2013年2月

坊主の財テク失敗

空海が開いた高野山真言宗の実務方トップの総長が、財テクに失敗して7億円近くの損失を出し不信任を突き付けられたとのこと。坊主が税金も払わず、さい銭やお布施を金融商品で運用するのは如何なものかと思う。世の中変わったものだ。空海とはあの有名な弘法大師だ。弘法大師は万能のスーパーマン。真言宗の開祖であるし、橘逸勢、嵯峨天皇と並んで書道の三筆と言われている。またダウジングも得意で全国津々浦々で多くの温泉や湧き水を掘り当てたとされている。弘法大師の教えを引き継いでいるはずの総長が財テクに失敗したということは、余程出来が悪かったか、勉強嫌いだったのだろう。「弘法も筆の誤り」では済まされない。「南無大師遍照金剛」を覚えられずに「生麦大豆二升五合」と俗っぽく呪文を唱えても坊主にはご利益は及ばない。ひょっとすると総長は弘法大師が焚いたと偽った「護摩の灰」に騙されたのかもしれない。弘法大師の逸話はどこまでも続く。

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前途多難な朴大統領

韓国で朴大統領が就任したが、前途は多難のようだ。国政ビジョンは「国民の幸せ、希望の新時代」で、李明博は「経済成長」だったが、朴槿恵は「経済民主化」を旗印にした。だが、まず内閣のメンバーがまだ決まらない。朴が指名する大臣候補の、過去の賄賂や兵役逃れが発覚し組閣は二転三転している。因みに調査するほど次々と過去の不正が暴かれる人物を「たまねぎ」と言うらしい。就任前後で公約も変わった。国政ロードマップから「経済民主化」の文字が消えた。一部の大企業に富が集中し格差が激しい状況を是正するのが目玉であったはずなのだが。老人基礎年金を支払う方針も撤回した。4大重症疾患にも保険を適用するとの公約も事実上撤回。何処の国も同じようだ。まるで日本の民主の公約破りとそっくりだ。それでも民主の方がマシだったかもしれない。何故なら民主は直ぐに組閣は出来た。ただ能力が伴う人物が殆んどいなかったという欠点はあったが。選挙前にバラマキを公約すると後で痛い目を見ることになる。朴大統領には日本の民主党を他山の石として任期を全うしてほしいものだ。韓国では青瓦台から去る時に、国民から笑顔で見送られた大統領は未だにいないのが事実ではあるが。

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おバカなドコモ

情けないというか、恥ずかしいというか、腹立たしいというか、何とも言いようのないCMを見た。NTTドコモのCMだ。いい大人がドコモ茸の帽子をかぶって、センスのない会話を交わす。恐らくソフトバンクのCMの向こうを張ったつもりなのだろう。当初はソフトバンクのCMにも辟易したが、永く続いているので幾らかは慣れてきた。やっと免疫が出来たと思ったら、ソフトバンクよりもっと酷いドコモ茸が登場した。このCMを見ていると、テレビとは節操がなく何でも有りで、最早日本も終わりだなと思う。NTTはこのCMで宣伝効果が上がるとでも思っているのだろうか。このCMを見てドコモのスマホを買いたいと感じる人がいるのだろうか。ドコモ茸もマスコット人形の範疇であれば、単なる親爺ギャグで済まされる。しかし人間キノコになってしまってはギャグを通り越し悪乗りの世界だ。このCMは減収効果しかないだろう。携帯の契約件数が激減し放映が中止されることを願いたい。過ぎたるは猶及ばざるが如し。

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男の勝負時

日銀総裁が黒田アジア開発銀行総裁に決まりそうだ。黒田は金融緩和推進派なので「日銀が追加緩和のために購入する金融資産は、長期国債以外にも資産担保証券、インデックス債、株式もある」と言っている。猛烈に金融緩和が進むことは間違いなさそうだ。日本のデフレは15年も続いている。日銀の仕事はデフレ脱却とインフレ防止だ。日銀は15年間も仕事をサボっていたことになる。速水優、福井俊彦、白川方明らの不作為による罪は重い。黒田はインフレ目標2%に、更に期間2年を設定して取り組むことになるだろう。結果は誰も分からない。大きな副作用が生じるかもしれない。しかし黒田にとってはアジア開発銀行総裁の椅子をなげうってでも挑戦する価値のある仕事だろう。男の勝負時である。日本の運命は黒田の勇気ある決断に託すことになる。

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鳥と仲良しになりたい自分

最近スズメが減ってきたというニュースを聞いたことがある。ところが我が家周辺にはスズメは勿論、目白や鶯や鳩やヒヨドリや尾長やムクドリや、頬の白いツバメのような鳥もよく姿を見せる。義母が自前で作ったパンのクズを庭に蒔き始めたことがきっかけになり、集まるようになったみたいだ。鳥の行動を観察していると、とても面白い。鳥は何時もペアで行動する。仲の良い典型例だろう。だが時々浮気をするらしい。それはさておき、鳥の生態の観察をしたくなって、餌置台を作ってみた。近所のホームセンターで部材を買いそろえた。元々小さい時から工作が好きだっだので工作はお手の物だ。餌置台には生米とパンを置いてみた。しかしその後数日間は鳥の来る気配はなかった。そしてその後パンが無くなっていることに気が付いた。最近の鳥は人間と同じようにパン食が好みなのかもしれない。近頃は毎日二階の窓から餌置台を見るのが日課になりつつある。早くいらっしゃい、世の中悪い人ばかりではないよ、と声をかけたいと思っている今日この頃だ。

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安倍とオバマの出来レース

安倍首相とオバマ大統領の会談は、これこそ出来レースの典型と言える。「出来レース」とは「見かけ上は真剣に競い合っているものの、事前の話し合いで結果が決まっている競争や勝負」のことを言う。日本の最大関心事はTPP、米国のそれは戦力の日本肩代わり。安倍は米国に忠誠を尽くした。まず日本の防衛力を強化し米国の負担軽減に繋げますとゴロニャン。その上でTPPで関税の聖域が有り得ることの了解を引き出した。それ以外の北朝鮮の核問題とかシェールガスの輸出解除依頼は、まあ出来ればというパフォーマンスに違いない。よくよく考えると、今日の結論は安倍訪米前に決まっていたはずだ。政権交代後とはいえ、日本の首相が軍隊とかTPPとか一国の運命を左右する懸案事項について、行ってから言ってみなければ分からない、などということはありえない。日米同盟は、TPPは、北朝鮮問題は、エネルギー問題は全て訪米前に決まっていたはずだ。訪米出発直前の安倍の顔を思い出す。何時ものさえない表情に較べ自信に満ち溢れていた。この出来レースで、日本は一気に軍備増強とTPP推進に走り始めることになる。他人に頼らず自分達を守る体制を作ること、経済だけではなく政治的にも対中国を意識したTPP体制を作ること、は日本の国益に合致している。もう進むしかない。GO!

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ロシアとの平和条約

北方領土問題が動きそうだ。森元首相がロシアに行きプーチン大統領と会談した。2001年のイルクーツク声明を再確認し、平和条約締結と領土問題解決についてロシアが前向きであることが分かった。ロシアと日本との間では、まだ戦争が終結していない。平和条約を締結することにより戦勝国/戦敗国関係が終わり、友好国としての付き合いが始まることになる。領土問題はそれからだ。プーチンは平和条約締結と経済協力の必要性をコメントした。プーチンは強かだ。友好国になったら領土を返しましょう、なんて能天気な人物ではない。プーチンには北方領土以上に大事なものがあるはずだ。その大事なものを得るために、まずは平和条約を締結しようと言っているに違いない。いまロシアは天然ガスで食っている。だが米国のシェールガス革命により天然ガスの価格が大幅に下がることは確実だ。それはロシア経済を直撃する。経済がへたればプーチンも失速する。恐らくプーチンはロシアの天然ガスのコスト競争力確保に思いを巡らしているのだろう。領土返還プレミア付き高価格天然ガスの長期供給契約とか、日本の優秀な掘削技術協力によるコストダウン化などかもしれない。いま安倍首相はオバマ詣でに行っている。目的は日米同盟強化とTPPということになっているが、極秘にロシアとの平和条約締結の許可を求めていることも十分考えられる。何れ答えはそのうち分かる。

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ブレークスルー賞の価値

京都大学の山中教授が第1回目の「ブレークスルー賞」を受賞した。「ブレークスルー賞」とは、難病の治療につながる生命科学の分野で優れた研究をしている科学者を表彰する賞で、アップルやグーグルやフェイスブック等の米国の大手IT企業の代表らが個人的に出資して新たに創設したものとのこと。この賞の価値は高いが賞金も2億8千万円と大きいのが特徴。山中教授のiPS細胞は、まさに生命科学界でピカ一のブレークスルー技術なので、当然の受賞と言えるし喜ばしいことと思う。そして受賞以上に喜ばしく思うのは、民間人が出資してこの賞を創設したことだ。その上IT企業がIT技術を対象に表彰するのではなく、生命科学を対象にしている。大金持ちがお金を貯め込むだけではなく、人類を幸福にするために私財を使う。宗教観に基づくものもあるかもしれないが、やはり欧米の文化程度は高いと思う。一方日本では金持ちほどケチに思えてならない。果たして日本は精神文化の面で、欧米に追い付き追い越すことが出来るのだろうか。

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アベノミクスの行方

何年かぶりに日経夕刊1面に明るいと思われる小さなニュースが載っていた。「参院選前に結論」という見出し。参院予算委員会で安倍首相が、年金制度などの社会保障改革について先送りはしないと述べたことに対する見出しだ。安倍が改めて昨年の3党合意の精神を踏襲することを宣言したものだ。国民が身を切る社会保障改革になろうとも、主流3党の合意はものを言う。もしも3党合意がなかったならば、安倍は抵抗の多い社会保障改革には切り込めなかったはずだ。消費増税といい社会保障改革といい、安倍は露払いの野田に幾ら感謝をしてもし尽すことはないだろう。そして政権交代が決まり、驚異的に円安と株高が進行している。アベノミクス効果であることは間違いないが、アベノミクスは未だに言葉だけが先行し実行はされてはいない。これを評して経済評論家の山崎氏はプラシーボ効果だと言う。プラシーボ効果とは、医者が患者に小麦粉を与えこれは効きますよと言えば症状が良くなる、というやつだ。まさに今はプラシーボ効果に違いない。古来それなりの政治家は問題点を的確に判断している。問題を問題だと言えるのが政治家だ。しかしその先で問題を解決するために挑むのか、お茶を濁すのかで政治家の大きさは決まることになる。安倍は問題を問題と言えた。今はそこにいる。さあその次はどうするのか。日本の正念場でもある。

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スポーツ指導のグローバル化

世界ランク19位に低迷しているバレーボール全日本男子の監督に、初めて外国人が採用された。日系4世米国人のゲーリー・サトウ氏だ。サトウ氏の指導実績と、代表の弱点や強化法をデータで示して論理的に説明出来る点と、選手の自主性を伸ばす指導姿勢が評価されたとのこと。バレー男子は40年前の松平監督時代が全盛期だったが、その後は落ち込む一方。監督は日本人ということに拘ったことが響いたのは間違いない。サッカーを見るがいい。Jリーグが始まった20年前は下手くそだった。だが多くの外国の監督や選手を招き実力を付けてきた。今やサッカー選手はグローバルに活躍している。バレーは遅きに失した感はあるが2016年リオデジャネイロ五輪に間に合わない訳ではない。心機一転頑張ってほしいと思う。一方後れを取ったバレーよりも圧倒的に後れているのが柔道だ。メダルが激減している。勿論外国人監督やコーチもいない。未だに昔ながらの罵声と拳骨指導という有り様だ。根性と叫んでも柔道は強くはならない。柔道は既に世界のスポーツになっている。日本の柔道は世界の柔道に較べ後れているのが現状だ。柔道を再生するには、柔道発祥の地の呪縛に縛られている全日本柔道連盟を頭から尻尾までひっくり返す必要がある。前途遼遠。

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沙羅選手と渡瀬コーチ

高梨沙羅選手がスキージャンプ女子ワールドカップで総合優勝を果たした。この大会のジャンプで総合優勝したのは男女合わせて日本人で初めての快挙。16歳4か月でワールドカップ史上最年少での優勝というオマケも付いた。目出度し、目出度し。沙羅選手の得意はジャンプだけではなさそうだ。中学を卒業した年には高校卒業程度認定試験に合格済み。英語はペラペラ。転倒で気絶し入院したがトラウマも乗り越えた。体調管理も万全で、時差ボケにもならない太い神経を持っているようだ。心身ともにマルチタレントと言える。そんな沙羅選手にも若干気掛かりなことがある。小学6年から指導を受けてきた渡瀬コーチが辞任してしまったことだ。渡瀬コーチはジャンプの元日本代表選手で、現役引退後は数々の若手を育てていた。所属会社のスキー部が廃部となり、それに伴い契約が切れた。全日本スキー連盟からの補助が僅かなためコーチをする生活が立ち行かなくなってしまい辞任せざるを得なかったとのこと。スキー連盟は世界チャンピオンを輩出したコーチをしっかり支援すべきだ。才能がある選手でも一人では成長しない。才能のある選手と才能のあるコーチが揃ってこそ開花が見込めることになる。渡瀬コーチが早急に復帰出来るようスキー連盟に望みたい。沙羅選手には20日から始まる世界選手権での2冠を期待したい。

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贅沢とは、牛豚鶏馬鯨・何

EUでは牛肉が馬肉にすり替わり騒いでいる。狂牛病の時は馬肉にかなりシフトしたらしい。馬肉は牛肉より若干安く、牛豚鶏よりも低カロリー、高たんぱく質でミネラルも多く食肉のチャンピオンとも言われている。だから馬が悪い訳ではない。偽ったことが悪いのだ。それなりに罰せられてもいたしかたないだろう。ただ、食用の馬肉であれば問題はないが、競馬の馬であると若干薬剤の心配はある。いずれにしても大騒ぎをするような問題ではないとは思う。話は変わるが自分が子供の頃は、肉と言えば鯨だった。給食では鯨の竜田揚げとかフライとか大嫌いなベーコンまでが出た。反面牛肉を食べるのは年に1度か2度だった。普段は一切家事などしない父がすき焼きの時だけは鍋を取り仕切るのが常だった。子供心に何ですき焼きの時だけなのと不思議に思っていた。今から思えば、当時の牛肉は高級品だ。父にとっては一世一代の出番だったのかもしれない。だが、自分は未だにすき焼き奉行になったことはない。牛肉がさほど高いものではなくなったこともあるが、さあー食えと言うような気構えが嫌だったからだ。時代は移り変わっていく。今貴重なものは何だろうか。さほどない。貴重なものが過ぎさった時代に、粗食に返ることこそ最高の贅沢かもしれないと思う。

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巨大隕石の威力

直径17m重さ1万トンの隕石がロシアに落下した。落下中に爆発しその威力は広島原爆の何と30倍とのこと。爆風と衝撃波で1000人以上が負傷した。NASAによると100年に1度という稀な事態で、この大きさの隕石は現状では予測出来ないらしい。今まで隕石といえば、殆んど途中で燃え尽きてしまい地表に到達するのは精々20~30cm程度のものと思い込んでいた。改めて考えてみると、地球に水が沢山有るのも、恐竜が突然絶滅したのも隕石によるものだと聞いたことがある。隕石恐るべし。ノストラダムスの「空から恐怖の大王が舞い降りて・・・」も有り得ることと思わせる出来事だった。直径45m重さ13万トンの小惑星は予測通りに今日の明け方に無事通り過ぎた。もしこの小惑星が地球に打つかっていたらばと思うとゾッとする。宇宙は生きている。地球も生き物だ。生き物だからこそ人間は地球を大切にしなければならないと改めて思った。

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遅きに失した国民栄誉賞

先月亡くなった元横綱大鵬に国民栄誉賞が授与されることが正式に決まった。遅きに失した。本人が生きているうちに授与すべきだったと思う。国民栄誉賞は「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えること」と規定されている。1960年代の10年間が全盛期で数々の優勝を攫った。堺屋太一が言い出した「巨人、大鵬、卵焼」は一世を風靡した。子供なら日本中の誰もが好きだったものだ。自分の母も大の大鵬ファンでテレビに噛り付いて観ていたことを思い出す。国民栄誉賞のスポーツ関係の受賞者は、王貞治、山下泰裕、衣笠祥雄、千代の富士、高橋尚子、なでしこ、吉田沙保里。これらの受賞者の中で大鵬を超えるほどの国民的英雄はいない。王が大鵬に並ぶ程度かも知れない。大鵬は慈善活動にも熱心で、生涯日本赤十字社に血液運搬車を70台も贈ったことでも有名だ。また相撲が強かっただけではなく、人格者ゆえ格式の高い「世界人道者賞」も受賞している。大鵬の偉大さを見抜けず、八百長相撲で名を馳せた千代の富士への授与を優先した当時の海部総理は、目が節穴だったに違いない。晩年を苦労した大鵬が生きているうちに授与されていれば、本人の喜びは如何ほどであったのだろうかと思えてならない。

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辞任で経済が良くなる日銀総裁

退任間近な白川日銀総裁が、後任総裁に求められる人物像を語った。金融政策以外の日銀の仕事を知っていることと、他人の意見を聞ける謙虚さと、グローバルな視点で判断行動する、の3点だ。振り返ってみると、白川は金融政策以外の仕事は上手く熟したらしい。日銀村特有のインフレ抑制しか興味のない政策委員会ではデフレには目を瞑りましょと手に手を取りあった。日本よりも欧米の視点で、欧米が有利になるような判断をした。どうやら自分が総裁として適任であったし、後任にも自分のようになって欲しいと言っているように聞こえる。しかしこれは白川の大きな思い違いといえる。白川が最低限為すべき仕事はデフレからの脱出であった。最低限為すべき仕事をしなかったために日本国民を苦しい生活に追い込んだ人物とも言える。国民はそれを承知している。白川早期辞任のニュースで、円安株高が急速に進行したのが何よりの証だ。後任総裁に求められる条件は、日銀がデフレ脱却の具体的な政策を推し進めることと、意見の異なる人を集めて政策委員会を活性化させることと、世界が注目しているデフレ脱却のモデルケースを全世界に見せつけることだろう。日銀総裁は歴代ろくな仕事しかしてこなかったが、次期総裁には慣例を破る実りある仕事を期待したいものだ。

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三日三月三年

このブログを書き始めて、今日で3年目に入った。その日感じたことを毎日書いているので732日目になる。書き始めた当初は、果たして何日続くだろうかと不安があった。精々1~2週間程度で書く種が尽きてしまうのではと思っていた。ところが何とかかんとか続けてきた。続いた理由を考えてみた。多分、タイトルを「雑感帳」と名付けたことが最大の要因だと思う。「雑感」とは辞書によると「まとまった論にはならない、とりとめのない感想」とある。思いつくままの感想を文にしただけで、かつその感想の対象も限定せず何でも御座れで間口が広い。広く浅くは自分の性分に合っている。ブログのタイトルは重要だ。タイトルが書く対象を縛り付ける。もしタイトルを限定的なものにしていたら1週間も続かなかったに違いない。このブログは、自分が物書きになりたいため、文章表現の練習のために書いている。今年中には作品に手を付けてみたいと思ってはいるが。

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進化する石炭発電、退化する環境相

東電の石炭火力発電所建設の入札開始に、石原環境相が「非常に心を痛めている」と発言し事実上の待ったをかけた。東電は原子力を当分使えそうもないので他の有効な発電手段を探した。その結論がいま全世界で注目を浴びている石炭発電だ。石炭発電は進化している。昔は石炭を直接燃やしていたので、効率も悪くばい煙や二酸化炭素の発生など問題が多かった。しかし最新技術では、石炭をガス化してガスを燃焼させることにより発電させるので、効率も良くばい煙も二酸化炭素も殆んど出ないクリーンなものになっている。そして発電コストは石油の半分で済み原子力やLNGよりも若干安い。しかも質の悪い褐炭も使用可能で日本には100年分以上の埋蔵量がある。日本にとっては願ったり叶ったりの技術と言える。ところが石原の不勉強のせいで危うく日本の宝物をドブに捨ててしまうところであった。環境庁も漸くその誤りに気付いたようだ。今日副大臣が磯子の最新鋭石炭発電所を視察し、最新鋭石炭発電の輸出を成長戦略の1つに位置付けるべきだとコロッと宗旨替えをした。環境相は早急に処理が必要な放射能汚染対策だけに専念していれば良い。知らないことになまじ口を出すと、恥をかくだけではなく国益を損ねることにもなる。勉強不足の大臣には「沈黙は金」という格言が良く似合う。

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「建国記念の日」の「の」の意味

今日は2月11日「建国記念の日」だ。近頃は単に休日の中の1日という程度にしか感じないが、この祝日の制定には紆余曲折があったようだ。明治から終戦までは紀元節と呼ばれていた。日本書紀が伝える初代天皇である神武天皇の即位日。まさに日本建国日といえる。しかし神武天皇東征の物語りが、征略国家として支那事変や大東亜戦争で利用されたため戦後廃止されてしまった。そして20年後の昭和41年に政令で祝日と定められた。祝日が増えることは好ましいが、紀元節復活には当時の社会党が猛反対。自民党は詭弁を使った。紀元節そのものを復活させるのではない。国の建国を記念する日は、日にちは兎も角必要であるとして、法案を成立させた。その時のマジックが「建国記念の日」の「の」の挿入。紀元節とは限定しない一般概念の建国記念を祝う日とした。勿論後日「2月11日」を「建国記念の日」と定め実質的に紀元節を復活させた。「の」の字がなければ建国記念日が再び生まれることはなかった。日頃文章を書いていると、てにをはの使い方に苦労することが多い。今日、建国記念の日を調べた結果「の」の使い方を知った。たかが一字の「の」ではあるが、馬鹿に出来ない「の」の重さを覚えた次第。

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空を飛ぶイカと鶏

タコではなく何とイカが空を飛んだというニュースがあった。海洋生物学の専門誌に、外洋性イカが本当に飛んだという記事が掲載されたとか。イカは含んだ水を勢いよく吐き出す事で推力を得て、着水時は衝撃を和らげる姿勢を取れるとのこと。単に水から飛び出すだけではなく、飛行のための空中飛行姿勢を保つ事が出来ることが分かったことが学術的な成果らしい。イカが飛行したきっかけは調査船に驚いた結果かもしれない。同じような話を思い出した。昔平塚に住んでいた頃、八幡山の鶏が空を飛ぶということを聞いたことがある。祭りの縁日で売られた雛が大きくなり、飼育出来なくなった鶏が八幡山に捨てられ、住みついたらしい。ところが鶏も夜は何者かに襲われることがある。そして鶏は自衛のために夜は木の上で眠ることを覚えた。木に登るには飛ばなければならない。空を飛ぶ鶏を見たくて何度も八幡山を訪ねたが、飛ぶ姿は一度も見ることは出来なかった。しかし鶏は確実に飛ぶことを覚えたことは間違いない。夜になると木の上で寝ている鶏を何度も見たことがある。イカも鶏も「窮すれば通ず」ということだろう。適度なストレスが才能を開花させるのは人間世界のことだけではなく、生物進化の基本原則であるということを感じさせる。苦労しながら人生を生きることが、人生を豊かにすることになるのかもしれないと少し思った。

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11PMからPM2.5へ

昔は11PMという深夜番組が有名だったが、いまはPM2.5がマスコミを賑わしている。PM2.5とは勿論2時半、ではなく直径が2.5μm以下の超微粒子のことで、大気汚染の元凶である浮遊粒子状物質のことをいう。大気汚染の酷い北京から偏西風に乗ってPM2.5が日本に飛来し健康問題が騒がれ出している。それがぜんそくや気管支炎を引き起こすからだ。嘗て日本ではディーゼル車の排気汚染が酷い新宿柳町が有名だった。時の都知事の石原がディーゼル車の排気規制を行ったことを発端にして、日本の排ガス被害は飛躍的に改善された。いまWHOはPM2.5を25以下にガイドラインを設定しているが、北京では500以上が常態化していている。そして中国から流れてきたPM2.5が日本でも25を超えたとマスコミは連日騒いでいる。しかし、それに対し疑問を覚えるのは自分だけなのだろうか。翻って考えてみるがいい。日本は全世界の人々に対し3.11原発事故の時にどのような恐怖をもたらしてしまったのだろうかと。東電は垂れ流した。放射能汚染は深刻だ。いま現在、日本はPM2.5については被害者ではあると言えるが、放射能汚染については加害者だ。PM2.5を日本で解決に導いた石原の息子が、PM2.5を問題視していることは七光り故とは理解出来る。しかし、日本が放射能加害者であるということも弁えず、いまPM2.5だけを問題視していることはおかしい。PM2.5の息子の環境大臣はPM2.5だけに対処すべきではない。今まさに日本が世界に垂れ流した放射性汚染物質に対処することこそ、全世界が求めているということを知るべきだ。環境庁は日本の環境庁ではなく世界の環境庁であるべきだ。もし昔の巨泉が真面でいれば他人のバカ息子を諭すチャンスが到来していたのにと思うに違いない。残念ながらチャンスは逃げていくものだ。昔とは嘗てはあったが今はない、というものだと思う。残念。

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民主党の行方

衆院選大惨敗で野党第1党陥落の崖っぷちに立つ民主が、相変わらずダッチロールを繰り返している。党首は何とあの安愚楽牧場推奨で裁判を起こされている海江田。火中の栗を拾うとは言ってはいるが、火傷して退任するのが落ちだろう。党として立ち直る様子もないので、横浜市議補選では共産党にも負けるほど有権者から見放されてしまった。少女レイプで政務官を辞任した徳田事件にコメントするロチューの細野。レベルは質の悪い風刺漫画以下。国会同意人事の事前報道ルール撤回の合意をひっくり返した輿石。輿石は未だに単に足を引っ張り政治を停滞させることが、民主離れを加速させていることに気付いていない。7月の参院選での民主大敗も間違いない。衆院選惨敗の総括をまとめたが、鳩山の普天間移設計画ぶち壊し、菅の唐突な消費増税提案、小沢の陸山会裁判によるイメージダウン、野田の衆院解散時期見間違えと、歴代トップに責任を押し付け、真に反省する様子もない。サルでも反省するのに民主は反省さえ出来ない。サル以下の議員などいらないと思うのが人情だ。極めつけは党綱領の策定だ。民主には綱領がない。だからいつも他党から馬鹿にされる。民主の立ち位置を決めようと綱領作りを検討したが、中道かリベラルかで意見はまとまらず綱領も作れない。元々寄せ集め集団なのだから綱領など作れる訳がない。党を解散することがベストの選択だろうと思う。解散しても就職先は幾らでもある。自民よし、社民よし、維新よし、みんなよし、公明よし、労組よし、NPOよし、廃業もよし。これが民主の最大の問題であるに違いない。

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ハレー彗星の思い出

今月16日午前4時半頃、直径45m、推定重量13万トンの小惑星が、地球表面から2万8千キロの地点を通過する。月までの距離の約13分の1しかない近距離であり、これほどの大きい天体が大接近するのは観測史上初めてとのこと。このニュースで子供の頃の出来事を思い出した。地球に星が接近して短時間空気がなくなるので、自転車のチューブに空気を溜め込む必要があると言われ、チューブを探した経験だ。調べてみたが昭和20年代に星が接近して騒いだ出来事はない。しかし自分がチューブを探したことは覚えている。調べていくうちに、明治43年にハレー彗星が地球に接近したことがあることが分かった。当時ハレー彗星の尾の中に地球が入ると5分ほど空気が無くなるというデマが流れた。一部の無知な人はチューブを掻き集めたらしい。そこで昔の記憶がはっきりと蘇ってきた。当時の自分は小学校に上がる前で5、6歳。近所には駄菓子屋などなく、毎週「だっちゃん坊や」という紙芝居屋のおじさんが来るのが楽しみだった。その紙芝居で見たのがハレー彗星対策のチューブ。子供心にこれは大変だと思いチューブを探したり、ほかの方法はないか考えたりした。子供は夢や物語と現実がごちゃ混ぜになる。というか夢や物語の中でも生きている。子供の頃の記憶は曖昧だ。しかしその曖昧な記憶が経験に変わり人格が形成されていく。ということは子供は環境に育てられるとも言える。どういう訳か、小惑星が孟母三遷に辿り着いた。

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リチャード三世の悲劇

シェークスピアの史劇「リチャード三世の悲劇」で有名な実在したリチャード三世の遺骨が500年ぶりに発掘された。DNA鑑定で本人であると確認され、CTスキャンで顔も復元された。シェークスピア劇に登場するリチャード三世は、怪異な容貌で、狡猾で残忍でかつ豪胆な詭弁家。劇は他人の不幸が分からないエゴイズムがテーマになっている。実在したリチャード三世はボズワースの戦いで戦死した数少ないイングランド王の戦死者だ。遺体は当時の習慣に従って丸裸にされ晒されたらしい。リチャード三世はヨーク朝最後の王だが、シェークスピアは次のテューダー朝の時代に生きた人物。シェークスピアがテューダー朝の敵役として性格・容姿ともに酷い人物として描いたのも肯ける。発掘された遺骨は劇と同じように背骨が曲がっていた。しかし復元された顔は若々しく美しい表情をしていて、とても暴君だったとは思えないという。顔は人格を表す。リチャード三世はシェークスピアに相当捻じ曲げられていたに違いない。リチャード三世は実は聡明な人物だった、という思いで劇を鑑賞すれば、更にシェークスピアの偉大さが伝わってきそうな気がする。

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ダボス会議の終焉

世界経済フォーラムの年次総会であるダボス会議が例年通り1月に開催された。約100カ国の政府首脳、大企業経営者、知識人、ジャーナリストなどが一堂に会し、地球レベルの様々な問題について議論をする会議だが、嘗ての輝きはなくなりつつある。それでも世界のトップクラスが2000名以上も集まる会議だから、世界的な関心事は何であるのかを知るには参考になる。今年は、米国の財政の崖は大して話題にはならなかった。欧州経済が底を打ったようで独のメルケルやドラギ総裁やIMFのラガルドに人気があったとのこと。だが英のキャメロン首相は脱EU問題で不興をかったらしい。一方日本のアベノミクスは評判が良かったそうだ。中東のシリア内戦の解決策はこの会議でも見出せない。BRICsの影が薄くなり、アフリカ南部勢が力を付けてきたようだ。確かに世界の潮流は掴み易いが、会議の内容にインパクトがない。世界的な懸念事項の解決策が見出せない。あと数年もするとお祭りと化して終焉を迎えるのかもしれない。結論や方向性を示せない会議ほど虚しいものはない。

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長生きをするための処方箋

自分は医者嫌いで風邪を引いても病院には行かず、自宅でじっとして症状が治まるのを待つタイプの人間だ。そんな自分を勇気付ける本に巡り合った。その本は「医者に殺されない47の心得:近藤誠:アスコム」。著者はがんの放射線治療を専門とする医師で乳房温存療法のパイオニア。がんで苦しみながら死ぬのは、がんのせいではなくがんの治療のせい。がんの9割は治療しない方が長生き出来る。風邪薬も抗がん剤も病気を治せない。薬は本質的に毒物なので体に入れない方が良い。日本人は総コレステロール値が高い方が長生きする。塩分摂取と高血圧は無関係。病院好きな人ほど薬や治療で命を縮めやすい。定期検診や人間ドックは受けない方が良い。等々を主張している。本人は現役の医者でありながら現代医学を根底から否定する異端者だ。しかし自分には異端者ではなく風雲児に見える。あと10年も経てば医学の主流になるかもしれない。100歳まで元気に生きる食の心得として、牛乳と卵を毎日摂れ、ステーキでもトロでもイクラでも好きな物を何でも食べろ、ラーメンのスープも残らず飲み干せ、と推奨する。そして最終章でリビングウイルを書くことを薦めている。実践する価値はある。是非実践してみようと心に決めた。

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頑張れ、川内選手、中本選手

久し振りに胸がすくゲームを見た、大分別府マラソンだ。このところ、と言うよりは永いこと国際マラソンで日本人男子が優勝したという記憶がない。近頃のマラソンと言えば、結果はいつも前に外人がいるので「日本人一位は」という定冠詞が付いていた。ところが今日は有力な外人がいなかったとはいえ、二人の日本人によるトップ争いのデッドヒートは圧巻だった。埼玉県庁の川内選手と安川電機の中本選手。28Km付近から二人が飛び出し、絵に描いたように抜きつ抜かれつの猛烈なデッドヒートを繰り返した。二人の精神力は想像を絶するほどの迫力があった。そして川内選手が大会かつ自己新記録で優勝を飾った。名勝負と言える。多分川内選手がモスクワの世界選手権の日本代表に選ばれることになるはずだ。その時は頑張ってほしいと願う。それにしても、川内選手は市民ランナー出身であるし、中本選手もロンドン五輪出場前はそれほど有名な選手ではなかった。ここにマラソンの再興を促す最大のポイントが隠されているように思えてならない。時代は変わっていく。今時、かつて成功したカリスマの威力ほど効かないものはない。自分だけを信じて生きていく者こそが生き残れる時代に突入している。権威を権威と信じてはいけない。権威に歯向かう姿勢にこそ、新しい扉を開くという力が宿っている。このマラソンで、現状を打破する活力と明日を切り開く力を見たような感じがする。頑張れ、川内選手、中本選手。

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崖のある国、ない国

昨年末は米国の財政の崖が問題になっていたが、ギリギリで目先の妥協案がまとまり一応2か月だけは先送りされた。ブッシュの富裕層減税の期限切れによる実質増税と強制歳出削減が偶々2013年1月1日同時に施行されることになり、施行されれば米国経済が急速に減速し大恐慌に陥る恐れがあった。それをFRBのバーナンキが財政の崖と名付けた。強制歳出削減とは、2011年に民主党と共和党が合意して出来た法律で、削減は必要だが削減案について合意が出来なければ強制的に歳出を削減するというもの。その後両党の削減案は折り合わずスッタモンダの挙げ句今日に至っている。民主党も共和党も国民不在で政治が機能していない。まるで日本の政治と同じように映る。しかし一方日本はアベノミクスで順風満帆のように見えるが本当にそうだろうか。日本には財政を律する法律がない。従って、国債発行は時の首相の気分次第で決まる。国家予算も歯止めがない。一旦政権を握れば予算編成はやりたい放題の無法地帯と化す。直接国民が選んでもいない首相が、国民の意に反して勝手気ままにやることに怒りを覚えるのは自分だけだろうか。見方を変えれば、日本には崖がないから政治家のやり放題となるとも言える。しかし実際に日本に崖がないのではない。米国よりも大きく深い崖がある。ただ法律という眼鏡がないから見えないだけの話だ。財政健全化法を制定し国民に誰でも見れる眼鏡を提供することこそ政治家の使命と言える。

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体罰と親の務め

最近指導者による暴力沙汰が新聞を賑わしている。桜宮高校バスケ部の事件を筆頭に、網野高校レスリング部の体罰や柔道の園田監督が暴力的指導を選手から告発された事件など毎日事欠かない有様だ。マスコミが体罰にスポットを当てているので数が多いとも言えるが、まだまだ暴力指導が蔓延っているのが現実なのだろう。悲しいことに指導者を指導する指導者が必要なようだ。これを契機に暴力指導者が一掃されることを願いたい。しかし一方では何から何まで指導者の所為にする行き過ぎた事例もある。学校の先生に「下手くそ、馬鹿たれ」と言われた生徒が不登校になってしまい、学校が親に陳謝したとのニュースがあった。この生徒を不登校にさせたのは一体誰なのだろうか。先生ではない。親なのではないのだろうかと思う。この程度の事で子供を学校に行かせることが出来ない親には何らかの欠陥があるはずだ。子供教育の最終責任者は親であるということの自覚がないのだろう。過保護は子供をひ弱にするだけだ。世の中の人は弱き者の味方が好きだから、先生対生徒であれば生徒に味方する。しかし親はそれに甘んじて子供を庇い過ぎてはいけない。困難な山にも挑戦させていくのが親の務めだ。その繰り返しで子供は育っていく。

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新しい定義の「家族」

昨日は久々に昔の研究仲間の飲み会に参加するため富士市に行ってきた。名目は仲間の還暦祝い。30年位前のことだが、今を時めくレアアースの研究をしていた仲間だ。自分がいた会社では研究所のテーマはほぼ5年で入れ替わるのが通例だった。一つのテーマが終了すれば研究員は散り散りになり、新しいグループに移っていく。仲間である時は頻繁に飲み会をやるが散り散りになった後で集まることは殆んどない。それが常識だった。そしてこの研究も約5年で終了したが、その後が特異的だ。研究が終了した後でも何回も飲み会が続く。当時は他の研究室からは不思議な目で見られたものだ。そして30年後の昨日も飲み会は続いている。当時は仕事もよくした。しかしビジネスライクではない。よく仕事をしてよく遊んだ。遊ぶために仕事をしているような感覚もあったし、遊びを忘れて仕事に没頭する時もあった。花見では酔った勢いで川に突き落としたり、我が家に集まって大貧民をしたりと青春を謳歌した。今ではその仲間も定年を迎えたり研究所長や工場長になったりで人様々だ。何年経っても仲間は仲間、30年前と変わらない。酒を飲みながら自分がタイムスリップしてしまったのではないかと疑うほどに昔の記憶が蘇えってきた。多分新しい定義の「家族」なのだろうと思う。

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