30日 4月 2023
「齋藤孝の大人の教養図鑑」が面白い。知識とは次から次へと繋がるものだとして、フロイト→ユング→錬金術→ニュートン→ゲーテ→モネの大ジャンプを紹介している。自分が興味を引いたのは錬金術。錬金術とは、銅や鉄などの卑金属から金をつくりだすという技術のこと。エジプトのアレクサンドリアで発祥したとされ、ヨーロッパでは14~15世紀に流行したが、17世紀には近代科学の発展と共に衰えた。この本によると、ユングは自身の精神分析と錬金術との間に密接な類似を見いだし、晩年には錬金術関係の研究に没頭したとのこと。ニュートンは、早い時期から錬金術に没頭しており、死後、錬金術に関する膨大な資料も発見されている。ニュートンは錬金術研究を通して、物質の根源、生命の本質を探求していたらしい。近代科学が成立するまでは、錬金術も知識を求める一つの方法だったのだ。錬金術は現在ではオカルト的なものと見られているが、その発展と流行の過程で、塩酸や硫酸、硝酸などの化学物質が発見され、るつぼや蒸留器などの実験器具も発明された。錬金術のお陰で現代の化学があるのだ。長年化学に携わってきた自分にとって、錬金術が自分の故郷に思えてきた。
29日 4月 2023
日経の世論調査「維新、立民どちらに期待するか」によると、維新51%、立民27%で支持率が逆転したとのこと。次回の総選挙で維新と国民が手を組めば、野党第1党になる可能性が出てきた。山口4区の補選に出馬した有田は「下関は統一教会の聖地だ」発言で、無党派層からそっぽを向かれ落選した。国会では小西が怪文書で騒ぎ立てた。防衛費や少子化対策など多くの争点があるのに、肝心の論争をしない。立民の支持率が落ちるのは当然だ。しかも、入管法改正案では寺田が自民から修正案を引き出したのに、旧社民系の反発により党執行部が法案を見送ってしまった。ある議員は「この党は活動家に乗っ取られている」と嘆いたという。立民は衆参の5補選で3人の公認候補を立てたが、全敗した。反省は連休明けだと流暢だ。もはや解党の道しか残されていない。しかし一方で維新も問題山積みだ。維新には問題人物がゴロゴロしている。党勢に人材が追いつかない。自民や立民からはじかれた輩を維新が拾う構図だからだ。野党のこの為体では2大政党制は望みようもない。維新も国民も自民に合流して、一大勢力になってから分党して2大政党化する道しか残されていないと思うのだが。
28日 4月 2023
今日でコロナの水際対策が終了し、インバウンドが戻ってくる。ムスリムの人気観光先は岐阜県だという。2013年に東南アジア諸国からの観光ビザ発給要件が緩和されて10年。国民にムスリムが多いマレーシアとインドネシアの訪日客が増えている。当初はイスラム教の教義に沿った食事など「ハラル」への対応が話題の中心だったが、食事以外でも出来る範囲で配慮する「ムスリムフレンドリー」の考えが徐々に浸透しているようだ。高山市では地元企業が中心になって14年に「飛騨高山ムスリムフレンドリープロジェクト」を開始。今では具材や調味料をハラル対応にした高山ラーメンや「ハラル飛騨牛」が味わえる飲食店も増えている。多くの宿泊施設も食事などへの配慮を徹底。英語のパンフレットには20カ所以上のムスリム対応施設が掲載されている。ハラル対応のしょうゆや酢を用意し、店内に礼拝スペースもある。何故岐阜はムスリムフレンドリーになったのだろう。人は元来理解し難い相手を敬遠するものだ。一般の日本人は外人との付き合いが苦手だ。でも、高山市は外人の超人気観光地。外人に馴れているのが特徴だ。しかも、訪日客数の伸びが期待出来るムスリムに焦点を当て、街全体でオモテナシを図ってきた。観光立国を目指す日本にとって、最高のお手本となっている。
27日 4月 2023
シジュウカラが言葉を話して情報交換していることは「titあれこれ」に書いたことがある。実は紀元前のアリストテレスの時代から、人間だけが言語を持つ特別な生きもので、動物の鳴き声は感情に過ぎないとされてきた。それを鈴木京大助教が覆したのだ。しかも、鈴木京大助教は東大先端科学技術研究センターの准教授に就任し、世界初の「動物言語学」を学問として創設した。たった一人の研究者が新しい分野を創設するというのは極めて稀な偉業といえる。動物言語学という新しい学問では、動物行動学、認知科学、言語学、AIなど、文理の垣根を超えた学際的な研究を進めることになる。では、動物たちの言葉が分かると、世界はどう変わるのだろう?動物が何を話しているのか分かると、自然に対する価値観が大きく変わるに違いない。生物多様性の減少や地球温暖化など、現在直面している環境問題に対しても、人間と自然との関わり方を考え直すきっかけにもなるはずだ。先日、植物も会話しているという番組を見た。動物に限らず動植物言語学が進展すれば、ヒトの心は益々豊かになるはずだ。
26日 4月 2023
サルはうな丼が好きだとか、うな丼を食ったという類いの話ではない。立憲民主党の小西参院議員が参院憲法審査会幹事会で、毎週開催される衆院憲法審のメンバーをサル呼ばわりしたことで非難を浴び、参院憲法審査会の野党筆頭幹事を更迭された。今度は、参院本会議で宮口参院議員が「うな丼大臣の即刻更迭」を求めた。うな丼大臣とは、国家公安委員長と防災担当大臣を兼務する谷大臣のこと。岸田首相が和歌山で襲撃された時、谷は高知の四万十町のうなぎ店で昼食をとる直前に事件の報告を受けた。谷は後日の自民党のパーティーで「うな丼はしっかり食べさせていただきました」と語ったという。広島サミットの警備責任者であり、危機感も緊張感も感じない谷に要人警護・警備の責任を担わせてよいのか、と宮口は迫ったのだ。国民は、谷の危機感や緊張感の有無よりも、宮口の「うな丼」への拘りを感じてしまったようだ。「うな丼」などに拘らなければ、谷の更迭に繋がったかもしれない。いずれにしても、政治的に機能していない。立憲民主党は終わったと見える。
25日 4月 2023
食品のパッケージに記されている遺伝子組換え表示に関する制度が、今年4月1日から大きく変わった。大豆の加工食品である豆腐、納豆、味噌などの食品表示から「遺伝子組み換えでない」という表記が消え、「分別生産流通管理済み」とか「遺伝子組み換え混入防止管理済み」という意味不明の表記に代わり、遺伝子組み換えの識別が分かりにくくなった。日本の大豆の年間需要量は350~360万トンだが、国産自給率はわずかの6%。大豆の輸入先は米国が73%で、米国遺伝子組み換えの生産比率は93%。今や輸入大豆の殆どは遺伝子組み換えなのだ。表示変更は米国からの要請に消費者庁が屈したと言われている。米国からの表示変更要請は過去にもあった。1995年に製造年月日表示が廃止され、賞味期限と消費期限の記載に変更になった。米国から輸入される食品の輸送期間が長いため、日本の店頭に商品が置かれた時には、製造年月日が日本製食品よりも古いことになる。米国の食品販売が不利にならないよう変更を迫ったのだ。日米地位協定を見直さない限り、日本は米国の言いなりに従い続けることになる。
24日 4月 2023
以前「アルファ米」について、このブログで書いたことがあるのは覚えている。でも、検索しても見つけ出せない。水やお湯を加えるだけで食べることができる「アルファ米」の大量生産につながる機械を、米沢市のベンチャー企業「アルファテック」が開発したとのニュース。良かったと思う。開発したのは、米沢市に本社を置く、山形大学発のベンチャー企業「アルファテック」。アルファ米のアルファとは、米のデンプンの状態のことで、炊飯して柔らかくなった糊化状態をアルファ化状態という。アルファ米は、炊飯後に乾燥させて作った加工米なので、炊かなくてもお湯や水を注ぐだけでご飯になるから非常用に利用出来るメリットがある。因みに、水分のある状態でそのまま放置すると、アルファ化状態となったデンプンが再び結晶化して、炊く前と同じベータ化状態と戻るので、味が落ち、消化も悪くなることになる。従って、アルファ化を維持させることが極めて有意義なのだ。今、世界は食糧不足で飢餓状態にある。このアルファ米が、世界の飢餓に役立ち、生産も順調になれば、この上無いことだ。国は、このアルファ米を援助すべきだと思う。世界の飢餓を救え、更に日本の農業も再生することになるかもしれない。
23日 4月 2023
G7外相会合が閉幕し、ロシア軍のウクライナからの即時撤退を求めることや、中国の力や威圧による一方的な現状変更に強く反対することなどを盛り込んだ共同声明を発表した。G7とは、米英仏独伊加日にEU連合を加えた西側陣営だから、当然の共同声明となった。一方、中国は猛烈に反対し、汪報道官は「G7は、乱暴に内政干渉することをやめ国際社会に人為的に対立と分裂を作り出すのをやめるよう求める」と述べた。また、ロシアはG8に属していたが2014年から参加資格を停止されたままだ。世界の問題を議論するのであれば、G7に中国、ロシア、EUを加えG10にすべきだ。利害に反する国々が面と向かって議論することこそ重要であると思う。でも、今回は単に西側陣営の集まりであったG7が、少しは収穫があった。以前は言葉の壁があり、周りには沢山の通訳がいて外相はヘッドホンを着けていた。ところが、今回のG7では、誰一人としてヘッドホンを着けずに、英語で議論していた。ネイティブイングリッシュレベルの林外相だったからかもしれないが、世界と話し合うには堪能な英語会話力が必要だ。今後、入閣条件として英語会話力を必須とすれば、自ずと日本の世界的地位は上がるに違いない。同時に、大臣待ちのポンコツを入閣から排除出来るメリットもありそうだ。
22日 4月 2023
岸田総理が、5月のG7サミット後に衆院の解散に踏み切るとの見方が出てきている。一方、岸田が長期政権を狙うには来年9月の自民党総裁選に解散を近づけた方が良いという考え方もある。また、内閣改造・党役員人事を行って、秋に解散すれば良いとの声もある。延命したいがための方策は色々ある。しかし、解散は己の都合によるものではなく、国民に信を問うものであるべきだ。岸田は安倍の国民葬をはじめてとて首相の独断で物事を決めてきた。6月には異次元の少子化対策の財源の確保の方法が明らかになる。防衛費の倍増も原発の再稼働と新増設も決めてきた。このままなし崩しに進めるべきではない。岸田は6月解散で国民の信を問うべきだと思う。それにしても選挙公約とは、いい加減なものだとつくづく思う。出来もしなことを公約する。実施結果を振り返らない。単に選挙民にとって甘い言葉でしかない。それに較べ、もし岸田が6月に解散すれば、これまでの仕事に対して国民の審判が下ることになる。解散とは、こうあるべきものだ。
21日 4月 2023
ジャニー喜多川が創設したジャニーズ事務所は、日本の芸能界を圧倒的な影響力で支配してきたし、今も大きな力を持っている。一方で、喜多川には、所属する少年たちに対する性的搾取の疑惑がつきまとってきた。2019年に87歳で亡くなったが、今でも崇拝されている。今年3月にBBCが制作したドキュメンタリー「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」が放送された。これがきっかけとなり、喜多川の被害者である元ジャニーズJrが日本外国特派員協会で、喜多川から受けた性被害について語った。今では、誰でも喜多川の性犯罪を知っている。でも、日本のマスコミは取り上げない。公然の秘密としている。しかも、国民は誰一人として取り上げないマスコミを批難しない。極めて異常な光景だ。もし、テレビ各局が報道し始めたら、何が起きるのだろうか。テレビ画面から、ジャニーズ全員が消えるかもしれない。視聴率は激減する。恐らく民放各社はそう考えているに違いない。視聴率あっての民放だから、分からなくも無い。でも、NHKは別だ。視聴率に左右されるスポンサーはいない。しかも、一応公共放送だ。NHKには報道すべき責務がある。怠慢としか言い様がない。いや、公共放送としての自覚が無いのだ。NHK新会長は、前会長の粗探しから始めるのではなく、まずは公共放送の定義づけから手を付けるべきだと思う。