31日 7月 2019
かんぽ生命の不適切販売件数が、これまで見込みの倍となる18万件に達し、3社長が雁首を揃えて会見した。顧客に重複した契約を結ばせ保険料を二重に徴収したり、無保険状態に置いたりするなど不適切販売の元凶は、営業ノルマだ。トップが営業員の競争を煽り、見境無く契約に走らせた結果だ。二重徴収や無保険状態放置は、保険業界では誰でも知っているタブーとのこと。でも、規模が日本生命に匹敵するかんぽ生命はトップを含めタブーを知らなかったようだ。つまり全員素人だったということだ。3社長とは、日本郵政の長門正貢、かんぽ生命の植平光彦、日本郵便の横山邦男。長門も横山も元銀行マンだからずぶの素人で、植平は保険ヤだったが、出世競争に夢中で保険実務には疎かったのだろう。会見で3社長は居直ると言う。陣頭指揮をとってまい進することが職責だと言う。営業ノルマを廃止すると言う。ちょんぼした政治家に似ている。ちょんぼを取り返し正常に戻すのが責務だから辞めないと言う。でも能力の無い者は去るべきだと思う。代わりは幾らでもいる。また営業ノルマを廃止したところで過当競争が無くなる訳ではない。企業体質を根本から変えずに無くなるはずがない。そのためにも3社長は即刻職を辞すべきだと思う。
30日 7月 2019
厚労省の中央最低賃金審議会が、2019年度の全国の最低賃金の目安を27円引き上げて時給901円にする方針を決めた。審議会は、経営者、労働者、学者で構成されており毎年抑えたい経営者と上げたい労働者の質の低いせめぎ合いになる。一方で政府は骨太の方針で3%超を提示し、結果として今年は偶々3.1%となり目安をクリヤーした。しかし、最低賃金の決め方には問題が多い。その場しのぎで計画性がないし、最低賃金を上げる目的が明確になっていなし、都市・地方間の格差が益々広がるばかりだ。少子高齢化が進めば、GDPが減少し日本は後進国に転落することになる。最低賃金を上げ生産性を延ばさなければ今のGDPを維持することは出来ない。政府が数十年先までの目標値を設定し、生産性向上を推し進める必要がある。更に、地方を創生するには、都市・地方間の格差を無くす必要がある。この最低賃金の格差是正こそ地方創生のキーファクターと言える。デービッド・アトキンソンが「日本人の勝算:東洋経済新報社」でこのように指摘している。日本が生き残るための立派な教科書がある。せめて首相と厚労相には読んで理解を深めてほしいと思う。
29日 7月 2019
熱は通すが電気は通さない奇妙な物質を発見したとのニュース。金属は自由電子があるから熱も電気も通す性質がある。でも、熱は通すが電気は通さないとは奇妙だ。自由電子によるものではない。では何故熱だけを通すのだろうか。そんな現象や物質など聞いたことも無い。はたまたアインシュタインの量子力学に次ぐ、新たな物理学への突入なのだろうか。その話題となっている物質がイッテルビウム12ホウ化物という物質。イッテルビウムなどという名前は誰しも聞いたことが無いと思う。でも、自分にとっては専門だったから懐かしさを感じる。そのセンサーがこのニュースを嗅ぎ分けたのかもしれない。イッテルビウム12ホウ化物は電気を通さないから自由電子を持っていない。絶対零度付近でも熱を通すからフォノンによるものでもない。未知の量子化学的な粒子が存在しているのかもしれないとのこと。レアアースは科学者から見ると何とも魅力的な元素群だと思う。
28日 7月 2019
直径約130mの小惑星が7月25日に地球とニアミスしていたとのニュースに驚いた。しかも、天文学者も数日前まで気付かなかったというから驚きが倍増した。驚きというよりもゾッとした。もし、地球に衝突していれば東京都と同規模の範囲を壊滅させるほどの大きさだという。まさにアルマゲドンだ。あの米映画「アルマゲドン」を彷彿とさせる。小惑星が地球に衝突し、地球が死の惑星になってしまうので、小惑星に穴を開け爆破により2分し、軌道を変えることに成功する、あの話だ。6600万年前にメキシコに落下した直径10kmの隕石は恐竜を絶滅させた。1908年にはシベリヤに直径約100mの隕石が落下しニューヨーク市の倍の面積に被害を与えた。NASAは140m以上の小惑星を監視しているが、それ以下の大きさの小惑星は発見が難しいとのこと。数年前から小惑星の存在が分かっていれば、重力トラクターという方法で軌道を変えられるという。だが、小惑星の発見を数日前から数年前にすることは不可能だ。結局、運は天に任せるしかないようだ。
27日 7月 2019
WTO理事会で、日本と韓国が半導体材料の対韓輸出規制を巡り討議した。韓国は、元徴用工などの歴史問題を経済問題にすり替えるのは不当だと抗議し、日本は、戦略物質が韓国経由で第三国に流出しているので安全保障上輸出規制したと主張した。しかし、第三者からの意見は無く、韓国も日本も自国の主張が認められたと報道している。世界の常識として、国際法は国内法より優先するので、既に解決済みの元徴用工問題や慰安婦問題を蒸し返すのは韓国に非があることは間違いない。一方、韓国が第三国に流出させているのも事実だから、日本の主張も、一応筋は通っている。でも、元徴用工問題の報復であることは間違いない。その点、韓国の主張は正しいと思う。日本は韓国をホワイト国から外すことを閣議決定する方針を決めた。初期の輸出規制を含めホワイト国から外すことは、日本にとって良いことなのだろうか。経済という棍棒で暴れ回っているのがトランプだ。歴史問題を経済という棍棒で解決を図ろうとしているのが日本だ。先にG20で自由貿易の保護を訴えたのが安倍だ。その安倍がトランプの真似をして自由貿易の破壊をする。国内では対韓国制裁が支持されているが、海外では日本による自由貿易の破壊が非難されている。このまま進めば、日本は世界の孤児になるかもしれない。歴史問題は歴史問題として、流出は流出として、解決を図るべきだと思う。
26日 7月 2019
期待したほど参院選後の情勢は殆ど変わっていない。3分の2が確保されず安倍の憲法改正は少し遠のいた。立憲民主は議席を増やしたものの目標に届かず枝野の手腕が問題視されている。国民民主、社民は風前の灯火だ。公明も共産もジリ貧状態だ。いま安倍は3分の2を目指している。その巻き込み対象が国民民主だ。国民民主代表といえば玉木。玉木の経歴が異色だ。裏切りの連続なのだ。最も信用のおけない輩と言える。香川県出身東大卒、大蔵省入省。自民の大平首相の地盤を継ぎ、民主党ととして初当選。その後、民進党の要職にありながら希望の党に乗り換えた。小池の後釜として希望の党代表に就任。その後国民民主党代表になる。更に小沢一郎が率いる自由党と合流した。そして参院選を迎えたが、結果は惨敗。選挙後に突如「改憲すべき」と言い出し、野党の反感を買った。安倍の目指す改憲内容には反対だが、実情に合った改憲が必要だと言う。でも所詮ミイラ取りがミイラになるになるに違いない。いや、自民というミイラに仲間入りすることが真の狙いなのだろう。安倍はほくそ笑んでいるに違いない。
25日 7月 2019
参院選で「NHKをぶっ壊す」と連呼したN国が、2%の政党要件を満たし一端の政党になった。その効果を考えてみた。殆ど機能しない参院ではあるが、それでも国政選挙だ。国レベルの問題を解決するための方向付けが必要だ。自分は予てからN国の主張と同様にNHKに批判的で何度もこのブログに書いてきた。でも「NHKをぶっ壊す」だけでは、国政選挙としては対象が狭すぎる。だからN国には投票しなかった。しかし、思いの外NHK批判者が多かったことに驚いた。同時に嬉しくもあった。N国が政党になった効果は計り知れない。国会で自民がN国を無視することは不可能だ。総務省がNHKを所管している。本来は総務省が公共放送を定義し、NHKがその定義から外れないよう指導・保全する立場にある。だが寧ろ総務省はNHKの歯止め無い増殖を許しているし増長させている。更に官邸からのNHKへの圧力を防ぐことなく、むしろ一緒になって政治的圧力をかけている。総務省が機能しない今、N国の存在は極めて価値がある。NHK問題を解決するには、既存政党に1票を入れるよりN国の方が有効だ。一点突破の政党の、蟻の一穴になることを期待している。
24日 7月 2019
英国でジョンソン首相が誕生し10月末の「合意なき離脱」が確実になった。メイ首相の離脱交渉失敗で保守党の支持率が25%と急速に低下し、労働党の21%と僅差になった。もし労働党が政権を取れば、産業の国有化が待っている。保守党は政権を維持するにはカリスマ性のあるジョンソンで「合意なき離脱」で対抗するしか手段が無かったのだろう。ジョンソンは毀誉褒貶が定まらない。人種差別、女性蔑視、イスラム教敵視などの奔放な言動で批判を浴びてきた。支持層は高齢の白人。特徴のある金髪の髪型。「英国のトランプ」と称される所以だ。英国民は崖っぷちに立たされている。3年前に行われた国民投票で、ジョンソンは離脱に、メイは残留に票を投じた。ところが、離脱を指揮する首相にはメイが選ばれた。残留から離脱に宗旨替えした首相に離脱交渉を任せること自体が間違いだったと思う。当時もこのブログにそう書いた。今もそう思う。当時ジョンソンが首相になれなかったのは「英国のトランプ」だったからに違いない。でも、その「英国のトランプ」が成長・変貌した訳でなない。当時のままだ。結局、英国は遠回りをして、問題を複雑にしただけだ。もし当時ジョンソンを首相にしていたら、リスクが明確になり、残留派が優勢になり、事態は終結していたかもしれない。
23日 7月 2019
参院選の結果を受け、安倍首相が「憲法改正を国会で議論するのが国民の審判だ」と述べた。そうだろうか。公約のいいとこ取りだと思う。「日本の明日を切り拓く」と題する自民党の公約は、外交・防衛で国益を守る、所得を増やす、人生100年社会をつくる、元気な地方をつくる、災害から命・暮らしを守る、憲法改正を目指す、だった。でも、公約の最後である憲法改正が、選挙後の第一声になった。不自然だ。安倍が望む憲法改正の内容とは、自衛隊の明記だ。しかし、選挙中に日本のタンカーがイランから攻撃を受けたが、自衛隊の派遣については沈黙を続けた。もし、安倍が心底自衛隊の明記を望んでいるなら、渡りに船と言うよりは千載一遇のチャンス。「日本経済の生命線である石油を自衛隊で守ります」と宣言し、大々的に自衛隊を宣伝し、現地に派遣し、護衛させアピールしていたはずだ。安倍が憲法改正に自衛隊を明記することを目指すことと、実際の行動がチグハグだ。だから、安倍は信頼されない。公約をいいとこ取りするから信用されない。言葉と行動が一致しない人物は、どの世でも信頼されないものなのだ、ということが理解出来ない人物の一人なのかもしれない。
22日 7月 2019
参院選で、れいわ新撰組とNHKから国民を守る党の得票率が2%以上になり政党要件を満たした。社民党と肩を並べる政党が誕生した。それ以上に驚かされたのは、れいわ新撰組の山本太郎が比例代表で断トツの1位で99万票を獲得しながら落選したことだ。摩訶不思議だが、そこには「特定枠」の存在がある。1年前に鳥取・島根と徳島・高知の合区対策として自民が導入した場当たり的な制度だ。例えば、鳥取から立候補者が出れば、島根の人に特定枠を設定する。特定枠は票数に関係なく比例候補の上位に位置づけられるので、政党票さえ集まれば無条件で当選することになる。今回の選挙では、山本がこの仕組みを利用して特定枠に2名を設定し、自身を含め3名の当選を目論んだ。その結果、4千票と5千票の2名が当選し、99万票の山本が落選した次第。選挙は国民の公平な1票に委ねられるべきものだ。現行の選挙制度は余りにも歪み過ぎている。1票の格差是正など夢のまた夢ということだ。政治家にバカにされていることを国民はいつ気付くのだろうか。