31日 8月 2020
自民総裁選候補に菅、石破、岸田が名乗りを上げた。党員投票無しの議員投票となり、総裁は派閥工学で決まることになるが、何と無派閥の菅官房長官が圧勝しそうだ。政策論争も無いままポスト安倍は菅に決まることになる。安倍路線を引き継ぐならば菅が順当だろう。でも、何故安倍が任期途中で首相を投げ出してしまったのかを考えてみる必要がある。持病の悪化だとは言うが、悪化の原因はコロナ対策の失敗やモリカケ桜の非難からくるストレスだ。共犯的立場にいた菅に果たして当面の課題であるコロナ対策を建て直すことが出来るのだろうか。アベノミクスをどう収束させるのだろうか。ドメスチックな菅は如何なる外交を展開するのだろうか。考えれば考えるほど、来年10月の任期切れまで物事が動くことは無さそうだ。まさに菅はワンポイントリリーフなのだろう。でも、せめてコロナ対策だけでも建て直してほしいと願う。国難の時は、強力なリーダーシップを有する人材が必要だ。来年10月に彗星の如く現われることを期待するしかなさそうだ。
30日 8月 2020
9月1日から始まるマイナポイント事業が全く盛り上がっていないとのこと。うさぎ姿の舘ひろしが「5000円分もらえる」とテレビ宣伝しているあのマイナポイントだ。マイナンバーカードとキャッシュレス決済の普及を同時に狙った総務省の政策だ。決済手段を1つ選びマイナンバーカードに登録し、決済をすればポイント還元が受けられる仕組になっている。ところが、クレジットカード会社の9割以上が不参加を表明した。クレカ業界は表立って国に反対の表明はしてはいないが、猛烈に不満を抱いている。要因は2つある。一つは、6月まで実施されたキャッシュレスポイント還元事業の結果。大盤振る舞いをしたQRコード決済事業者の利用は4倍に増えたが、クレカは横ばい。もう一つは、政府がクレカ各社の決済手数料情報を開示する考えを示したこと。政府は手数料を公表することで競争を促し、手数料の抑制を図ろうとしたのだが、手数料はカード会社にとって、分割払い時の手数料と並ぶ2大収益源だ。クレカ会社の9割が不参加を決めたことは宜なるかな。端的に言うと、総務省の失策だ。本当にキャッシュレス化を推進したいのであれば、小手先ではなく、長期的な施策を明らかにして定着化を図るべきものだと思う。
29日 8月 2020
モーリシャスの日本の貨物船の重油流出事故でモーリシャス政府の対応の遅さが被害を拡大したと批判する大規模デモが起こり、関係閣僚が辞職に追い込まれている。日本政府は国際緊急援助隊を派遣したものの、民間事故という理由で対応は後ろ向きだ。小泉環境相も担当者を派遣し、何が出来るかを検討するとは言ったものの、その後の対応は何も無い。小泉は地球レベルの環境問題を、こじつけて日本に持ち込みレジ袋の有料化を推進しているのに、日本船籍のタンカーがサンゴを殺すのをただ見ているだけ。地球環境のことなど頭に無いことは有り有りと分かる。でも、佐賀県の民間会社エム・テックスは油を吸い取るが水は吸わない特徴があるマジックファイバーを提供すると申し出た。マジックファイバーは昨年8月の佐賀豪雨で鉄工所の油が流出した事故に使用された実績がある。日本政府はモーリシャスにマジックファイバーの使用を提案しただけ。折角日本が地球環境を大事にしているというアピールのチャンスなのに、潰している。将来の首相候補だというのに、視野が狭く、考え方が内向き過ぎる。残念。
28日 8月 2020
安倍首相が辞任を表明した。7年半にもわたる長期政権となった理由を考えてみた。それ程有能とも思えない安倍が何故一強を続けることが出来たのだろうか。振り返ってみると、2001年の中央省庁改革による内閣府の新設や2014年の内閣人事局設置により、幹部官僚に対する首相の権限が強められた。インテリジェンスに詳しい佐藤優の本を読むと実態が分かってくる。政治改革で1994年に小選挙区比例代表並立制が導入されたことにより、総裁の持つ公認権の意義が大幅に高まった。政治的争点を保守的政策から経済政策に切り替えた。人事権を活用し大規模緩和に積極的な財務省出身の黒田東彦氏を日本銀行総裁に登用しアベノミクスを実行した。オマケにリベラルな働き方改革、女性活躍、全世代型社会保障などの政策を掲げ、国民の心をくすぐった。更にオマケとして野党は分裂状態ということだろう。でも結果はどうだったのだろう。権力の集中で長期政権になったものの、官僚の忖度が常習化してしまった。決して戻ることの出来ないアベノミクスという川を渡ってしまった。一言で言うと、安倍一強の長期政権は偶々行政改革に乗り、国民はチンドン屋的な政策に踊らされたに過ぎないと思う。政治家は結果で判断されるものだ。安倍政権の時代、日本のGDPは全く伸びていない。詳細に見れば寧ろ下がっているのが事実なのだ。従って辞任したことを祝福するしかない。首相の仕事は、決して体調の悪化を理由に、褒め称えるべきものではない。
27日 8月 2020
新型コロナウイルス対策で、各国・各地での評価が分かれている。世界的に高評価なのがニュージーランド、台湾、韓国で、低評価なのが米国、ブラジルそして日本だ。なぜ日本が低評価なのだと言えば、安倍政権が対応を各県自治体に丸投げして指導力を発揮しなかったからだ。一方で、知事らは能力を発揮した者もいるし、無能を曝け出した者もいる。和歌山県の評価が高い。仁坂和歌山知事は、国のガイダンスを待たずいち早く対処した。酸素マスクをつけた段階で重症者とみなし手厚い医療を提供した。死者は僅か6人という実績を残した。今や米国では「和歌山モデル」と称賛されている。岩手県では、感染者ゼロが続いた。でも決して人口が少なかったからではない。東日本大震災時の感染症対策で「いわて感染制御支援チーム」を設置し、医療従事者向けの講習や訓練を行なった活動が実を結び、感染者ゼロという岩手の奇跡を生み出したのだ。仙台市の「仙台方式」と呼ばれるインフルエンザ体制も功を奏している。一方、最悪なのが愛知県、福岡県、沖縄県だ。特に沖縄は離島が多い。でも、問題なのは沖縄の離島を軽視する沖縄本土意識だ。結局玉城知事は沖縄県を守ることが出来なかった。過去に苦い水を飲まされた自治体は、経験上生きる術を弁えているが、未経験者には対処のしようもない。仕様が無いと言えば、仕様が無いが、県民の命は知事次第とも言える。選挙の時は、熟考すべきことだと思う。
26日 8月 2020
球磨川の豪雨災害を受け、11年前に計画を中止した川辺川ダムの建設要望が浮上している。球磨川は、最上川や富士川と並んで日本三大急流とも称されている。半世紀前に川辺川ダムの建設が計画されたが、地元住民が反対し、蒲島熊本県知事が「ダムに頼らない治水」を目指すとしてダム反対を表明し、最終的には「コンクリートから人へ」を標榜した民主党政権の前原国交相によって建設事業が中止された経緯がある。東の八ッ場ダム、西の川辺川ダムと長期化したダム事業の双璧だった。でも、八ッ場ダムは完成に至ったが、川辺川ダムは幻に終わっている。完成間近の八ッ場ダムが台風19号の豪雨を受け止め下流域を救ったのは去年のことだった。一方球磨川流域は史上最悪の大洪水に見舞われ明暗を分けた。急峻な地形を持つ日本にとってダムは一つの安全弁だ。偶にしか役に立たないからといって計画を取止めるのは、余りにも近視眼的過ぎる。前原元国交相は、川辺川ダムを中止したことを、いまどう思っているのだろうか。また、当時反対した蒲島熊本県知事は今度は建設要請側に宗旨替えした。気分次第でコロコロ意見が変わる大臣・首長の見識の無さに県民は翻弄されている。
25日 8月 2020
自動車メーカーの電気自動車EVが出揃い始めた。日産ではSUVにもEVアリアが導入される。スカイライン、サファリ、フェアレディZそしてARIYAに乗り継がれるCM。キャッチフレーズは「やっちゃえ...
24日 8月 2020
北海道寿都町が、原発から出る核のゴミ最終処分場の候補地選定プロセスへの応募を検討していることに対し、鈴木知事が「頬を札束で叩くやり方は疑問だ」と反対している。当初国が計画した原発サイクルは既に破綻している。そこに福島原発事故が起きた。原発の安全神話がバレて、原発は極めて有害という事実が定着した。寿都町長の気持ちも分からないではないが、知事や漁協の反対は当然だと思う。故郷を愛しく思えば、決して誘致すべき代物ではない。ところが、技術革新は目覚ましいものだ。決してメルトダウンしない安全な原発が米国で開発されつつあるという。トリソ燃料と呼ばれている。微細な低濃縮ウラン粒に酸素を混合し、炭化ケイ素でコーティングしたもの。炭化ケイ素が制御棒の役割を果たし、超小型化が可能という。2020年代後半から30年代初頭にかけて、トリソ燃料は主要燃料になる見込みという。米国防総省もNASAも検討中とのこと。あと10年も経つと、世界中の電力はトリソ燃料による原発が主流になるのかもしれない。だからこそ、今ある全ての旧式の原発は廃棄の道を目指すべきだと思う。しかし、世界は寿都町のケースを避けて通ることは出来ない十字架を背負っている。
23日 8月 2020
長生きはお目出度いと思う。日本人の寿命は年々延びている。我が家の義母も95歳になりピンピンしている。ヒトが長寿命になることは、良いことだと思う。幾多の病や怪我などの危険を克服してきた証だと思う。でも、政権の長寿命はどうなのだろう。安倍政権が、今日で最長の佐藤栄作に並び、明日はそれを更新し、日本最長の政権になるという。でも政権の場合、長寿命ということが高評価に繋がるとは限らない。寧ろこの国を如何に変えたかが評価になる。安倍政権の場合、アベノミクスで日本株を上げたが、株にお金を注ぎ込みすぎ、取り返しのつかない状況に陥ってしまった。レガシーと言えるものは何も無い。政権が7年半も続いたのだから、未来に向けたこの国の形を創ることをすべきだったと思う。例えば、国民生活を豊かにすること。GDPは一向に増えず、一人当たりGDPは世界26位に沈んでしまった。今後少子化がこれに拍車を掛け、日本は最貧国に陥ろうとしている。せめて世界の10位以内を目指すと目標を掲げれば、相当具体的な政策を打つことが出来、明るい未来が描けたはずだ。その他、縦割り行政の改革、自民党党是の自主憲法制定、道州制の導入等々、国の形を創る方策はいくらでもあった。国民にプラスとなる成果は全く無く、マイナスを散りばめ、唯々時間だけが過ぎてしまった。早急な選手交代が望まれる。
22日 8月 2020
加藤東大教授らが南鳥島周辺海底のレアアースを発見したことは2年前「海洋大国日本が資源大国に...