28日 2月 2023
EV販売車数でテスラを抜いて中国のBYDがトップに躍り出た。BYDが日本で販売するEVバッテリーに、毒性を有する六価クロムが使用されていたことが判明し、全国に騒動が広がっている。同じクロムでも三価は自然界に広く安定して存在し、サプリメントに使用されるほど比較的安全だ。だが、六価は強い酸化能力を持つ不安定な物質で毒性を持つ。六価クロムを廃棄するには、還元剤によって三価クロムに変換し無害化する。六価クロムの使用は、日本の法律では禁止されておらず、中国でも欧米でも同基準で使用が許可されている。但し、日本自動車工業会JAMAは自主規制している。事実、日野自動車は発売予定だった小型EVバスの発売を取り止めた。米国でも六価クロムを使用しているBYDのEVバスへの補助金を停止した。毒物は使わないのが世の流れだ。中国は1周遅れになっている。でも、六価クロム問題に対しBYDは、トヨタ社長の豊田JAMA会長と日本政府がグルになってBYD叩きをしていると非難している。中国のEVバッテリー生産数は世界トップだが、環境対策は2周遅れのようだ。
27日 2月 2023
アベノマスクの「単価」と「数量」の開示を求めた訴訟で大阪地裁が、不開示の取り消しを命じる判決を言い渡した。アベノマスク配布事業は、佐伯首相秘書官が「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えますから」と安倍に進言したことから始まった。543億円の税金を使って布マスク2億枚を随意契約し、8千枚が在庫となり、5億円かけて無償で希望者に配った。我が家にも送られてきたが、周りで使っていた人は一人もいない。公文書管理法は行政機関の職員に対し、経緯も含めて意思形成に至る過程、および事務や事業の実績を合理的に跡付け、検証することができるよう文書の作成を義務づけている。特に随意契約は詳細な経過を残すべきものだ。国は文書は廃棄したので残っていないと主張。やっと出てきたのが単価と数量が黒塗りの文書。いかに国の発注が杜撰だったかが良く分かる。思い起こせば、安倍政権時代に義務である議事録を残さないことが定着してしまった。アベノマスクは黒塗りではあるが文書が残っていたから良い方だ。安倍回顧録で安倍は「わたしは政策として全く間違っていなかったと自信を持っています」と語っている。でも、回顧録の内容は主観そのもの。検証にはならない。判断するのは国民だ。安倍は相当悪しき風習を残したと言える。
26日 2月 2023
政府が福島原発の処理水を今年の春から夏ごろに海洋放出する方針を決定した。海底トンネル経由で1km先の海中に放出するための工事が既に始まっている。政府は漁業者向けに、新たな漁場の開拓や漁船の燃料コスト削減などにかかる経費にあてる500億円の基金を創設し、風評被害が起きたときに水産物を買い取る費用などを盛り込んだ300億円の基金も用意した。地元漁連に対し「関係者の理解なしに海洋放出はしない」と約束しているが、理解を得たかどうかはハッキリしない。放射性汚染物質が環境に与える影響を30年以上研究してきた英国の環境科学者は、福島原発の処理水の放出は取りうるなかでの最善策だと言っている。現在福島原発内には100万tの汚染水が保管されている。汚染水からコバルト60、ストロンチウム90、セシウム137などは除去されるが、水素の放射性同位体であるトリチウムは除去されずに残る。このトリチウムが残ったものを処理水という。トリチウム水は、化学的性質が通常の水とまったく同じであるため現代技術での除去は不可能だ。でも幸いなことに生物蓄積係数は1で、生体内に大量に蓄積することはない。だから過去何十年にもわたって世界各地の原子力施設で処理水の海洋放出が行われてきたのだ。但し、「有機結合型トリチウム」は問題だ。生物蓄積係数が1万と高い。有機結合型トリチウムの有無の確認は必須だ。政府は、トリチウム水について漁業者にも国民にも世界にも懇切丁寧な説明をして納得を得る必要がある。
25日 2月 2023
林外相がG20外相会合を欠席か?とのニュース。G20外相会合はインドで3月1~2日に開催される予定だ。ところが同時期に参院予算会議が開かれることになっている。参院自民党幹部が国会対応を優先するよう求めたため、林外相のG0欠席か?のニュースになった。衆参院の予算会議は最初の3日間で全閣僚が出席し基本的質疑を行なうことになっている。でも、国会法や規則で定められている訳では無い。あくまで慣例だ。外務省は、林外相がG20に出席出来ない場合は副大臣を派遣する方針とのこと。一方国会の慣習では、大臣が欠席の場合は副大臣が出席することになっている。さて、林外相はどちらに出席すべきなのだろうか。国際問題では、ウクライナだけでなく韓国と徴用工問題を論議する必要がある。特にG20外相会合は各国の思惑がぶつかり合う場だ。一方、参院は日本政治の盲腸みたいなもの。有っても役に立たない。林外相がG20を選択すべきは間違いないが、選択するかは分からない。いま林外相の資質が問われている。
24日 2月 2023
ロシアがウクライナに侵攻して1年経った。その節目にバイデンはキーウを電撃訪問し、プーチンはロシア国内の大規模集会で演説した。専門家は、この戦争はすぐには収まらないと言う。国連も無力だ。収束の道は見えない。それにしても何故このような戦争が始まってしまったのだろうか。自分なりに解釈してみた。ソ連崩壊後ソ連から独立した国々が次々にNATOに加盟した。ウクライナに親米政権が誕生しNATO加盟への機運が高まっている。裏に軍産がいる米CIAはウクライナ東部のロシア系住民をナチスの名を語って弾圧した。NATOが迫っていることに恐怖を覚えたプーチンは、ナチス退治を口実にウクライナ侵攻を始めた。当初プーチンは1週間程度で制圧出来ると読んでいたが、ゼレンスキーの思わぬ抵抗に遭い苦戦を強いられ今日に及んでいる、という訳だ。簡単に言うと、米国が仕掛けロシアが乗ってしまったということだろう。戦争は、互いに言い分があり、どちらか一方が正しいということは無いと言う人もいる。しかし、ウクライナに限って言えばロシアに非があると言える。いまロシア国内では戦争に反対の素振りでも見せれば逮捕されてしまう。表立って反対を叫ぶ者はいなくなった。でも、緑のリボンが至る所で目立つようになったとのこと。ウクライナの国旗の青と黄色を混ぜれば緑になる。香港の白紙運動のようにロシアでは緑のリボンが定着しつつあるようだ。
23日 2月 2023
NYタイムズに成田悠輔の「高齢者は集団自決した方がいい」という発言が載り、世界的大炎上している。成田とは、最近時々テレビのコメンテーターとして出て来る丸と四角の眼鏡をかけたあの人物だ。イェール大学助教授兼実業家と紹介されている。それにしても「集団自決した方がいい」とは物騒だ。この人物は何を言いたかったのかを知りたくなり調べてみた。一言で言うと、世代交代が進まない日本の欠点を指摘する過程であえて持ち出した過激な発言のようだ。大雑把に言うと成田の主張は3つある。1つは、日本の失われた30年の原因は進まない世代交代であること。1つは、少子高齢化は日本にとって最大の危機であること。1つは、尊厳死の合法化や延命治療への保険適用の見直しの議論を始めるべきであること。自分も、日本の一番の問題は、戦後の高度成長期の常識を背負ったままの古い考え方を持つ人たちが、政財界で大きな力を持ち続けていることにあると感じている。世代交代を加速させるべきと思っている。そこで気付いた。あの過激な発言は「日本人よ目を覚ませ」というショック療法なのだと。自分も見事に成田の罠にはまって、世代交代の遅さを再認識させられた次第。これを契機に新陳代謝が進むことを願いたいものだ。
22日 2月 2023
植田新日銀総裁には、就任早々困難なハードルが待ち構えている。第1のハードルは異次元緩和の総括。異次元緩和の狙いは、日銀が市場から大量の国債を買い入れることで、低金利環境と潤沢なマネーの供給を実現し、それによって日本をデフレ状態から脱却させることだった。でも、物価は上がらず株だけが上がった。ウクライナ侵攻で資源が高騰し円安も加速し、物価は4%に上昇したが、日銀の本来目指した2%ではなかったと言う。結局、異次元緩和で2%を達成出来なかったのが現実だ。第2のハードルがYCCだ。10年物国債など特定の債券だけを買う手法が市場を歪めた。黒田はYCCの修正を試みたが、市場は円高容認と受け取った。人が代わって植田になっても、市場の受け止め方が変わるはずがない。植田は黒田と同じ手法は取れない。どうする?。第3のハードルは共同声明の見直し。アベノミクスを提唱した安倍が日銀と共同声明を発表し、2%の物価安定目標を打ち出したあの声明だ。アベノミクス路線を修正するのかが問われている。岸田は例の如く先送りし逡巡している。岸田から方向性を得る可能性はゼロに近い。でも修正すれば政界は混乱する。どうする?植田新総裁。
21日 2月 2023
立憲民主党の岡田幹事長が党大会で「政権交代可能な政治をつくり出すことができるのは立民だけだ。働く人々を代表する政党は一つで十分。分裂はよくない」と、国民民主党と合流する必要性を訴えた。両党とも、民主党が源流で、連合の支援を受けている。でも、今の立憲民主党は共産党寄りで、国民民主党は自民党寄り。まるで水と油の関係だ。当然玉木国民民主党代表は岡田の提案を一蹴した。NHK世論調査による政党支持率は、自民39%、立民6%、維新3%、公明3%、共産3%、国民1%、その他2%、特になし37%。岡田が言うように立民と国民が合流したところで7%にしかならない。政権交代可能な政党を作るにはほど遠い。岡田は井の中の蛙なのだろう。立民と国民の支持率が低いのは、民主党政権の失敗にある。自民対民主の二大政党では、現実での乖離が有り過ぎ、国民は付いていけなかったのだ。現実論で言えば、自民に近い政党が出来れば、二大政党制の見込みはある。そのためには、国民のように自民に近づいて、まずは大きな自民を作り上げることだ。そして大きくなり過ぎれば分裂する。その姿こそが最も近い二大政党の誕生だ。岡田の動きは正反対。益々二大政党制を遠ざけている。
20日 2月 2023
東京都が明治神宮外苑の再開発計画の施工を認可した。神宮球場と秩父宮ラグビー場を解体し、ラグビー場跡地に、ホテルなどを併設した野球場を建設。シンボルであるイチョウ並木は残すが、既存の樹木3000本超を伐採することになる。日本初の風致地区に指定された神宮外苑の「日本を代表する文化的景観」が失われることになる。江戸川区の都立葛西臨海公園はもっと深刻だ。葛西臨海水族園の建て替えにともない、ここでも約1400本の樹木が伐採される可能性が高くなっている。公表された建て替え計画では、淡水生物館と自然林の部分を壊して、太陽光パネルを敷き詰めるイメージとなっており、まさしく文化遺産の破壊だ。葛西臨海公園は2018年にラムサール条約に登録されている。保全するのが基本なのに、それを商業開発しようとしている。小池都知事はソーラー発電にご執心だ。昨年は都議会で、新築の戸建て住宅への太陽光パネル設置を義務づける条例改正案を可決した。今度は自然破壊だ。「エネルギーは安全保障と同等」という思い込みがあるようだ。でも「自然が嫌い」と考えると小池の行動が腑に落ちる。都庁には諫める者はいないのだろうか。
19日 2月 2023
チャットGPTが教育現場で波紋を広げているという。チャットGPTは一昔前の検索エンジンと立場が似ている。検索エンジンは、質問事項を記入すると関連するウェブページを表示してくれる。チャットGPTは、質問を投げかけると、人間との自然な会話のように文章で返事をくれる。このブログ「チャットGPTを試してみた」に書いた通りだ。チャットGPTの利用者が公開から2カ月で1億人を超え、史上最速で普及したアプリと報じられている。米国では学生の9割がチャットGPTを宿題に使ったとの報告もあるほどだ。ニューヨーク市の教育委員会は、市内の学校のネットワークからチャットGPTへのアクセスを禁止した。チャットGPTで作成した文章を、チャットGPTにチャットGPTで作成したかを質問すると、YESと答えるという。韓国では学校がチャットGPTでチェックし、英文でエッセイを書く宿題をチャットGPTに任せた高校生たちに0点をつけたと報じられた。それでも幾つかの単語を変えれば摘発されにくいので、チャットGPTを使ってこっそり宿題をする学生が急増しているという。そこで学校はチャットGPTを摘発するアプリ「GPTゼロ」で対抗中とのこと。しかし、チャットGPTを使って優秀な文章を作っても、学生に実力は身に付かない。学校は単に禁止するのではなく、チャットGPTの有効な活用方法を教育すべきだと思う。