30日 11月 2017
昨日の毎日新聞の特集「アーサー・ビナード氏の直感」が面白い。ビナードさんは滞日27年の米国詩人。嘗て「日本語ぽこりぽこり:アーサー・ビナード:小学館」を読んだことがある。軽妙な文章のエッセイストだ。日本人以上に現在の日本を見ていて、新しい気付を発見させて立ち止まさせてくれる本だった。そのビナードさんが、美しい日本語は消滅に向かっていると言う。以下は特集の拾い読み。来日以来、経済を語る言葉が劇的に英語、カタカナばかりになった。日常会話でデリバティブ、アウトソーシング、インバウンドという言葉を当たり前のように使う。中身や衝撃度が分かっていないのにTPPという言葉だけが独り歩きし、分かった気分になっているうちに、チチンプイプイと騙される。問題は、人が自分の言葉で考えなくなるという危惧だ。小学校で英語を学ぶのは良いが、反面子供たちに日本語は英語より劣っているという印象を無意識に植えつけている。日本語力も弱まり、文科省の英語教育は悲惨だから二流の英語人が育ち、きちっとした言葉を持たない民があふれる。要は、自分たちの国を自分たちで好きなように創ろうという真の意味での独立を日本人は諦めているのではないか、と指摘している。ご指摘ご尤もですと読みいった次第。またまた立ち止まされ考えさせられた。
29日 11月 2017
肝心なときに強力なリーダーシップ力を発揮するのがトップの責務というものだ。日本の製造業の信頼性が揺らいでいる。神戸製鋼、三菱グループ等々の大企業によるデータ偽装が次々と発覚している。日本の製造業も地に落ちたものだと思う。このままでは日本の信頼回復は困難だ。こんな時こそ経団連の出番だと思う。政府のご機嫌を取るだけが仕事ではない。不正撲滅のため、傘下の全企業に見直し・改善・防止策を徹底するよう、大号令をかけるのが経団連会長の仕事のはずだ。ところが、あろう事か、榊原会長の東レでもデータ偽装が発覚した。しかも偽装の歴史は榊原の社長・会長時代まで遡るという。榊原の任期もあと少しだが、引責辞任という手はある。身を持って行動に移せば、信頼回復の動きを少しは後押しするかもしれない。会長でいる限りトップの責務は免れようもない。一方大相撲協会では横綱の暴行事件が騒がれている。結局処分する前に、日馬富士が引退を表明してしまった。八角相撲協会理事長は、終始他人事で何もしなかった。コメントは「断腸の思い」だ。何に対してどういう思いなのかが全く不明。存在感はゼロ。期せずして両トップにボロが出た。トップに就く前に「トップの責務とは何か」を言い聞かせる必要があるとは情けない限りだ。
28日 11月 2017
日産の検査不正が発端になり、諸問題を掘り起こしているようだ。国交省委託の完成車最終検査を無資格者に行わせた日産に非があるのは明らかだ。だが、最終検査そのものは陳腐化している。製造ラインで品質を作り込んでいく自動車メーカーにとっては儀式的なものに過ぎない。正しくは国交省に検査の見直しを提案し改正を図るべきだった。でも、日産は改正を求めずに、検査不正を選んだ。腐っても鯛。国交省の最終検査は腐った鯛だったから、日産が腐った鯛に批難されている。では、腐った鯛は誰が作ったのだろうか。国交省だ。国交省は、技術革新の速い自動車産業に遅れを取った。いや、遅れではなく、不作為だったのだ。一度許認可を出すとフォローはしない。未来永劫その許認可が生き続けるのだ。ここに至って、非は明らかに国交省にある。だが、国交省は次から次へと日産の問題点をリークする。日産を悪者にするには理由がある。メーカーの最終検査は車検と同じようなもの。日産が悪者でなくなると、車検制度という利権が根底から崩れてしまう。だから国交省は日産イジメにやっきになる。国交省には、この手のものが多い。トンネル崩落、耐震偽装、燃費偽装そして完成検査不正だ。国交相は歴代公明党の定席になっている。公明だけが悪いとは言わないが、国交省には官僚病という魔物が巣くっているようだ。
27日 11月 2017
今日11月27日は旧暦の神無月10月10日。年に1度、全国から出雲大社に集まる八百万神を迎える恒例の「神迎祭」が稲佐の浜で営まれる。旧暦10月は、出雲地方では「神無月」ではなく「神在月」と呼ばれている。神無月(かんなづき)の語源は不詳のようだ。日本国語大辞典によると、「な」は連体助詞で「の」の意味で「神の月」すなわち、神祭りの月の意味だろうとしている。「水無月」も同じで「水の月」。出雲大社に全国の神が集まって一年の事を話し合うため、出雲以外には神がいなくなるという説は、中世以降の後付けで、出雲大社の御師が全国に広めた語源俗解とのこと。でも体裁は整っている。10日に稲佐浜で全国から参集する神々を迎える「神迎祭」が行われる。その後11日から17日まで出雲大社で会議が行われ、その間「神在祭」が行われる。会議の議題は、縁結びの相談。18日には、各地に帰る神々を見送る「神等去出祭」が出雲大社拝殿で行われる。勿論出雲大社には神々の宿舎となる「十九社」がある。神々が出雲に集まってしまっては、出雲以外は神がいなくなる。その間は恵比須神が留守神として就くという。何とも日本の一大スペクタル・ページェントだ。
26日 11月 2017
Twitterなんて暇人が無責任に発言する程度のものと思っていたが、そうでもなさそうだ。「#子育て政策おかしくないですか」へのツイートが盛況だ。安倍首相が選挙公約で、消費増税分を財政赤字補填から幼児教育無償化に変更すると言い出した。国会でも無償化の議論が始まった。でも、幼児教育の問題は、無償化が最優先ではない。先ずは希望者が全員入れるよう施設を整え、それに見合う保育士を確保することだ。その為には、保育士の処遇改善も必要だし、高度過ぎる保育士試験を実情に合わせ人材を確保することも必要だ。無償化に回す金があるのなら、まず全員を受け入れる方策に金を回すべきだと思う。「#子育て政策おかしくないですか」には、多様な意見が寄せられているが、無償化よりも全入をという意見が圧倒的だ。至極真っ当な意見だと思う。このパワーで世論を導いてほしいと願う。それにしても、政府は現状を理解していない。やることがトンチンカンだ。無償化すれば、少子化問題が解決するとでも思っているのだろうか。少子化は解決しない。国会議員らは、まずベストセラー「未来の年表:河合雅司:講談社現代新書」を熟読し、現状を理解すべきだと思う。幼児教育無償化を憲法改正に盛り込む議論など、先の先の夢物語でしかない。
25日 11月 2017
今日土曜日夕方の日テレ天気予報解説を見ていて情けないと思った。アナウンサーか天気予報士かは分からないが、男女で天気の解説をしていた。ところが、両人ともカメラを見ずに下を見ながら解説をしている。カンペを読んでいたのだろう。それでなくても当たらない天気予報だ。信憑性を感じない。プロ意識は皆無で、幼稚園の学芸会を連想させた。お笑いタレントのやっつけ仕事ぶりのように、如何にも本人と局の無責任さを感じた。お陰で明日の天気が晴れなのか曇りなのかを見損なってしまった。一方、平日のNHK「ニュースチェック」の女性キャスターも不快感を覚えさせる人物の一人だ。ニュースを話す時に、カメラの上を凝視する。カンペが上にあるのだろう。その瞬きもせず凝視した様子が、不気味だ。しかも、上から目線で話をする。他人を小馬鹿にしたような素振りが不愉快だ。9時のニュースに移った桑子アナの後釜のようだが、何故このような人選をしたのか、NHKの常識を疑ってしまう。幸いなことに、自分は両番組のファンではない。偶々チャンネルを変えたときに、ほんの少し見てしまっただけだ。今後、少なくともこの番組だけは一瞬たりとも見ないよう努力することにした。
24日 11月 2017
10日以上前このブログにも書いた日馬富士暴力事件。未だに事件が解明されず、寧ろ益々闇の中を彷徨い始めている。事実として判明しているのは、日馬富士が貴ノ岩に暴力を振るったことだけ。日馬富士が説教しているのに貴ノ岩はスマホをいじっていたというが、これも怪しい。日馬富士がビール瓶や灰皿などで殴ったというのも怪しい。白鵬はビール瓶を否定したがこれも怪しい。貴ノ岩は頭蓋骨骨折だというが、医師は否定しているのでこれも怪しい。当事者はモンゴル人だけの閉じた世界だ。彼らの証言は極めて怪しい。貴乃花親方は無言を貫いて、相撲協会と対峙している。双方とも怪しい。旭鷲山がしゃしゃり出て貴ノ岩を援護しているがこれも怪しい。モンゴルの朝青龍は反旭鷲山派で大統領に進言しているがこれも怪しい。まさに大相撲協会の内輪もめなのだろう。内輪もめの因縁は深い。でも内輪もめはどこを基点にするかで善悪が反転する。だから、この種の問題は、根を深く追求すべきではないと思う。単に、日馬富士が貴ノ岩に暴力を振るったことに焦点を当てて裁くべきものだと思う。よくよく考えれば、深謀遠慮する者が、直情的に暴力を振るうはずがない。結果は日馬富士の負けだ。彼の過去と普段の言動が証明している。日本では「身から出た錆」と言う。
23日 11月 2017
突如我が家に超常現象らしきものが起こり始めた。自分が20年ほど前の単身赴任時代から使っているアナログの目覚まし時計だ。それ以来ほぼ正確に時を刻み、頼りにしてきた。今朝眼を覚ますと8時過ぎだ。慌てて飛び起きてテレビを点けると7時5分過ぎ。?と思い、目覚まし時計を観察すると、妙に秒針の動きが速い。そして死んだかのように止まってしまった。カミサンにも同じような事が起きた。料理のためにキッチンタイマーを使う。今日はタイマーが妙に速い。あっという間に30秒が過ぎて行く。明らかに異常な事は誰でも分かる現象だ。最近、ヘルスメーターで計る体重の変動が激しい。1日で2kgも変動するし、数分でも変動する。これは正に超常現象に他ならないと思った。悪霊が憑くことなどしたのだろうか、何か厄介払いをしなければとか、不安になった。念のため、乾電池を交換してみることにした。あら、驚くことなかれ。全てが解決し順調に動き出した。それにしても不思議なことだ。一斉に乾電池の寿命が終えるとは。そして最後のエネルギーアップも。丁度人が逝く時の前日に覚醒し元気になるのと良く似ている。物質である乾電池にも、自身の最期が分かるのかもしれないと思われる出来事だった。
22日 11月 2017
今日の日経朝刊には「退位19年3月末か4月末」の記事があったが、夕刊には「4月末に決定」との記事。大事な退位が、かようにも簡単に朝令暮改されて良いものかと思う。天皇が崩御された場合は、自動的に皇位継承されるが、退位は皇室会議の意見を踏まえて首相が決めることになっている。官邸は当初12月末案を提案したが、行事が立て込んでいると宮内庁の反対にあい断念した。その後宮内庁が3月末案に絞っていたが、急遽官邸から4月末案も考慮するようねじ込められた。それが朝刊報道だ。そして、3月末は国会予算審議や選挙があるとの理由で4月末案に決まった。それが夕刊だ。結局宮内庁の3月末案を葬ったのは、官邸の宮内庁に対するリベンジとも受け取れる。皇室会議は12月1日に開かれる予定で、まだ行われていない。だが、既に4月末と決まってしまった。最終的に決定するのが首相だとはなっているが、首相の好き勝手で決めて良い類いのものではない。それこそ、天皇や国民を忖度し決めるべきものだと思う。国民にとって、12月末や3月末は区切りが良い。結局天皇も国民も無視され、政治家の都合だけで退位日が決められた。安倍及び官邸は極めて不遜だと思う。
21日 11月 2017
京都大の研究チームが、雷が大量の反物質を生成することを世界で初めて発見し、その仕組みも突き止めたとのこと。反物質は、物質と電気的な性質が逆で、それ以外の質量などの性質は同じ。今から138億年前の宇宙誕生時には反物質は物質と同じ量があった。物質と反物質が出合うと光を放出し、いずれも消滅してしまう。ところが、現在の宇宙は反物質だけが消滅し、物質だけが存在している。だから、反物質はなぜ消えたのかという謎は、素粒子物理学の最も重要なテーマの一つになっている。その反物質が、身近な気象現象である雷によって大量に生成されているというから驚きだ。仕組みはこうだ。まず雷からガンマ線が出て大気中の窒素と反応する。すると放射性同位体が出来、反物質である陽電子を放出する。そして陽電子は電子と衝突し消滅する。雷雲の中では、1回の放電で数兆個の陽電子が作られ、10分間ほどの間に発生と消滅を繰り返すと推定されるという。宇宙から反物質が消滅した謎は、日米で素粒子ニュートリノを使って確かめる実験が続いている。そのうち、その謎も解明されるだろう。日本の宇宙研究畏るべし。