2011年10月

二重行政の解消

橋下大阪府知事が提唱した大阪都構想をきっかけに、二重行政解消の動きが出てきた。愛知県と名古屋市の中京都構想や新潟県と新潟市の新潟州構想に続き、横浜、さいたま、千葉、川崎、相模原、京都、神戸の政令指定都市7市が「特別自治市構想」研究会を立ち上げた。都道府県と政令市の同じ業務を見直す。税財源や道路・河川管理の市への移譲、教育や職業紹介業務の一元化などについて利点や方策を議論するとのこと。財政悪化と不効率な二重行政で時代遅れの日本の大都市制度がやっと見直されることになってきた。本来二重行政解消は衆参議員がやるべき仕事のはずだが、衆参議員は知事市長に較べ先進性に劣っているのでやることは後手後手だ。衆参議員はこの動きに決してブレーキをかけてはならない、全議員が一致団結して法を整備しアクセルを踏む努力が必要だ。

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復興:津波対策

千年に一度の津波対策として、気仙沼大島をぐるっと11mの堤防で囲む案や、九十九里に高い堤防を張り巡らす案が浮上しているとのこと。定かではないが、県が立案し地元は反対しているらしい。風景や観光か、人命優先かの選択が問われている。気仙沼大島は学生時代に行ったことがあるが風光明媚な島だった。津波で家族を失った人々が人命優先を主張するのは分からなくはないが、果たして本当に高い堤防が必要なのだろうかと疑問を覚える。そこに住む住民は高い堤防に囲まられれば、まさに日常は塀の中の生活になる。子孫たちは殺風景で閉じ込められた環境下で未来永劫暮らすことになり、勿論観光では食べていけなくなる。住民は誰も望んではいまい。人命を優先する方法は堤防以外にいくらでもある。緊急時避難所として高い頑強な建物を建てれば済むことだ。昼のテレビ番組でコメンテーター長嶋一茂が堤防を張り巡らし人命を優先すべきとコメントしていた。元来常識が欠如している一茂のコメントは的外れで偽善を感じる。最近のテレビ番組ではこのての薄っぺらで思慮のないコメンテーターが多すぎる。復興対策は上から目線ではなく、住民目線で進める必要があると思う。

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企業統治の問題

オリンパスの企業買収問題で日本の企業統治が問題視されている。英国企業買収の際投資助言会社に法外な報酬を支払った件と、買収した国内3社の事業売上が当初計画に較べ1割にも満たないほどかい離している件だ。事実は、当初期待した買収計画通りにはいかず経営者が投資に失敗したこと。問題は、経営者の見通しが甘かったこと、ではない。問題は、オリンパスが有価証券報告書などで適切な開示をしなかったことにある。企業統治の欠如は日本株売買の7割を占める海外投資家の不信を招き、市場心理を委縮させ経済を更に悪化させる恐れがある。オリンパスはワンマン経営で有名だ。ワンマン経営者には長所と短所がある。事業をダイナミックに展開するにはワンマンが最適だ。歯止めが利かなくなり突っ走ってしまうワンマンは最悪だ。解決策の一つは、ワンマン経営者にストップがかかり部下がワンマンを恐れずに進言できるシステム作りだ。社外取締役制度の導入や東証の企業統治強化の通知などは問題の解決にはならないだろう。株式市場が問題企業に罰則を与えるのが良い方法だと思う。不透明な有価証券報告書には東証が開示を指示し、従わなければ監理ポストへ移動させる。極めて不透明性の高い企業や違法行為を行った企業は株式市場から退場させる。退場させられては経営が成り立たないので、ワンマンは社内よりも社外を意識するようになり、部下のワンマンに対する進言力は飛躍的に高まることになるはずだ。

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混合診療

保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」で保険診療部分の保険適用が認められないことが最高裁判決で確定した。混合診療は健康保険法に明文の禁止規定はない。厚労省官僚の解釈によって禁止とされてきた。最高裁は、特定の診療に限り混合診療を認める制度があるので明文はないが法体系の整合性からすれば混合診療は保険対象外と解釈されると結論した。本来患者のため医学発展のため混合診療は行われるべきものだ。最高裁は現法律下での判断しか出来ない。一審二審で判決がひっくり返ったように断定は難しい。最高裁は素直に現法律では断定できないと結論すべきだったと思う。そうすれば最高裁も断定出来ない法律そのものに不備があることになり、張本人の国会の責任が問われることになり法律の改正が進むことになる。一方厚労省が何故混合診療を拒むのか理解に苦しむ。混合診療は財政の負担にはならないし誰も困らない。むしろ医師や患者は混合診療を望んでいる。混合診療を認めれば医療の技術革新が早まるメリットもある。最高裁が常識を持っていれば、厚労省は医学の進歩と患者の早期回復の妨げになっていると結論づけたはずだ。

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修士論文は不要か

文科省は修士論文を作成しなくても修士号を取得できるよう省令を改正する方針を決めたと発表した。博士号取得を目指す大学院生が対象で、早い時期から専門分野に閉じこもらずに広い視野を持つ人材を育てるのが狙いとのこと。しかし修士論文作成は研究成果そのものの評価よりも、研究のオリジナリティーについてPlan-Do-Seeサイクルを回して一つの研究成果としてまとめる能力があるかを検証するためにある。従って博士の卵が修士論文も書かずに博士課程に進むということは、研究活動の基礎能力を判断せずに進級させるということになる。大学院生を甘やかしてはいけない、それでは人は育たない。大学院生に広い視野を求めるのならば、大学入学初期の高校レベルのおさらい講義を廃止し、そこに視野を広げる講義を充てるべきだ。難関の大学入試をやっと突破し胸をふくらませ入学してきても、高校と変わらないのでやる気を削がれる学生は多い。おさらい講義は百害あって一利なし。「修士論文なしの博士号取得」は「ゆとり教育」の弊害による先送りの玉突き現象のように見える。更なる学力低下が目に見えるようだ。文科省が応用能力の高い博士作りを目指すのであれば、まずは大学の講義レベルをアップさせるべきだ。文科省には先送り志向を止め先取志向に切り替えることが求められていると思う。

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眼の手術4

眼の手術後目薬を点す毎日だ。1回に3種類の目薬を5分間隔で点し、それを1日4回行うので1日当たり12滴も点している。目薬の事が頭から離れないのでJ&Jが発表した「瞳にまつわる俗説の真偽と正しい瞳ケア」が目に留まった。それによると、目薬点したら目をパチパチまばたきさせると良い、というのはウソ。目薬が外に流れたり鼻からのどに流れてしまい効果が薄れてしまうので、そのまましばらくまぶたを閉じ、鼻に目薬が入っていかないように涙嚢を押さえると良いとのこと。目薬は冷蔵庫に入れておくと長持ちする、というのもウソ。一度使用した目薬は冷蔵庫に入れても、細菌の繁殖や成分が変質する恐れがあるので、使用開始後は冷蔵保存していても速やかに使いきるべしとのこと。この情報は参考になった。因みに瞳ケアの俗説のホントは、ストレスや栄養の偏りで充血しやすくなる、泣いた後の赤目は冷やすと治る、目も老化によって白目が黄ばむ、まつ毛メイクやつけまつ毛の装着は目を痛める原因になる、白目も肌同様に日焼けをするとシミができる等々。手術を経験して人間の眼は極めて精密な器官であることを再認識した。身体を労わり大切にする心が一層芽生えたようだ。

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TPPという名の象

「おばけ」っていうと「おばけ」っていう。「さんせい」っていうと「はんたい」っていう。こだまでしようか。いいえ、政治家のTPP遊びです。前原が根拠のないTPPへの恐怖感を「TPPおばけ」っていうと、亀井が政府にしか分からないようにしていることを「おばけ」っていう。日曜日の政治家のテレビ討論では、出席者の誰もTPPの全体像を知らずに賛否を述べる摩訶不思議さにぞっとさせられた。政治家も経団連も農協もTPPの全体像を知らずに初めに賛否ありきだ。これでは日本にとって賛成すべきか反対すべきか判断が出来ない。お化けの仮面を剥がし国民の面前に正体を曝さないことには議論も始まらない。今はまさしく「群盲象を撫でる」状態だ。政府は11月上旬のAPECまでに結論を出す方針とのこと。政府は明日にでもTPP参加の前提と、参加後の交渉過程での振れ幅とその影響も含め、TPPが締結された時の想定全体像を明らかにすべきだ。そこからTPP検討が初めて始まることになる。

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やらせメールバトル

閑話休題。今日は取るに足りないどうでもいいような話題について。九州電力玄海原発の再稼働をめぐる「やらせメール」問題で九電経営者と枝野経産相がもめている。九電側は佐賀知事に責任はなく社長も辞任しないと主張、枝野は第三者委員会の結論である知事責任を盾に取り「社長が辞任しなければ国民の理解が得られない」と主張している。しかし九電側/枝野の主張および第三者委員会の結論は全て間違っていると思う。「やらせ」は昔から国の政策推進の常套手段だった。小泉時代にばれてしまった。原発推進は経産省が電力会社と県知事に指示する構図であることを国民は知っている。今回の「やらせ」も同じ。原発再稼働を指示する経産省と利益優先の九電が佐賀知事に許可を要請し、推進派の佐賀知事が気を利かして「賛成意見も取り入れたらどうか」と言ったに過ぎない。それを受け九電は従来通りのやり熟れた手順で「やらせ」の会議を開催した。ところが経産省も九電も時代の風が読めず、内部告発され「やらせ」がばれてしまった。事実はこんなところだろう。少なくとも国民はそう見ているはずだ。第三者委員会の結論はあまりにも表面的過ぎて機能を果たしていない。枝野は九電経営者をスケープゴートにして幕引きを図ってはならない。今までの構図を明らかにして今後の原発政策の基本方針を指し示すことこそ枝野の仕事のはずだ。九電経営者の首や枝野の主張は全く取るに足りないどうでもいいような類いだ。バトル遊びをしている時ではない。

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将棋女流王座戦

将棋の第1期女流王座戦五番勝負第1局で16歳の加藤桃子奨励会1級が清水市代女流6段を破り先勝した。加藤桃子1級は一次予選・二次予選を通過し更に本戦トーナメントを勝ち抜いて決勝五番勝負に進出した。女流棋士の資格を持たない女性が女流タイトル戦に進出するのはこれが初めてとのこと。女流王座戦は今年創設された6番目の女流タイトル戦で、申し込めば誰でも出場出来る完全オープン大会という点で画期的な公式戦だ。第2期からは海外出場枠も設ける計画らしい。まさに女流将棋界のさらなる発展と将棋の普及活動を目標に創設されただけあってオープン化を先取りしている。16歳の棋士資格を持たない加藤桃子1級がタイトル戦に進出ししかも第1局を制したことには驚かされたが、タイトル戦完全オープン化の道を拓いた将棋界も称賛に値する。日本独自の将棋がチェスのように世界レベルに拡がるのも遠い将来ではないような気がする。

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医師不足対策

文科省は医師不足解消のため2019年度までの8年間医学部入学定員の増加を認めると発表した。確かに医師不足が問題にはなっているが、この文科省の対策は誤りだ。現状を改革することなく医師不足を解消するのであれば増員が必要だ。しかし入学定員増員策では時間的にも人数面でも間に合わない。医師不足の原因の一つは、勤務医と開業医の処遇格差だ。勤務医は過酷な労働条件を強いられるが、開業医は労働面でも所得面でも税制面でも優遇されているため、医師は都市部に集中し田舎は無医村化しやすい。一つは社会保険診療報酬制度が出来高払いのシステムであることだ。診療報酬が量で決まるため不要な医療行為が増えることになる。一つは医療行為が医師のみに集中し過ぎていることだ。医療従事者といえば、医師を筆頭に薬剤師、看護師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士等々数多くの専門職種があるが、何から何まで医師が見なければならないようなシステムになっている。初めに医師が指示を与えたら、その後の同じ措置は専門職に任す事が出来るシステムにするだけで医師の仕事量は大幅に減るはずだ。医師が書類作成などの事務をしているところすらあるのが現状だ。医師と専門職との職域を再検討する必要がある。そもそも医療システムの改革は厚労省のメインの仕事のはずだ。小宮山には難しすぎて取り組むことの出来かねる課題かもしれないが、大臣にしてもらった以上職責を全うするため挑戦すべきだ。文科省の医学部定員増員は、底の抜けたバケツに水を注ぐようなものに見える。

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真球ダイヤ

愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センターが世界で初めて人工ダイヤの真球加工に成功したと発表した。人工ダイヤはGEが1955年に世界で初めて合成に成功して以来多くの研究機関で数々の合成法が確立され、その硬さゆえに主に工業用研削研磨に広く使われている。愛媛大学は2003年に世界で最も硬い人工ダイヤ「ヒメダイヤ」の合成に成功し、2010年には直径1cmのヒメダイヤ合成に成功した。そして今回は、その世界で一番硬いヒメダイヤをレーザー光と超音波により研磨し、球の半径誤差を1000分の1ミリ程度に抑えた真球加工にも成功した。合成法と加工技術を組み合わせることで任意の形に出来る可能性があるらしい。人工ダイヤが研磨剤の域を超え一つの工業材料分野として確立し、構造材料としてまたは電子材料として使われるようになるのも夢ではなくなってきた。日本の将来は明るい。日本の研究者またまた畏るべし。

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科学的に不可解な話

「焼肉家えびすの食中毒事件をきっかけに施行された生食用牛肉加工の新基準は、厚労省の的外れな過剰反応で、無駄なコストアップを強制し、かつ食文化を破壊している」と10月6日に書いた。その厚労省の頓馬さを実証する記事が載っていた。某焼肉店が厚労省に噛みついて「レアステーキと牛タタキは同じ調理法なのに何処が違う、何故レアステーキは対象外なのか?」と質問した。厚労省曰く「牛タタキは生食用の肉を、ステーキは加熱用を使っている点が異なる」。それでは生食用の肉を使った牛タタキの方が安全なはずだ。更に厚労省は「ステーキでは食中毒の事例が報告されていないから規制から外した」とのこと。科学的に考えるまでもなく一般常識で考えると、安全な牛タタキを規制しより不安全なレアステーキを規制から外したことになる。その理由は、焼肉家えびすが食中毒事件を起こしたことのみの一点だ。厚労省は焼肉食中毒事件の対応を完全に間違えた。厚労省は非科学的な考え方で頓馬さを実証してしまった。それとも厚労省の責任者が単に焼肉嫌いのステーキ派だったためかもしれない。好き嫌いが最も科学的な根拠と考えられるのは極めて情けない限りだ。

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眼の手術3

昨日「現在眼の中は殆んどガスで満たされており下部に少しの液体があり、まるでワイングラスを斜め上間近から見ているように液体が見える」とブログに書いた。今朝起きるとその底のワインが若干減っている。まさか眼底に穴でも開いてしまったのかと一瞬不安になった。冷静になって考えてみた。眼は逆さまに見えるはずだ。景色は水晶体を通して網膜には逆さに映るが脳が反転して上下を戻しているので正常に見える。しかし眼内のガスは水晶体を通さずに直接網膜に映るので、網膜では上下正常にそして脳で反転され上下がひっくり返る。従って眼内のガスは下方に見えることになる。まさに底に見えていたワインこそがガスだったのだ。とうとう我が目が節穴であることを証明してしまった。トホホ。

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眼の手術2

診断を受けた眼科医から「眼科医の手術の腕前はピンキリなので腕前の良い人を」と薦められた眼科医で手術をした。淡々かつ的確に手術内容を説明してくれたお蔭で不安感なしに手術が受けられた。手術は順調に進み終了した。手術中もその後も殆んど痛みはなく、出血もはれも生じなかった。現在眼の中は殆んどガスで満たされており下部に少しの液体があり、まるでワイングラスを斜め上間近から見ているように液体が見える。1、2週間でガスは抜けてしまうとのこと。その間は手首に「眼内にガスが入っているので、笑気を使った全身麻酔はしないで下さい」と書かれたリストバンドがはめられた。術後は剥がした膜を接着させるため俯せ状態で黄斑部を上にするよう指示され、その状態を維持しながら寝ることが一番辛かった。贅沢な悩みだ。僅か数週間で元通りのテニスも出来る生活に戻れそうだ。手術を執刀していただいた腕の良い眼科医先生と医学の進歩に感謝しています。

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眼の手術

いよいよ眼の手術の日を迎えてしまった。病院は大嫌いだが悪化を止めるにはいたしかたない。眼球を切開するので術後のアフターケアーが大変そうだ。眼の傷は回復が遅く2か月もかかるとのこと。外出時はゴーグル着用、寝るときは俯せ、入浴時も眼に水が入らぬよう等々煩わしさが当分続きそうだ。好きなテニスもできない。好きな読書も減りそうだ。小説の構想を練るには最適かもしれない。悪いことばかりではなさそうだと、自分に言い聞かせることにした。

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地震学会の敗北表明

日本地震学会が東北の巨大地震を想定できず、地震学の敗北とする異例の見解を表明した。古い地震や津波の調査研究を軽んじていたこと、地震予知は可能と国民に期待させてきたこと、原発の安全対策に積極的な関与を避けてきたこと等々反省点は多い。学会全体が1970年代に提唱された仮説にとらわれ過ぎたためだ。学会の権威の驕りと会員の権威への諂いと異説を唱える勇気のなさが敗北の原因と言えるだろう。科学は真理を追究するものだ。この経験を生かし開かれた学会へと生まれ変わって、役に立つ地震学を探求してもらいたい。地震学会は企業との癒着は殆んどない。その学会が自ら敗北表明したことは称賛に値する。金まみれの原子力学会は地震学会の爪の垢でも煎じて飲む必要があると思う。

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介護職員の給与

厚労省は介護職員の給与水準を維持する財源を確保するため、高所得の大企業サラリーマンの介護保険料を増やすことを考えている。介護職員は他業種に比べて給与水準が低いとして平成21年度に創設された「処遇改善交付金」が来年3月で期限切れとなるからとのこと。確かに介護職員の処遇は悪すぎる。ところが大企業サラリーマンが加入する健康保険組合は高齢者医療制度への拠出金の負担増や企業の経営合理化による保険料収入の減少等により、経常収支が赤字に陥る健康保険組合がほとんどだ。現に西濃運輸健康保険組合は継続困難なため2008年に解散してしまったような状況だ。厚労省は傷口に塩を塗り込むつもりなのだろうか。このところ政府は次々と増税や徴収料アップと言い出し図に乗りすぎ始めている。そろそろ野田のハネムーン期間は終了。増税や徴収料アップの議論は終結させ、本腰を入れて行革に取り組むべき時期に入ってきた。第一弾として国家公務員給与の2割削減を目指すべきだ。そのためには公務員給与の2割を共済組合費として徴収し、その増額分を全て介護職員の給与水準アップに充てる。その後は公務員給与削減分だけ共済組合費を元に戻していく。こうすれば介護職員の処遇改善と国家公務員給与2割削減を同時に達成することが出来るはずだ。痛みを伴わない増税はあり得ない。

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女性指導者

今年のノーベル平和賞にリベリアのエレン・サーリーフ大統領ら女性3氏が選ばれた。受賞理由は、平和を維持するには民主主義導入を男女同権レベルに引き上げる必要があり、3氏はそれに貢献しているから。簡単に言うと「アラブの春」の後押しだ。世界では女性指導者が活躍する場が着々と広がっている。1979年の「鉄の女サッチャー」に始まり、ドイツのメルケル首相、ブラジルのルセフ大統領、アルゼンチンのフェルナンデス大統領、タイのインラック首相、オーストラリアのギラード首相と華々しい。女性が偉くなればよいというものでもないが、日本の状況は寂しい限りだ。日本女性として世界レベルで活躍しているリーダーは緒方貞子国際協力機構理事長のみだ。日本の女性政治家としては、田中真紀子、小池百合子、小宮山洋子、福島瑞穂等々居るには居るが料簡が狭く大臣すらも任せられる器ではない。「話を聞かない男、地図が読めない女:ピーズ夫妻:主婦の友社」にも書いてあるが、女性は概して鳥瞰図的思考が弱い。客観的に第三者の目で物事を判断し自説を主張する努力が、日本女性を世界に羽ばたくリーダーに導く要素の一つだと思うのだが。

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ノーベル賞の情報漏れ

今年のノーベル文学賞は、又もや村上春樹の受賞は叶わずスウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメル氏が受賞した。しかし、発表の数時間前からブックメーカーの掛け率が大幅に低下し情報漏れの疑いが指摘されている。スウェーデンの捜査当局が捜査に乗り出すかどうかの検討を始めたとのこと。ノーベル賞受賞者情報がリークすること自体は大した問題ではないと思う。誰が受賞者かを賭け事にする方が少し問題なような気がする。掛け率が大幅に下がったのには決定的な情報があったはずだ。賭けをする人はその情報の真贋を判断しなければならない。しかも世界文学に精通している知識も必要だ。競馬競輪オートに較べればお金の多寡よりも知的好奇心を擽る細やかな楽しみ事なのかもしれない。ノーベル賞の賭けで身を持ち崩す人もいまい。まあ良しとするか。

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頑張れタジキスタン

サッカーW杯アジア3次予選で日本がタジキスタンに8-0で圧勝した。FIFAランクは日本15位、タジキスタン124位と100位以上違う。タジキスタンは中央ゴール付近を固めたが、日本の怒涛の攻めでサンドバック状態だった。ハーフナーの初出場初ゴール、香川、岡崎の華麗なシュート、中村、遠藤のゲームメイク等々がありシュート数は日本39本に対しタジキスタン1本。ザッケローニ監督は就任以来15試合負けなしも凄いが人格も良い。タジキスタンのラフィコフ監督は「ザッケローニ監督は憧れの存在で尊敬している」とのこと。この試合で日本が最高のパフォーマンスを発揮したことは素晴らしかったが、それ以上に感心したのがタジキスタン選手たちの試合態度だ。大抵の場合外国のチームは敗色が明らかになると、ラフプレイにはしるかやる気をなくすかのどちらかだ。ところがタジキスタンは違った。大量失点にもかかわらず試合終了の最後まで真摯にサッカーをやり通した。まるで昔の日本の田舎の一途な若者を見ているような清々しい気持ちにさせられた。たとえ今は小国で弱いサッカーかもしれないが何時かは脚光を浴びる時が来るに違いない。頑張れタジキスタン。

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ルール破り取材

他人のブログの引用(BLOGOS田中龍作氏)だがマスコミの取材方法に一言。陸山会事件の初公判後小沢元代表が開いた記者会見での出来事。テレビ朝日と共同通信の質問が終わりフリー記者の順番になった時、TBS松原キャスター(NEWS23Xのメインキャスター)がフリー記者を装い社名氏名も名乗らず、4億円の融資署名について質問した。松原は社名氏名を名乗るよう促され渋々名乗った。司会者は松原がフリー記者でないことが分かり質問を制止し、フリー記者の質問に移った。この事実を朝日新聞は「テレビ局の記者の質問は答えを得られず」とだけ報道した(以上が引用部分)。松原はNEWS23Xで偉そうにしゃべるが姑息やヤツだ。ニュース番組のメインキャスターとしての品格がない。基本ルールも守れないようでは社会人としても失格だ。TBSはニュースに信憑性を持たせるためには人事の刷新をする必要がある。一方マスコミはもっと悪質だ。この報道内容では小沢側が答えに口を噤んだようにとれる。小沢を貶めるべく恣意的な表現にしてあり公平性に欠ける。「ペンは剣よりも強し」とはいうが、マスコミのペンは暴力そのものだ。マスコミは誰が敵であろうとも真実を報道する責務がある。

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ぶら下がり取材

野田首相が「ぶら下がり取材」に応じないため、新聞テレビが連日のように猛批判を繰り広げている。「ぶら下がり取材」が始まったのは小泉元首相からだ。小泉のワンフレーズはマスコミの視聴率を上げ、かつ小泉人気も上げる効果があった。「ぶら下がり取材」は小泉とマスコミのWinWin関係を作ったが、その後の首相たちには「総理降ろし」の場に変わってしまった。野田が「ぶら下がり取材」を止めたのは賢明だ。ワンフレーズでは真意は伝わらない。定例会見で丁寧に説明する方が国民に対し真摯な態度であり首相としての本道だろう。それにしてもマスコミは情けない。本来記事は自分の足で集めるもののはずだ。何の努力もせずに首相にしゃべらせ、文章にするだけ。こんなことは小学生でも出来る。しかも書く記事といえば揚げ足取りの内容ばかり。事実を正確に伝えようというマスコミ本来の使命感が全くない。「ぶら下がり取材」をする記者自身が「ぶら下がり」をさせてくれないからといって騒ぐのは、記者としてのプライドを完全消失した状態といえる。情けない限りだ。

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恒例テニス大会

昨日は毎年恒例のテニスクラブの大会があった。最近若いと言っても40代以上だが、若くてテニスの上手い人が多数クラブに入ってきたので全体のレベルが上がり、いかにもテニスらしい試合内容になってきた。試合はダブルス、6ゲーム先取、ペア組み合わせはその都度くじ引きで決めるので当然当たり外れはある。自分の戦績は、6-2、6-5、4-6、2-6で実力通りの内容だった。試合終了後はクラブの2階で打ち上げ。女性陣が手料理を持ち寄り、男性陣はアルコールを持参。ビール有り、日本酒有り、赤白ワイン有り、焼酎有りの豪華さ。試合も盛り上がったが、打ち上げはもっと盛り上がった。テニス好きな者同志がテニスを通してコミュニティーを形成すると、飲み会は全員がまるで子供に戻ったような気持ちになる。こういう飲み会は運動以上に老化防止の効果がありそうだ。次回の参加を目指しテニスとアルコールの練習持続が必要だと実感した一日であった。

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秘密保全法案

政府が尖閣諸島の中国船衝突事件映像流出などの情報漏洩を受け秘密を厳罰化で防止するため法案化作業に着手した。現行の国家公務員法の守秘義務違反の罰則は1年以下の懲役刑だが、10年以下に強化し秘密対象は各省庁の判断に委ねるとのこと。何か変だ、そもそも国家に秘密保全法自体がなかったことと、秘密対象を決めずに厳罰化法案を作成するそのステップ。以前米国軍事秘密が自衛隊員を通して第三国に漏れたこともあり秘密保全法は必要だ。しかし国家の情報は原則的に公開されるべきものだ。ただし例外的に外交や安全については公開してはならないものがある。これはどうしても秘密にしなければ、というものに限り期間を設け秘密にするべきだ。従って、この法案化作業は根本的に誤り。まず秘密にすべき対象と重要レベルを検討することが先決だ。その重要度により罰則レベルが決まってくる。秘密保全の一方公開保全の罰則法も必要だ。本来中国船衝突事件は単なる事実であり、国家秘密ではなかったのに仙石が勝手に後付で国家秘密にしてしまった。このように秘密ではないものを秘密にする行為を罰する法律も同時に必要だ。両法案が成立して初めて開かれた民主国家と言われるのではないだろうか。

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石川遼選手

最近の石川遼選手はあまりぱっとしない。プロはスウィングを滅多にいじらないというが、遼君はよくいじる。若いし才能も有るのでどんどん吸収し成長してきたが、最近3試合はベスト10なしと低迷している。その原因を考えてみた。遼君は帽子と髪型をよく変える。見る度に変わっていて、かつセンスが良いとは言えないものが多い。良くないから又変えるという悪循環かもしれない。スタイリストに問題はないのだろうか。心さえしっかりしていれば不動とは言うものの、人の心は見かけに左右されるものだ。このへんが、最近ぱっとしない原因の一つかもしれない。ところが昨日始まったキヤノンオープン初日は7アンダーで2位と好発進した。コーチを父親から小学生時代のプロコーチに臨時に替えたらしい。遼君のいい部分も悪い部分もよく知っている人で父親以外で最も信頼の置けるコーチだそうだ。アドバイスのお蔭でクラブが気持ちよく振れるようになったとか。久し振りに遼君の快進撃が見られそうだ。大震災義援金の額が更に大幅に増えることを願いたい。

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湯通しユッケ

ユッケはあまり好きではないので食べないが、最近焼肉屋からユッケが消えたことに違和感を覚える。「焼肉家えびすの食中毒事件」をきっかけに施行された生食用牛肉加工の新基準について波紋が広がっている。基準通り湯煎すると生肉ではなくなってしまうとか、基準を満たす生肉を調達出来るかとか、設備の問題とか、基準が厳しすぎて現実的ではなくこれではユッケは出せない状況らしい。基準改正理由が、今まで余りにもユッケ食中毒が発生し過ぎたためというのであれば、今回の新基準も致し方ないと思うが現実はそうではない。ユッケ食中毒が頻発していたわけではなく「焼肉家えびす」の杜撰な管理が特異的だったのだ。厚労省の的外れな過剰反応が、無駄なコストアップを強制し、かつ食文化を破壊している。厚労省のやることは非常識なことが多い。メタボ診断基準もその一つだ。現在日本のメタボの必須条件は腹囲(男85cm以上、女90cm以上)。当初から科学的根拠が疑問視され現在では根拠なしとされている。新潟大学医学部岡田正彦教授の「がん検診の大罪:新潮選書」も指摘している。メタボ診断基準は科学的根拠がないばかりか、いたずらに病気を作り出し医療費を増大させている悪効果しかない。早急にメタボ診断基準を改正すべきだ。就任早々たばこ税所管の取り込みを狙った小宮山厚労相が常識ある厚労省に変革できるのかは極めて疑問、と言うよりは、ユッケ新基準で底が見えてしまったようだ。

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みんなの党の復興財源案

みんなの党が先週「増税なき復興財源案」を発表した。増税なしに改革および見直しで10年間で80兆円捻出可能とのこと。まず復興に必要な額の復興債を発行して、この80兆円財源を順次現実化し償還するというもの。80兆円の内訳は、議員歳費と国家公務員人件費で10兆円、公務員宿舎と政府保有株の売却で15兆円、埋蔵金関係で16兆円、民主バラマキ予算ストップで35兆円、脱原発で2兆円。なかなか素晴らしいアイデアではあるがマスコミも取り上げない。単に絵に描いた餅なのか、またはそう見えるからだ。机上の計算だけでメリット/デメリットを総合的に深く真面目に検討しないため説得力がない。デメリットに言及しないのが政治家発言の特徴だ。だから誰にも信用されないことになる。がれき処理問題も同様だ。細野大臣が環境省として責任をとるから宜しくと頼んでも、一向にがれき処理引取り県は現れない。放射能に対する安全性確保の実際と責任の取り方を具体的に説明出来ないからだ。細野がやるべきことは、お願いするだけでなく県担当者に地元を説得出来る術を与えることだ。アドバルンをあげたら終わり、お願いしたら終わりでは何時まで経っても仕事は始まらない。

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課税対象いろいろ

復興財源として臨時増税議論が所得税、住民税、法人税、たばこ税と花盛りだ。更にこの後社会保障用の消費税も待っている。税といえば二酸化炭素排出量を抑えることを目的とした炭素税を筆頭に新顔が続々登場し始めた。ハンガリーは塩分や糖分が特に高い食品に対する課税策を導入した。デンマークは国民の平均寿命を延ばすため、バターなどの動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸を一定以上含む食品に世界で初めて課税を開始した。この論理を進めると、そのうち肥満税なるものの導入も間近かもしれない。

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事故調査委員会

福島原発事故の原因究明に当たる「事故調査委員会」の設置法が成立した。調査委は次期臨時国会で国会内に設置される。国政調査権に基づく強い権限を持っているのが特徴で、菅前首相や東京電力幹部らを参考人招致することや資料の提出を要求することも出来る。審議は原則公開され、6カ月後をめどに報告書を衆参両院議長に提出することになっている。野党の要求を丸呑みした結果設置される調査委には、政府から独立した立場で事故の核心に迫ることが期待出来る。一方このブログ(7月14日)にも書いたが、政府には失敗学の提唱者畑村洋太郎教授を委員長とする「事故調査・検証委員会」が設置されている。この委員会には参考人招致や資料提出の請求権もなく、そもそも責任追及は目的としないと明言している。まさに政府お抱えの御用学者によるお手盛り委員会の様相だ。結果は待つまでもなく隔靴掻痒の結論になるだろう。菅政権下にできた本部や委員会等は役に立たないものが多かった。何れにしても早急な原発事故原因究明が必要だ。「事故調査・検証委員会」ではなく「事故調査委員会」に期待したい。

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イグノーベル賞

またまた日本人がイグノーベル賞(Ig Nobel Prize)を受賞した。受賞条件は「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」であることで、サイエンス・ユーモア雑誌「風変わりな研究の年報」が企画運営している。イグノーベルの名は「ノーベル賞」に反語的な意味合いの接頭辞を加えたもじりであると共に「卑劣な、恥ずべき、不名誉な」を意味する「ignoble」と掛けているらしい。同賞の性質上、名誉と考える受賞者もいれば不名誉と考える者もいる。脚光の当たりにくい分野の地道な研究に人びとの注目を集めさせ、科学の面白さを再認識させてくれるという点では注目すべき賞だと思う。今までに日本人の受賞は、足の臭い、たまごっち、カラオケ、真正粘菌等々15件もあり、日本はこの賞の常連だ。今回は「わさびのにおい」を使って睡眠中の聴覚障害者らの覚醒に成功した滋賀医科大学の今井眞准教授ら研究者7人が「化学賞」を受賞した。この研究により火災時に睡眠中の聴覚障害者や耳の遠い高齢者らが逃げ遅れないよう警報音の代わりに「わさびのにおい」を使って知らせる火災報知器の開発に道を開いた。何とも心温まる賞だと思う。来年も日本人が受賞することを期待したい。

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検察の理念

落語のような笑い話がある。最近の数々の不祥事を受け最高検察庁は検察職員が従うべき基本規程「検察の理念」を作成したと発表した。検察官にはこれまで国家公務員服務規程しかなかったので、検事としての使命役割を明確にしたとのこと。内容が振るっている。無実の者を罰しないかつ真犯人を逃さないよう取り組む、被疑者の主張をよく聴く、取り調べは真実の供述が得られるよう努める、とある。これの第一の問題点は、今更子供でも分かるこのようなことを作成しなければならないことだ。勘ぐってみれば今まではこれと反対のことをやっていたと自白したともとれる。第二の問題点は、これは検察の理念ではない。これは単なる行動指針であり、検察の理念とは「法律の番人として正義を行う」ことだ。その理念を達成するために行動指針が存在するのだ。以前元大阪特捜検事のヤメ検弁護士田中森一の「反転闇社会の守護神と呼ばれて:幻冬舎」を読んだ。検事は感で犯人と推定しあることないことで被疑者を追い詰めること、検事がやくざや政治家とずぶずぶの関係にあること等々が書かれており、本物の特捜検事はまるでテレビに出てくる乱暴な取り調べをする刑事と同じだなとびっくりしたものだ。村木局長事件がダブって見える。奇しくも今日は暴力団排除条例施行日だ。今日を境に多くの検事や警察官が条例違反で逮捕されればまさに落語の落とし噺だ。お後が宜しいようで。

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