31日 8月 2024
政府が地方創生策の1つとして、8月27日に「移住婚」構想を発表した。未婚女性が結婚で東京から地方へ移住すれば、就業・起業しなくても60万円を支給するというもの。未婚女性が地方の婚活イベントに参加する交通費の支援も検討中だった。ところが発表した途端SNSが大炎上。たった3日で撤回する事態に陥った。政府は、こんな事で地方への移住の流れを加速するとでも思っていたのだろうか。岸田首相も自見地方創生相もスジが悪すぎる。何故このように馬鹿げた政策案が出てきたのだろう。自分は知らなかったが、これには前例があったのだ。2019年から東京圏から23区内に通勤する人が地方に移住して起業や就業する際、男女問わず単身者に対して最大60万円を支給していたのだ。この政策も馬鹿げたものだが、それを移住婚に広げた政策は馬鹿を通り越している。地方創生相が、もし本気で地方創生を目指すのであれば、まず地方創生相の属する内閣府を地方に移すことから始めるべきだ。高所から眺めながら、金で解決しようとするのは大臣失格だ。元々自見には地方創生相の役目は重すぎた。人を見る目が無い岸田も当然首相失格と言える。
30日 8月 2024
有っても買えないもの。それはコメだ。農業関係者が米倉庫の写真をSNSにアップして「安心して下さい、お米はたくさん有ります」と言っているが、スーパーの棚にはコメが無いから買うことが出来ない。令和の米騒動は、9月に入っても解消していない。パックご飯まで品切れになり、むしろ状況は悪化している。そればかりではない。値上がりしているのだ。農水省は「全体としてコメは足りています。落ち着いて行動して下さい」と言うだけだ。米騒動は農水省の失政であることは間違いない。でも、坂本農水相は市場への影響が大きいとして、備蓄米の放出に否定的だ。自民党の動きも鈍い。何故なのだろう。坂本農水相は、全く消費者を見ていない。では何処を見ているのだろう。恐らく農業関係者に違いない。足元のコメ不足を解消するために備蓄米を放出すれば価格が下がり、農業関係者や農村部の有権者から不満が出る。総裁選後の11月には衆院解散総選挙となる公算が高い。ここで自民党は農村票を失うわけにはいかない。従って、自民は敢えて都市部のコメ不足を放置する、ということだろう。次期選挙まで、米騒動は自民の選挙戦略であることを忘れてはならない。
29日 8月 2024
脱原発主義の河野デジタル相が原発の再稼働は必要だと言い出した。「データセンターとAIで電力需要が跳ね上がる。再生可能エネルギーを2倍のペースで入れても、原子炉を再稼働しても足らない」と強調している。河野の言い分には3つの間違いがある。今やデータセンターが乱立し始めたが、米主要IT企業GAFAMは脱炭素を進めており、すべてクリーン電力で稼働させることを条件としている。原発などお呼びでないのだ。そもそも核リサイクルシステムは破綻している。原発を進めれば進めるほど核のゴミが溜まり、子孫が困るだけなのだ。河野は核リサイクルシステムの破綻を熟知しているのに再稼働などと主張するから、かなり質が悪い。昔から半導体の集積度が上がる度、電力不足が叫ばれてきた。しかし必ず工夫が生まれて、電力量は想定以下に抑えられてきた。更に、半導体の集積度アップによる省電力効果が見込まれていない。AIが仕事を簡略化し、トータルで電力が減ることになるのは間違いない。総裁になろうとする政治家は、票欲しさに主義・主張を曲げてはならない。底が浅く見えるだけだ。
28日 8月 2024
能登の被災家屋の解体が全く進んでいない。解体申請棟数は3万2千棟だが、未だに解体完了数は3千棟弱なのだ。遅々として解体が進まない背景には解体業者不足がある。馳知事は公費解体と自費解体との両輪で進める方針を発表した。自費解体とは、被災者が自分で解体業者を見つけ、解体費用を立て替え、後日市町から払い戻しを受けるというもの。おかしな方針だと思う。自治体でも解体業者が見つからないというのに、被災者に見つけろという。しかも、一時的に費用を負担しなければならない。自治体の仕事を被災者に押しつけているだけだ。県知事の仕事は、県内の解体業者が不足であれば、他県に応援を依頼し不足を賄うことだ。解体費用が必要ならば、国と折衝しお金を引っ張ってくるべきものだ。能登地震が起きた当時も、馳が現地を視察したのは岸田首相に同行した2週間後だ。本来であれば、馳本人が前もって現地の状況を確認し、岸田が来たときに被害に見合う費用・対策を訴えるべきものだ。馳知事は何もしていない。知事失格の典型例だ。こんな輩を知事に選んでしまった県民にも責任はある。次期知事選では失敗を糧にすべきだと思う。
27日 8月 2024
名古屋市は「下水は宝の山」と考えたとのこと。下水処理の過程で出る汚泥を肥料に生まれ変わらせたのだ。汚泥には、植物の育成に不可欠な「窒素」や、大半を輸入に依存し価格が高騰する「りん」が豊富に含まれている。これまでも肥料成分が含まれていることは知られていた。だが、成分にばらつきが大きく、ニッケルなどの有害物質も含まれることから、活用されることは少なかった。また、他の肥料に混ぜての生産・販売も認められていなかった。ところが、ウクライナ危機や世界的な穀物需要の増加の影響で、りんなど肥料の原料価格が高騰。こうした状況を受け、国は昨年、下水汚泥を積極利用することに方針を転換。作った肥料の品質を定期的な成分分析で保証することを条件に、幅広い流通が認められるようになったのだ。これまで汚泥は焼却灰をセメントの原料にしたり、乾燥させて固形燃料などに再利用されてきた。輸入に頼り高騰する肥料に転換出来れば、まさに「下水は宝の山」だ。江戸時代の肥料リサイクルシステムの再来とも言える。
26日 8月 2024
今から20年近く前、テニス仲間の歯科医師が「子どもを継がせることはない」と嘆いていたことを思い出す。当時自分は「歯医者は外車に乗っているし、稼ぎの良い職業なのだろう」と思っていた。だから、お子さんを継がせるのでしょう?と質問すると「とんでもない。歯医者は増え過ぎで、ワーキングプアとなりこれからの未来はありません。だから継がせません」と答えられたのが意外だった。その後はその歯科医師の仰る通り、歯医者は過剰で稼げない不人気職種になってしまったようだ。ところが、最近は受験生が目指す狙い目の職種に転じているとのこと。目下の歯科医療の現場では、すでに不足している歯科衛生士や歯科技工士に続いて、歯科医師も「将来の不足」が懸念されているのだ。20歳と30歳に対する歯周病検診が2024年4月から始まった。しかし、すでに実施されている40~70歳の受診率はわずか5%。歯医者嫌いの日本人に「国民皆歯科健診」の導入が検討されている。自分が若い頃「歯医者は痛い思いをして虫歯を治すだけ」と思っていた。でも、年を取ると「歯は栄養を摂るための重要な道具」ということが今更ながら分かってきた。これからの老人主流時代には、歯医者は欠かせない職種になるのは間違いないと思う次第。
25日 8月 2024
福島原発事故現場からのデブリ取り出しに失敗したことは昨日書いた通りだ。デブリは、1号機から3号機までの建屋内におよそ880tあると推定されている。しかも放射線量は極めて高く、近づく事も不可能な状況にある。今回は、たった3gのデブリの取り出しに失敗したのだ。3gでも、取り出すことが出来れば、今後の計画が立てられるかもしれないという儚い望みのために行なわれた取り出しだったのだ。そもそも試験的な取り出し自体、2021年中に行なわれる計画だった。でも、78億円かけて専用のロボットを開発した後に、経路に堆積物があることがわかり、中止した。この調子では、10kg取り出すのに250年かかると専門家が指摘している。だが、その最初の3gに失敗したのだから、あと1000年はかかるかもしれない。デブリの量は、コンクリートなどで固める石棺化したチェルノブイリの数倍といわれている。福島第1原発も、石棺が解決法としては合理的なはずとも言われている。しかし、石棺化すれば周辺の土地は永遠に立ち入り禁止区域となる。しかしながら、政府は地元住民を説得することに躊躇っている。その躊躇いが永久的なデブリ取り出しに導いているというのに。
24日 8月 2024
NHK番組「100カメ」の「福島第一原発」を観た。第一原発をシールドする作業の実写だ。鳶職人が大活躍している。現場は放射線量が非常に高く、作業時間に制約があり、真夏だというのに防護服を着ての作業だ。しかも、巨大な構築物を数人で設置するのだ。余りにも過酷過ぎて、作業員仲間の結束とモラールの高さがヒシヒシと感じられた。同じ釜の飯を食う仲間というよりは、運命共同体とでも言うべきだろう。ところが、東電が福島第一原発から核燃料デブリを取り出す「試験的な取り出し」を延期したと発表した。格納容器の内部に通じている直径60cmの配管を使って、伸縮式のアームを伸ばし、内部に到達した先端部分から、さらにデブリを掴む器具をケーブルで釣り下ろし、デブリを掴んで回収する計画だった。延期の原因は、押し込みパイプの連結順を間違えたからだという。設計ミスか作業ミスかは発表されていない。でも、直感的に責任は東電にあると思った。何故なら「100カメ」の現場には、東電の社員が一人もいなかったからだ。危ない仕事は他人任せの東電体質が、作業を遅らせ、かつより危険なものにしているように映った。
23日 8月 2024
テニスをした後、猛烈に汗をかいた後、身体が臭う。脂肪が燃焼した証しでもあるが、周りに人がいると少し気が引ける。東レとJAXAが吸汗、消臭、防汚、汗染みを防止した衣料を共同開発したという。JAXAが噛んでいるところが面白い。この商品は、国際宇宙ステーションで活動する宇宙飛行士の船内衣服のために開発された消臭/防汚技術を採用したとのこと。宇宙飛行士とは世界で最も汗に悩む職業の一つと言われている。国際宇宙ステーションは無重力環境にあるため衣服を洗濯できない。多くの服を持っていくことも難しい。一方で宇宙飛行士は無重力空間で筋肉が弱くなることを防ぐために、毎日負荷の高いトレーニングを義務付けられている。大量に汗をかく状態にありながら、洗濯することも服を気軽に着替えることもままならないのだ。そのために消臭、防汚衣服が開発されたのだ。すし職人や医療関係者からの引き合いが増えているという。そう言えば、男性の体臭発言で炎上した女性のフリーアナがいた。CMに登場すれば受けること間違いない。災い転じて福を成すかもしれない。
22日 8月 2024
厚労省によると、日本の食中毒の半数はアニサキス症とのこと。アニサキスを殺すには、火を通したり、冷凍したりすれば可能だ。だが、火を通せば刺し身にはならないし、冷凍するにはマイナス20度で24時間以上処理する必要があるが、刺し身の食感が変わってしまうなどの課題がある。ところが、熊大が、品質を落とさずアニサキスだけを殺す安価な方法を開発したとのこと。高い電圧で瞬間的に電気が流れる雷のような仕組みのパルスパワーと呼ばれる技術だ。東京ビッグサイトのジャパン・インターナショナル・シーフードショーでお披露目された。食品加工関係の企業や全国展開するスーパーなどに導入されれば、日本の食中毒は激減し、生食文化の安全が守られることになる。そのうち、魚屋の店頭には「パルス処理済み」の札が貼られることになるかもしれない。