2009年オバマ米大統領初来日の際、藪中元外務事務次官が米側に対し被爆地広島を訪問することは時期尚早と伝えた事実を内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した。驚くべき内容だ。第二次世界大戦ではアメリカが勝ったため多くの日本人が戦犯として裁かれた。しかし一方アメリカは、東京大空襲、広島長崎への原爆投下により戦争に直接関係しない一般市民を大量虐殺した事実をどう考えているのだろうか。これらの行為は現行の国際基準で見れば、人類に対する犯罪者としてハーグの国際刑事裁判所で裁かれるべきものである。そのアメリカ大統領の広島訪問機運が高まっていたのに、日本の外務省が潰してしまったことになる。外務省は国民に対し明確な説明が必要だ。情報公開により一般国民が知らない国策の透明性を高める事が出来るので、国民総意の国策に改善されていく利点がある。ウィキリークスの情報公開は両刃の刃で、長所も短所もある。日本政府はウィキリークスに公開されてから慌てるのではなく、一定のルールを決めて順次情報公開していくようにすれば、政治への信頼を取り戻す一つの方法になると思うのだが。
高校無利子奨学金の回収率が低下し、このままでは31年度には790億円の資金不足に陥るとのこと。この奨学金事業は文科省が実施していたが6年前から順次都道府県に移管されてきた。趣旨は、保護者の失職、倒産や災害等により家計が急変し、緊急に奨学金貸与の必要が生じた学生・生徒に対応するため。申込み時に機関保証に加入するか連帯保証人と保証人が必要。卒業後返還された奨学金が後輩の奨学金として再び活用されるシステムなので返還することが極めて重要だ。文科省は10年度までに各都道府県に計約1411億円を交付してきた。この問題を調査し指摘した検査院は、奨学金の徴収を債権回収会社に委託するなど適切な措置を都道府県にとらせるよう文科省に改善を求めたとのこと。福岡、神奈川、京都など11府県で資金不足に陥る恐れがあるが、回収率の低下は決して大震災によるものではない。原因は借りる側と回収する側の無責任さによるものだ。これから高校に入学する苦学生のためにも、遅延賠償金を含めて厳しく回収する必要があると思う。
唱歌「どんぐりころころ」の作曲は梁田貞だが、作詞の一二番は青木存義、三番は岩河三郎、そして四番は何と桂三枝さんだと本人自身が日経のコラムで語っていた。三枝は見かけは頼りなさそうだが芸道一筋の人物らしいことをNHKのトーク番組で知った。野田首相の「どじょう」に肖り、「どんぐりころころ」の替歌を発表した馬鹿な領袖がいた。伊吹元幹事長だ。三番は「どんぐりころころ泣いてたら国民しっかりとんできて嘘の契約見破って解散・選挙につれてった」とのこと。政治家だって認知症にはなる。認知症は、自分がボケていることが分かるので、つじつま合わせに嘘をつくのが特徴だ。政治が混乱している時に呑気に替歌作りに励む事が出来るのも認知症に違いない。一方認知症に程遠い人物もいる。小泉純一郎元首相だ。小泉は自民元本流でありながら減原発を提唱している。まだ現役に違いない。それにしても、この一大事に日本原発導入の張本人である中曽根元首相の声が聞こえてこないことには違和感を覚える。中曽根元首相が福島原発事故を踏まえ今後の原発行政に対し何を言うのか、この一言が元首相の有終の美を飾るかそれとも晩節を汚すことになるのか、まさに分水嶺にあると言えると思う。中曽根元首相発言すべし。
野田首相が側近議員らに対し(1)余計なことは言わない、やらない(2)派手なことをしない(3)突出しない、という「野田3原則」を指示していたとのこと。ドタバタしている今の政治を落ち着かせるには良い方法だ。しかし政治を進めるには(1)言うべきことは言う(2)悪習を踏襲しない(3)職責と個人見解をはっきり区別する、と指示すべきだと思う。(1)の例は、尖閣諸島の排他的経済水域を中国船が事前通告なしに航行していることに対する抗議。玄葉外相は訪米時に一度言ったからもう言わない、という理由はない。何度でもその都度言うべきことは言うことが必要で、それが国益国防につながることになる。(2)の例は、沖縄の基地と金の問題。長年の自民の残した悪習で、沖縄首長は基地問題をネタに補助金をせしめることにどっぷり浸かっている。しかも本音と建前を使い分けるのが得意だ。先日も新たな沖縄振興策の柱となる一括交付金創設について、仲井真知事は「振興策と普天間問題は別」と言っている。政府は悪習を断ち切るため建前部分は全てカットしてしまい「普天間移設と一括交付金はセット」と迫るべきだ。(3)の例は多すぎる。平岡法相の自衛隊移転問題や死刑執行発言。小宮山厚労相のたばこ税発言。一川防衛相の素人発言。野田は自覚のない閣僚全員に対し、職責と個人見解をはっきり区別するよう指示すべきだ。
欧州原子核研究機構は素粒子ニュートリノを光速より速く移動させる実験に成功したと発表した。事実であればアインシュタインの特殊相対性理論を覆す大発見だ。国際研究実験OPERAチームが人工ニュートリノをスイスのジュネーブにある欧州合同原子核研究所から730km離れたイタリアのグランサッソ国立研究所に飛ばしたところ、光速より60ナノ秒速いことが計測されたとのこと。1万5000回も同じ実験を繰り返し同じ結果が得られたという。チームも「説明がつかない」と首をかしげており、実験データを公表して世界中の研究者に意見と検証を求めたいとしているらしい。質量のある物体の速度が光の速度に近づくと、その物体の時間の進み方は遅くなり、光速に達すると時間は止まってしまう。光速よりも速いニュートリノは時間をさかのぼっているのかもしれない。ということは過去へタイムスリップすることも可能になるかもしれない。時間という概念も変わるかもしれない。何ともロマンチックな研究成果だ。
ロシアのプーチン首相が大統領に返り咲くことになりそうだ。ロシア大統領の3選は憲法で禁止されているので、プーチンは1回休んで2012年に再び大統領に出馬する噂が当時からあった。メドベージェフ大統領は再選を目指していたが戦略の失敗で出馬は叶わなくなった。メドベージェフは、北朝鮮との外交改善により国際社会での地位向上を目指す戦略をとり、ロシアのナショナリズムをあおるため北方四島を視察するなど、どちらかというとアンチ日本派であった。一方プーチンは中国と対抗するため日本との関係を重視している。日本にとっては追い風だ。1956年日ソ共同宣言を一歩進め平和条約締結に至るかもしれない。歯舞、色丹の返還が現実味をおびてきそうだ。ただしプーチンはタフネゴシエーターなので高い代償は覚悟せざるを得ないだろう。
野田首相が訪米しオバマ大統領と会談した。表では普天間基地移転問題について「結果を出す時期が近づいている」ときつい言葉を言われたが、裏では「I can do business with him」と漏らしたらしい。民主党第1代目首相の鳩山は日中米正三角形論で日米同盟を壊し、挙句の果てに「私を信じて」と言いながら普天間問題を白紙以下に後退させた張本人だ。2代目菅は元々北朝鮮と通じている左翼そのもので仕事も出来ない信頼のおけない人間だ。この鳩山、菅と続く民主政権にアメリカが期待するはずがない。オバマはきっと野田の極ノーマルな人柄考え方に驚きを覚えたに違いない。今回の顔合わせは最高の成果が得られたとみるべきだろう。野田は今からすぐに普天間問題を解決しなければならない。普天間問題のキーは沖縄県民の総意を得ることに尽きる。特に普天間基地周辺の住民の声を纏めることだ。従来のように沖縄首長を説得するような方法は事態を悪化させるだけ。決して金で問題を解決しようとしてはならない。金を出せば増々旨みを感じる首長の罠に嵌まることになる。何もしなければ普天間は固定化される。現状では県外移転はありえない。普天間基地周辺住民にとって辺野古移転がベストの選択だと沖縄県民を説得することが残された細い解決の道に違いない。
北方領土問題は1956年日ソ共同宣言で、平和条約を締結すればソ連が日本にまず歯舞群島と色丹島を引き渡すことで決着していた。しかし前原元外相の口が災いし白紙撤回となり、菅前首相がメドベージェフ大統領の北方領土視察を非難したため白紙よりマイナスの状況になっている。野田新政権はまず平和条約締結交渉から取り組むべきだと思う。平和条約がないということは、未だに戦争中ということだ。誰だってけんか相手に分捕ったものを返すはずがない。まずは仲直りをし2島返還してもらい、その後は残りの2島を返してもらえるような仲の良さを実現し全面返還に結び付けるのが大人の付き合いというものだ。領土問題といえば、昨日程駐日中国大使が講演の中で、尖閣諸島付近で中国軍が海洋活動を活発化させている動きについて「釣魚島は中国の領土なので中国の関係機関がいろいろと活動している」と述べ正当性を主張したとのこと。首相、外相不在時をいいことに中国の言葉の実績作りだろう。玄葉外相は即刻駐日大使を呼びつけ、尖閣諸島は日本の領土であると反論しなければならない。黙っていると仙石の失敗を繰り返すことになり、そのうち尖閣諸島は中国領土が前提で交渉する羽目になりかねない。尖閣諸島の次に、沖縄は昔中国の領土だったと言ってくるのは目に見えている。民主は内向きから外向きに視点を拡げる必要がある。
以前このブログ(3月9日)で国務省メア元日本部長の「沖縄はゆすりの名人」発言に対し、メア元日本部長が「沖縄首長」を「沖縄県民」と見誤っただけだろうと指摘した。最近このメア元日本部長の「決断できない日本:ケビン・メア:文春新書」が出版されたので早速読んでみた。その結果メア元日本部長は沖縄首長が問題であり沖縄県民がその犠牲になっていると認識しており見誤りではなく、また「ゆすり」は共同通信社のねつ造記事であることもわかった。メア元日本部長は対日政策30年のキャリアをもつ外交官で、日本を最もよく知るアメリカ人の一人だ。この本は「ゆすり」に限らず、アメリカ側から見た日本政府や沖縄問題を簡潔かつ的確に述べており、アジアの中の日本の地政学的立場を理解するのに適した本だ。沖縄県民や日本の政治家は一度は読んでみても損はない。いや是非読むべき本だと思う。
豊田中央研究所が世界で初めて特殊な光や薬品を加えずに、水と二酸化炭素と太陽光のみを用いた人工光合成の技術開発に成功したと発表した。リン化インジウムにルテニウムを塗布したCO2還元光触媒を開発し、これに酸化チタン光触媒を組み合わせることで、酸素とギ酸ができる仕組みを確立したとのこと。太陽光のエネルギー変換効率は0.04%と低く、植物の5分の1程度だが、今後引き上げてより有用な有機物の合成を目指すという。基本方式が見つかれば後は早い。世界中の研究者が高効率化を検討し実用化はそれほど遠い将来ではないだろう。人工光合成はCO2吸収だけでなく、バイオ燃料の生成も可能とみられ環境問題の解決策として注目されている。地球の明日は明るそうだ。科学者の大きな夢の技術がまた一歩実現に向かっている。またまた日本の科学者畏るべし。
イチロー選手の4大タイトルであるオールスター選出、打率3割、200安打、ゴールドグラブ賞の11年連続記録が風前の灯だ。自分もオールスターに投票したが選出は叶わなかった。今日現在の成績は打率0.273、200安打達成には残り9試合で25本で相当厳しい状況だ。ゴールドグラブ賞もほぼ絶望的で全てを失いそうだ。20年近く常に進化を続けてきたイチロー選手が打撃に苦しむ理由を考えてみた。原因はイチロー選手が衰えたためではない。イチロー選手の進化スピード以上に大リーグの投手が進化したためだ。数年前まではカット・ファスト・ボールを投げるのはヤンキースのリベラ投手しかいなかった。今では多くの投手が投げられるようになってしまった。2011年の大リーグは投高打低でピッチャーの年だった。イチロー選手には何とか200安打は達成してほしい。1試合2.8安打が必要だがイチロー選手の気力集中力底力であれば達成は決して不可能ではない。頑張れイチロー。
「何故2位じゃだめなのか」と事業仕分けで一時計画廃止の危機に瀕した「京」が1秒間に8,000兆回の演算を実行し世界1位となったのは今年の6月で記憶に新しい。科学者らが猛反発し事実上の凍結判定を覆した功績は極めて大きかった。しかしスパコンの世界ではもっと画期的なことが起きようとしている。国立情報学研究所の山本喜久教授らは、超小型で新しいタイプのスーパーコンピューターを実現する計算原理を考案したとのこと。光を利用して計算する量子コンピューターの一種で、現在のスパコンで年単位の時間がかかる計算をわずか1秒以内で出来るという。詳しい原理は理解できないが、手のひらサイズのスパコンが実現可能というから凄い。この研究は文科省の創造科学技術推進事業の一つ。日本は技術立国なのだから、技術の芽を摘んでしまっては生きる道が閉ざされてしまう。見込みのある技術開発には十分な国費を注ぎ込み開発を加速させるべきだ。日本の科学者により次々と画期的な技術が生まれている。またまた日本の研究者畏るべし。
BSフジの「ガリレオX」は、科学や科学技術に関わる新しい動向や注目の研究を、わかりやすく伝える科学ドキュメンタリー番組だ。今朝は「深刻化する宇宙ゴミ(スペースデブリ)問題:監視の最前線と最新のデブリ除去技術」を放送していた。旧ソ連がスプートニク1号を打ち上げて以来、世界各国で4,000回を超える打ち上げが行われ、その数倍にも及ぶデブリが発生し多くは大気圏へ再突入し燃え尽きたが、現在もなお4,500トンを越えるものが残されている。デブリの主な発生原因は、冷戦時の米ソの人工衛星破壊実験であり、最近は中国の弾道ミサイルによる人工衛星風雲1号の破壊だ。スペースデブリは地上300~450kmの低軌道では秒速8kmの超高速で移動しており、超高速のため1cmのデブリでも衝突すると大砲で撃たれるのに等しいほど破壊的な脅威があるらしい。番組では事業仕分けで話題になったJAXAがデブリ除去技術を開発していることが紹介されていた。大切な研究だ。JAXAに限らず公立の研究機関は研究の意義、効果等をもっとアピールすべきだと思う。それが事業仕分けにも繋がるが、反対にサポーターを得て研究費上積みになるかもしれない。デブリといえば、NASAが人工衛星落下の注意報を出した。20年前に打ち上げられた重さ6トンの大気観測衛星が23日にも大気圏に再突入する。大半は再突入時の摩擦熱で燃え尽きるが、26個の破片(計532kg)が地上に落下し、人に当たる確率は3200分の1と推計しているとのこと。頭上に注意あれ。
シャープのガラパゴスはiPadに対抗できず発売から約10カ月で販売を終了することになった。理由は顧客に多様な楽しみ方を提供する形に進化しきれなかったためだ。シャープのガラパゴス命名理由は知らないが、ダーウィンの「進化論」という言葉に肖ったのか、ガラパゴス状態を目指したのかの何れかだろう。おそらく前者を目指し後者の結果となったのだろう。ガラパゴスと言えば政治の世界でも見る事が出来る。参院本会議で江口議員が野田首相に質問し「松下幸之助が提唱した無税国家論と首相の増税路線に矛盾がある。松下氏なら『野田君、首相を辞めたまえ』と眼光鋭くにらみつけている」と語ったらしい。江口は松下幸之助の秘書をした側近であり、野田の松下政経塾入塾時の面接官だったとか。30年前の赤字国債は高々数10兆円、現在は700兆円。もし幸之助が今生きていたら、果たして無税国家論など言うだろうか。寧ろ赤字国債削減に奔走しているのではないだろうか。時代が代われば状況も変わり考え方も対策も変わる。江口は30年も前のまま生きている人間のようだ。普遍的な真理ではない無税国家論を頑なに持ち出す江口はガラパゴスのイグアナそのものだと思う。
関東に住んでいるせいか、大阪の事情がさっぱり分からない。11月には大阪府知事と大阪市長のダブル選挙が取りざたされているとのこと。橋下陣営が仕掛けたらしい。橋下知事の大阪維新の会は、府と市を再編する大阪都構想の実現を明記し、これまで府と市が別々に運営してきた大学や病院を一元管理するマニフェストを発表した。市長選は橋下(前)知事対平松現市長の対決になりそうだ。橋下知事は昔から話題性があり問題発言も多いハジケタ人間だ。良いのか悪いのか分からないと言うよりは、典型的な問題提起力のある人物と捉えるべきなのだろう。特に今回の大阪都構想は的を射ていると思う。全国の知事は、知事になったと同時に県庁所在地の市の存在の不合理さを実感しているはずだ。これまで行われてきた市町村合併の趣旨は似ているが、そのしわ寄せは住民にかかってきた。しかし府と市の統合は、無駄を省き合理的な運営を可能とする切り札のようにみえる。まずは大阪都が実現し、各県で県と市が統合する意識が高まれば道州制を目指す機運が高まり、より住みよい日本へ一歩前進するかもしれない。
復興のシンボル「ヒマワリ」もセシウム除去には効果がなかったらしい。農水省が土壌汚染の除去実験結果を発表した。表土を削り取る方法が最も効果があり、ヒマワリに吸収させる方法は殆んど効果がなかったとのこと。今後大量に発生する汚染表土を如何に処分するかが喫緊の課題だ。一方森林汚染問題はもっと深刻だ。住民が避難した警戒区域と計画的避難区域の大半は森林で、専門家の間では森林の除染は事実上不可能との見方もある。しかし放置すれば流れ出る水を通じ汚染源になり続け、住民帰還の見通しが立たなくなる恐れがある。常緑樹林と落葉樹林では汚染状態が異なるらしい。放射性物質は木の葉に付着しやすく、葉が落ちてできる腐葉土に蓄積される傾向がある。しかし腐葉土を除去すると、保水などの森林の多面的な機能が失われる恐れがある。森林除染には膨大な人手と費用がかかるだろうが、絶対解決しなければならない問題だ。解決の出来ない問題はない。出来ることから実行しなければならない。
軽井沢は快適だった。地元の人はこの時期で25度以上あるので暑いと言っていたが、高温多湿の東京から軽井沢に行くと湿度が低く快適だった。陽当たりは相当暑さを感じたが、木陰は爽快で木漏れ陽の中を1時間ほど散歩した。帰りの車内でカミサンと来年の夏は1か月ほど高原で暮らしたいなと夢物語。海野宿は雑誌紹介の通りにまるでタイムスリップしたかのような街並みであった。約600mの旧宿場町が保存されているが、外観の価値に見合う人出はなかった。東御市は保存を大切にしながら、もっと人を呼ぶ工夫が必要だと思った。折角の価値ある街並みが宝の持ち腐れだ。東御市検討すべし。玉村さんのワイナリーカフェは極めて上質。ランチ良し、白ワイン良し、景色良し、満点であった。満足して帰路についた。
今日はいまから軽井沢一泊旅行に行ってくる。我家では、それほど遠方ではない旅行は数日前の現地の天気予報で決めることにしている。先週末の予報では今週は天気が良いとのことで急遽決まった。今回は、いま人気上昇中のハルニレテラスと周辺の散策、昔の風景をそのまま残している北国街道の海野宿の散策、トスカーナの風景に似ているという所にある玉村さんのヴィラデストカフェでランチを計画した。車は使わず足を鍛えることにした。
鉢呂経産相が就任9日目で辞任した。辞任の理由は「福島原発周辺の市街地は死の街だった」発言とのこと。本当だろうか。福島原発周辺の市街地は死の街であることは事実だ。被災者の心を逆なでしないという日本人の良識には反する言葉だから、非常識だと咎められてもしょうがない。だからといって大臣を辞めるに値するような失言ではない。鉢呂は「死の街だった」で切らずに「死のような街を再生させたい」と言えば問題はなかったはずだ。単に言葉足らずでマスコミが過剰に反応したに過ぎない。では何故マスコミは過剰に反応したのだろうか。鉢呂は就任直後に「原発ゼロと反TPP」を打ち出した。一方日本の原子力業界は、中曽根康弘の1954年原子力研究開発予算国会提出、読売新聞社社主正力松太郎の初代原子力委員会委員長就任に始まり、それ以来政財癒着の温床になっている。自民党の政治資金団体「国民政治協会」本部の2009年分政治資金収支報告書で、個人献金額の73%が東京電力など電力9社の当時の役員らによることが共同通信の調べで分かっている。正力からナベツネに至り読売新聞社の原発推進は脈々と流れている。鉢呂の辞任は原子力推進派読売の「言葉狩り」が原因だ。責められるべきは、自民と電力業界と読売の癒着関係だ。自民は原発推進を前面に出し正々堂々と政策論争をすべきだ。結果は国民が総選挙で判断することになる。
今朝の日経は半年を経過した大震災の特集記事となっていたが、その中に御厨復興構想会議議長代理のインタビュー記事が載っていた。御厨曰く「菅は復興構想会議に任せたら何もせず2ヶ月半を無駄に過ごした。会議は菅の指示が一切ないまま始まり手探り状態で始まった。会議のメンバーに実務に詳しい人を入れればもっと早く出来た。提言後の政府対応にスピード感がなくその後の報告もないので委員はいらだちが募っている。民主は議論をオープンにしない」。こんなことは復興構想会議が出来た時にこのブログ(4月16、24日)でも指摘済みで、御厨以外の日本人は全てお見通しだ。議長及び議長代理は、まず会議の大枠を設定する必要がある。そのためには菅をせっついて大枠を出させるべきであった。大枠が決まれば議長らがメンバーを選定すべきだった。学者や有識者だけでは結果は見えていた。結果としての構想提案が、あれほどの抒情的散文詩であり具体的提案がない空っぽの内容だったので政府も対応に苦慮しただろうことは察しがつく。会議をオープン化するのは議長らに権限があったはずだ。議論をクローズド化したのは議長ら自身の自信のなさによるものだろう。構想会議の存在そのものが復旧・復興のブレーキになることは予想出来たし実際にそうなった。メンバーも国民もいらだつことも予想と現実が一致してしまった。結局御厨らは全て与えられたメンバー、条件下で、復興構想を妄想したに過ぎない。よりよい復興構想を導き出すための努力は何一つしなかった。御厨は東大教授だ。こんな小学生レベルの社会性しか持たない人間が大学教授では、日本の大学生が成長しないのも肯ける。
野田政権が始動したばかりだから、文句は言いたくないが問題が多い。根本は単に民主の人材不足なるが故と思うのだが。旧民社の鉢呂経産相が福島原発視察で「まさに死の街だ」「放射能をつけたぞ」と連発。山岡大臣はマルチ商法業界から資金提供を受けていたことがバレた。元々この人はマルチの友で有名で小沢元代表とは新生党結成以来の間柄で現在小沢の唯一の腹心だ。小宮山洋子は厚労相就任に浮き浮きし持論のたばこ税に口がスベッた。一川防衛相は「安全保障に関しては素人だが、これが本当のシビリアンコントロールだ」とスベッた。閣外ではあるが鳩山派の平野国対委員長は「内閣が不完全な状態では十分な答弁はできない」とスベッた。野田内閣はスベッた内閣に見えるが、浮上する手はある。融和、融和で小沢派から珍重した山岡と一川を罷免し、小沢に対し代わりのモノを頼むとよい。小沢派には人材がいない。小沢は手持ちの駒を放り込む以外に手段はない。結果は明らか。小沢派消滅となる。「引導を渡す」とはこういうことなのだと思う。頑張れ野田総理。
党内融和を重視した野田政権が発足したが、自民は党内融和でも民主に後れをとっている。小坂参院幹事長人事についての中曽根参院会長と大派閥との鬩ぎ合い、前原政調会長に親しい石破政調会長が取り込まれる懸念で交代をおす声、野田首相、樽床幹事長代行と同じ松下政経塾出身の逢沢国対委員長、民主前執行部とパイプのある大島副総裁と石原幹事長の交代論等々、現執行部と旧領袖とのバトル自体が自民の主活動となっている。民主は野田政権誕生で旧日本新党と松下政経塾出身者による世代交代を達成目前だが、自民も旧勢力を打ち破らないと民主の敵にはなりえない。最近野党党首の存在感が極めて薄い。特に自民党総裁はいないに等しい存在だ。それにしても自民の存亡がかかっているこの時期に谷垣総裁は何を考えているのだろうか。「ゆっくり考えたい」との発言には力が抜けてしまう。いま自民が為すべきことは内部批判や敵失待ちではなく、与党に対抗可能な政策ビジョンの明確化と論理的で具体的な政策立案作業だ。民主の揚げ足取り戦術では自民に明日はない。
自分が子供の頃は少年野球が全盛期であったが、自分の子供たちが子供の頃は少年サッカーが流行りだした時期だった。子供たち三兄弟は小一から高三までサッカーをやっていた。次男はなんと大学を卒業するまでやっていた。まさにサッカーで育ちお蔭でタフな体力が身につき今は社会人として仕事に励んでいる。少年サッカーといえば今超話題の少年がいる。日本人少年として初めてFCバルセロナの下部組織カンテラへの加入を果たした10歳の久保建英君だ。バルセロナには「13歳以下の選手は、カタルーニャ州出身でなければ契約しない」という決まりがあるが、特例として認められたことでその凄さがわかる。久保君は勿論ドリブルやボールコントロール、左足の正確なシュートも極めて高いレベルに達しているが、彼の非凡さは常に周りの状況を確認し、プレーの中でベストの選択ができる“インテリジェンス”の部分にあるという。近年日本サッカーは若手の台頭で一段と強くなったが、今後さらに楽しみが増えそうだ。久保君頑張れ。
災害時に「頼りになるのはIT」の時代になった。大震災でTwitterやクラウドコンピューティングによるWebサイトが活躍したのは記憶に新しい。平成最悪の台風12号災害においてもITが有効な仕事をしている。今回はグーグルマップ「台風12号災害情報」だ。台風12号によって特に大きな被害が発生した紀伊半島について、道路の通行可否などの状況を判断するための参考情報として使える、通行実績データを記載したマップ「台風12号災害情報」の提供を始めた。パソコンやスマートフォン、携帯電話からアクセスできる。紀伊半島の道路を、前日通行実績があったかどうかを表示している。実績ありは青、実績なしは灰、渋滞は赤という具合に。地図上の通行実績はホンダのインターナビ・プレミアムクラブとパイオニアのスマートループ渋滞情報を利用しているとのこと。実際にこのサイトを見たが、現地関係の人には大変役に立つと思う。「今、生」の情報だ。ナビがこのように進化するとは想像していなかった。IT恐るべし。現在自分はホンダのインサイトでインターナビ・プレミアムクラブを利用しているが、このように世の中の役に立つとは、ちょっぴり嬉しい。
最近テニスボールがやや見難くなりゲームで負けることが多くなった。画像が少し歪むので加齢黄斑変性かなと思い眼科に行ったところ、歪みの原因は網膜上皮で更に緑内障と白内障にもなっているとのこと。薬では治らないし、このまま放置しておくと失明の恐れもあるということで手術することにした。お蔭で楽しみにしていた北海道紅葉見学旅行に行けなくなり、飛行機、宿、車をキャンセルした。昔の研究開発仲間の集まりが静岡であるが、それにも参加できなくなった。いつまでも若いつもりでいたが今年で65歳、もう老人の仲間入りだよという警鐘のベルが鳴り始めたらしい。いよいよ労わらなければならない身体との付き合いが始まった。「六十而耳順、七十而従心所欲不踰矩」を肝に銘ずることにした。
「下手な考え休むに似たり」という格言を地で行く政治家がいる。民主の岡田と枝野だ。岡田も枝野も菅の思いつきに振り回され疲労困憊なことは誰でも承知している。だからと言って「少し休みたい」とか「5年先10年先を考えたい」という言い訳で戦線を離れるのは如何なものか。国のため、国民のため死力を振り絞って頑張るのが真の政治家の本望のはずだ。岡田と枝野は政治家としての本質的な部分が欠けている。そもそも「自分が今何をなすべきか」を考えるには、当面の職務を一生懸命熟している時こそ発想が出てくるものだ。暇を持て余し、さて何をするべきかと考えてもろくな考えは浮かばない。人間とはそういうものだ。従って岡田と枝野には「怠け者」という烙印が捺され、菅レベル以下の人間だということが証明されることになる。一方「下手な考え方」も出来ない政治家がいた。海江田だ。代表戦敗北後「小沢の傀儡になりたかった。田中角栄の傀儡政権だった中曽根康弘は立派な仕事をしたので海江田も同じだ」とぬかした。TPP推進派であった海江田が小沢詣でで慎重派に転じた身軽さで、己と中曽根を比較すること自体が軽すぎる。さすがぺらっぺらの経済評論家だ。下手な考え方も出来なかった海江田を党首に選ばなかった民主党議員たちは結果として賢明であったと思う。結果オーライ。
今朝の日経新聞第一面の増税に関する世論調査結果には驚いた。日経リサーチの調査によると、政府が大震災の復興財源として検討している臨時増税は、賛成63%、反対28%。復興財源とは別に社会保障財源を確保するために消費税率を10年半ばまでに段階的に10%に引き上げる政府案も賛成49%で、反対の42%を上回ったとのこと。復興臨時増税賛成は、困っているときは皆で助け合おうという日本人気質の表れであり、かつ動きの遅い政府に早期復興を促す国民の叱咤激励だろうと理解出来る。本当に驚いたのは社会保障増税賛成が反対を上回ったことだ。約700兆円の財政赤字を更に肥大させれば市場の信認を失い、国債の格下げという最悪の事態が現実になりかねない。自分は最悪の事態が現実にならないよう今から増税と歳費削減を敢行すべきと考えているが、世論は圧倒的に増税反対だと思っていた。世界中に国民自ら増税に賛成する国が何処にあろうか。日本以外には決して存在しない。日本人の良識の高さには感服した。増税では選挙に勝てないとして国の将来よりも我が身の得票を優先する事しか考えない政治家は政界からの退場を願いたい。しかし世論調査が増税賛成多数でも、いざとなれば選挙で勝つことは難しいだろう。極めて痛みを伴う歳出削減と社会保障増税をセットにした実行案こそが関門を通り抜ける切り札になるに違いない。
野田内閣がスタートしたので、先日の8月30日人事構想を考察してみた。全体的には挙党体制で野党対策も考慮した内閣が出来たと思う。幹事長は岡田に断られ最終的には側近の実力未知数の藤村になった。岡田は官房長官については野田との格の逆転、財務相については増税の矢面に立つのはイヤということで辞退。要は次期党首選出馬の芽がなくなるのを恐れたためだ。これでは時期も望めない。格の逆転があっても官房長官になった方が好印象を与え敵の数を減らせたはずだ。財務相は野田に代わり安住になったが失敗人事。増税路線を推し進めるには与謝野が不可欠、代理は見当たらない。元々安住は組織の長には不適。愚痴をこぼしながら走り回る廊下トンビが似合う。早速第3次補正予算ではけちけちせずに予算編成すると公言した。編成方針が「けちけちせずに」では、この先が思いやられる。野田は安住の経験のなさを自分がカバーする積りだろうが、首相業務に時間を取られて出来ないだろう。このままでは財務官僚への歯止めが増々無くなってしまう。経産相は海江田に代わり鉢呂になった。立場が代われば意見も替わると公言した海江田はずしは正解。鉢呂は実力不詳。経産相には鹿野農水相が適任だった。鹿野は昔から農水大臣を経験しており農水省を知り尽くしている。当面の震災対応には適任であるが、農水省改革の面から見ると大きな抵抗勢力となる。むしろ鹿野を経産相にした方が、農水省改革を含めた新たな経済政策が見込めたはずだ。国交相は前田になった。馬淵前国交相は、バリバリ仕事をこなしていたが、本人とは関係ないところで辞任させられた。実務能力のある馬淵を活用すべきだった。外務相は松本から玄葉に代わった。松本は前原からの繰上りで仕事はほとんどしなかった。玄葉は外務の経験がなく不安な面もあるが若さで頑張ってもらうしかないだろう。外務相の適任者は枝野だった。枝野も外務の経験はないが抜群の知名度がある。震災時の連日連夜の官房長官会見は世界各国に報道され一時は日本のジャック・バウアーと言われたほどだ。世界は枝野に好印象と信頼感を持っている。これを利用しない手はない。新人が巧みに演説するよりも、枝野の言葉の方がはるかに説得感を与えるはずだ。行政刷新相は蓮舫になった。事業仕分けだけが行政刷新ではない。蓮舫がもっと大きな視野で行政刷新出来るか極めて疑問。みんなの党渡邉代表に教えを乞うとよいが、気位が高く頭を下げることは出来ないだろう。従って失敗人事。野田首相は言うことが明確で分かり易い。人柄も良さそうに見える。政治の一歩前進を期待したい。
ふらんす亭社長は「不味い」と言われるクレームについては、その客の嗜好の問題と割り切って一切の対応をしない。ただしクレームによってはきちんと商品提供が出来ていたかの確認をするとのこと。飲食店としては至極当然の対処であり、客も二度と行かなければすむ問題でありニュースに取り上げる方がおかしい。フジテレビの韓流押しが騒ぎになっているようだが、これもふらんす亭と同じ構図だろう。一部の視聴者はフジテレビが韓国寄りの報道姿勢に偏向し過ぎていると非難し、フジテレビ側はコストが安く視聴率がそこそこ取れるので韓国ドラマを多くしていると主張。朝から晩まで韓国一色で放送しているわけではないので放送の公共性としては問題はない。韓流が嫌いな人はチャンネルを変えればよいし、視聴率が下がればスポンサーもなくなり放送は出来なくなる。韓流の視聴者は40代、50代の女性がメインだ。この人達の嗜好を傍から無理に変えるわけにはいかない。その嗜好を満たす日本製番組作りをテレビ放送各社が目指せばよいが、最早テレビ局には体力がない。韓流は日本のテレビ衰退期における一時的な現象として捉えるべきものだと思う。
イギリスの週刊誌Economistが、住みやすい都市のランキングを発表した。ランキングは世界140都市を対象に、今年7月時点の政治・社会的安定性、犯罪率、質の高い医療の受けやすさ、文化的イベントと自然環境の多様性と質、教育、それに公共交通機関を含むインフラの質について評価している。ベスト10はメルボルン、ウィーン、バンクーバー、トロント、カルガリー、シドニー、ヘルシンキ、パース、アデレード、オークランド。アジアでは東京18位、香港31位、北京72位。大都市ではロンドン53位、ニューヨーク56位。概ね人口密度の高い大都市は、便利で文化程度も高いが犯罪も多く住みにくいと言っているようだ。もし日本の地方都市を対象にこのような調査をしたらどうなるかを考えてみた。東京は一極集中で暮らすには便利のように見えるが過密すぎるし自然も少ない。住みやすい都市としてはランクが低いだろう。一方地方都市は人口流出とインフラ整備が不十分であまり住みやすいと言える都市は少ない。東京も地方都市も住みにくいと言うと、日本には住みやすい都市がないことになる。これが現実だろう。地方都市を整備し東京一極集中を解消することが住みやすい都市を増やすことになると思う。