が再燃する。二進も三進も行かなくなりそうだ。他国の事情は良く分からないが、自分はこう思う。現在のEUは欧州連合とは言うものの、実態はドイツ大帝国だ。このままイギリスがEUに残れば、やがてはドイツの属国になってしまうかもしれない。イギリスがEUに加盟している理由は、単に地理的に近いからに過ぎない。寧ろ米国の方が、文化も経済も軍事も近い仲間だ。将来的には、イギリスは米国圏内で生きる方が、色々な面で好転するような気がしてならない。果たしてイギリス国民はどのような判断を下すのだろうか。興味津々だ。

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ダメな奴の典型例

学生でも社会人でも「自分は何をしたいのか、どうなりたいのか」を意思表示出来ない者がいる。ダメな奴の典型例だ。団体でも同じことが言える。今の民主党だ。ほんの3年前には政権の座についていた野党第1党だが、支持率は当時の45%から9%に急落している。今や党内にマジに政権を取ろうという人は殆んど見当たらない。共産党との連携や維新の党との新党案や解党までも取り沙汰されているが、岡田代表は「任せてくれ」と言うだけで一向に話は進まない。先日の民主党定期大会では、何と自民への移籍が囁かれている鈴木宗男の娘が、議長を務めた。参院選向けに新たなポスターを作ったが「民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい」との自虐的なキャッチコピー。最早救いようが無いザル党に成り下がってしまった。民主の問題点は明白だ。民主党政権の失敗の要因が徹底解明されていないこと。党の姿勢やビジョンが不明確で、憲法観や経済政策の路線が不明瞭なこと。意思表示の出来ないダメな党は何人集まっても、屁の突っ張りにもならない。最早解党の道しか残されていないようだ。

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アシスト付きチャリンコ

我が家の前の道は車がやっと通れるほどの細道で緩い坂になっている。坂の下には幼稚園がある。平日は毎日その道を園児が通る。母親と手を繋いで楽しげに会話しながら通り過ぎる園児や、入園前の弟とふざけながら行く子や、母親のママチャリに乗って急いで通り過ぎる子など様々だ。緩い坂といっても、登りは自転車をこぎ続けるには結構しんどい坂だ。自分も10年くらい前は自転車に乗っていたが、必ず途中でこぐことを止め自転車を押したものだ。ところが最近の若いお母さんは元気が良い。坂の勾配をもろともせず登って来る。良く見ればモーターアシストのチャリンコ。そう言えば、最近はアシスト付き自転車が多くなった。老人も若い奥さんも皆アシスト付きだ。便利なものが出来たものだと思う。ところが、ベルギーの自転車選手権では、出場した選手の自転車から隠しモーターが見つかったとのこと。世界トップレベルの大会で技術的な不正が確認されたのは初めてという。強力な磁力を持つ希土類磁石が発明されてから、モーターの小型は進展した。電池も強力で長持ちするようになった。工夫次第では発見しにくいアシストバイスィクルの製作が可能な時代になったようだ。その内人間の身体の中に埋め込むモーターも出現するかもしれない。恐ろしい時代になりそうだ。桑原クワバラ。

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