カテゴリ:201109



30日 9月 2011
2009年オバマ米大統領初来日の際、藪中元外務事務次官が米側に対し被爆地広島を訪問することは時期尚早と伝えた事実を内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した。驚くべき内容だ。第二次世界大戦ではアメリカが勝ったため多くの日本人が戦犯として裁かれた。しかし一方アメリカは、東京大空襲、広島長崎への原爆投下により戦争に直接関係しない一般市民を大量虐殺した事実をどう考えているのだろうか。これらの行為は現行の国際基準で見れば、人類に対する犯罪者としてハーグの国際刑事裁判所で裁かれるべきものである。そのアメリカ大統領の広島訪問機運が高まっていたのに、日本の外務省が潰してしまったことになる。外務省は国民に対し明確な説明が必要だ。情報公開により一般国民が知らない国策の透明性を高める事が出来るので、国民総意の国策に改善されていく利点がある。ウィキリークスの情報公開は両刃の刃で、長所も短所もある。日本政府はウィキリークスに公開されてから慌てるのではなく、一定のルールを決めて順次情報公開していくようにすれば、政治への信頼を取り戻す一つの方法になると思うのだが。
29日 9月 2011
高校無利子奨学金の回収率が低下し、このままでは31年度には790億円の資金不足に陥るとのこと。この奨学金事業は文科省が実施していたが6年前から順次都道府県に移管されてきた。趣旨は、保護者の失職、倒産や災害等により家計が急変し、緊急に奨学金貸与の必要が生じた学生・生徒に対応するため。申込み時に機関保証に加入するか連帯保証人と保証人が必要。卒業後返還された奨学金が後輩の奨学金として再び活用されるシステムなので返還することが極めて重要だ。文科省は10年度までに各都道府県に計約1411億円を交付してきた。この問題を調査し指摘した検査院は、奨学金の徴収を債権回収会社に委託するなど適切な措置を都道府県にとらせるよう文科省に改善を求めたとのこと。福岡、神奈川、京都など11府県で資金不足に陥る恐れがあるが、回収率の低下は決して大震災によるものではない。原因は借りる側と回収する側の無責任さによるものだ。これから高校に入学する苦学生のためにも、遅延賠償金を含めて厳しく回収する必要があると思う。
28日 9月 2011
唱歌「どんぐりころころ」の作曲は梁田貞だが、作詞の一二番は青木存義、三番は岩河三郎、そして四番は何と桂三枝さんだと本人自身が日経のコラムで語っていた。三枝は見かけは頼りなさそうだが芸道一筋の人物らしいことをNHKのトーク番組で知った。野田首相の「どじょう」に肖り、「どんぐりころころ」の替歌を発表した馬鹿な領袖がいた。伊吹元幹事長だ。三番は「どんぐりころころ泣いてたら国民しっかりとんできて嘘の契約見破って解散・選挙につれてった」とのこと。政治家だって認知症にはなる。認知症は、自分がボケていることが分かるので、つじつま合わせに嘘をつくのが特徴だ。政治が混乱している時に呑気に替歌作りに励む事が出来るのも認知症に違いない。一方認知症に程遠い人物もいる。小泉純一郎元首相だ。小泉は自民元本流でありながら減原発を提唱している。まだ現役に違いない。それにしても、この一大事に日本原発導入の張本人である中曽根元首相の声が聞こえてこないことには違和感を覚える。中曽根元首相が福島原発事故を踏まえ今後の原発行政に対し何を言うのか、この一言が元首相の有終の美を飾るかそれとも晩節を汚すことになるのか、まさに分水嶺にあると言えると思う。中曽根元首相発言すべし。
27日 9月 2011
野田首相が側近議員らに対し(1)余計なことは言わない、やらない(2)派手なことをしない(3)突出しない、という「野田3原則」を指示していたとのこと。ドタバタしている今の政治を落ち着かせるには良い方法だ。しかし政治を進めるには(1)言うべきことは言う(2)悪習を踏襲しない(3)職責と個人見解をはっきり区別する、と指示すべきだと思う。(1)の例は、尖閣諸島の排他的経済水域を中国船が事前通告なしに航行していることに対する抗議。玄葉外相は訪米時に一度言ったからもう言わない、という理由はない。何度でもその都度言うべきことは言うことが必要で、それが国益国防につながることになる。(2)の例は、沖縄の基地と金の問題。長年の自民の残した悪習で、沖縄首長は基地問題をネタに補助金をせしめることにどっぷり浸かっている。しかも本音と建前を使い分けるのが得意だ。先日も新たな沖縄振興策の柱となる一括交付金創設について、仲井真知事は「振興策と普天間問題は別」と言っている。政府は悪習を断ち切るため建前部分は全てカットしてしまい「普天間移設と一括交付金はセット」と迫るべきだ。(3)の例は多すぎる。平岡法相の自衛隊移転問題や死刑執行発言。小宮山厚労相のたばこ税発言。一川防衛相の素人発言。野田は自覚のない閣僚全員に対し、職責と個人見解をはっきり区別するよう指示すべきだ。
26日 9月 2011
欧州原子核研究機構は素粒子ニュートリノを光速より速く移動させる実験に成功したと発表した。事実であればアインシュタインの特殊相対性理論を覆す大発見だ。国際研究実験OPERAチームが人工ニュートリノをスイスのジュネーブにある欧州合同原子核研究所から730km離れたイタリアのグランサッソ国立研究所に飛ばしたところ、光速より60ナノ秒速いことが計測されたとのこと。1万5000回も同じ実験を繰り返し同じ結果が得られたという。チームも「説明がつかない」と首をかしげており、実験データを公表して世界中の研究者に意見と検証を求めたいとしているらしい。質量のある物体の速度が光の速度に近づくと、その物体の時間の進み方は遅くなり、光速に達すると時間は止まってしまう。光速よりも速いニュートリノは時間をさかのぼっているのかもしれない。ということは過去へタイムスリップすることも可能になるかもしれない。時間という概念も変わるかもしれない。何ともロマンチックな研究成果だ。
25日 9月 2011
ロシアのプーチン首相が大統領に返り咲くことになりそうだ。ロシア大統領の3選は憲法で禁止されているので、プーチンは1回休んで2012年に再び大統領に出馬する噂が当時からあった。メドベージェフ大統領は再選を目指していたが戦略の失敗で出馬は叶わなくなった。メドベージェフは、北朝鮮との外交改善により国際社会での地位向上を目指す戦略をとり、ロシアのナショナリズムをあおるため北方四島を視察するなど、どちらかというとアンチ日本派であった。一方プーチンは中国と対抗するため日本との関係を重視している。日本にとっては追い風だ。1956年日ソ共同宣言を一歩進め平和条約締結に至るかもしれない。歯舞、色丹の返還が現実味をおびてきそうだ。ただしプーチンはタフネゴシエーターなので高い代償は覚悟せざるを得ないだろう。
24日 9月 2011
野田首相が訪米しオバマ大統領と会談した。表では普天間基地移転問題について「結果を出す時期が近づいている」ときつい言葉を言われたが、裏では「I can do business with...
23日 9月 2011
北方領土問題は1956年日ソ共同宣言で、平和条約を締結すればソ連が日本にまず歯舞群島と色丹島を引き渡すことで決着していた。しかし前原元外相の口が災いし白紙撤回となり、菅前首相がメドベージェフ大統領の北方領土視察を非難したため白紙よりマイナスの状況になっている。野田新政権はまず平和条約締結交渉から取り組むべきだと思う。平和条約がないということは、未だに戦争中ということだ。誰だってけんか相手に分捕ったものを返すはずがない。まずは仲直りをし2島返還してもらい、その後は残りの2島を返してもらえるような仲の良さを実現し全面返還に結び付けるのが大人の付き合いというものだ。領土問題といえば、昨日程駐日中国大使が講演の中で、尖閣諸島付近で中国軍が海洋活動を活発化させている動きについて「釣魚島は中国の領土なので中国の関係機関がいろいろと活動している」と述べ正当性を主張したとのこと。首相、外相不在時をいいことに中国の言葉の実績作りだろう。玄葉外相は即刻駐日大使を呼びつけ、尖閣諸島は日本の領土であると反論しなければならない。黙っていると仙石の失敗を繰り返すことになり、そのうち尖閣諸島は中国領土が前提で交渉する羽目になりかねない。尖閣諸島の次に、沖縄は昔中国の領土だったと言ってくるのは目に見えている。民主は内向きから外向きに視点を拡げる必要がある。
22日 9月 2011
以前このブログ(3月9日)で国務省メア元日本部長の「沖縄はゆすりの名人」発言に対し、メア元日本部長が「沖縄首長」を「沖縄県民」と見誤っただけだろうと指摘した。最近このメア元日本部長の「決断できない日本:ケビン・メア:文春新書」が出版されたので早速読んでみた。その結果メア元日本部長は沖縄首長が問題であり沖縄県民がその犠牲になっていると認識しており見誤りではなく、また「ゆすり」は共同通信社のねつ造記事であることもわかった。メア元日本部長は対日政策30年のキャリアをもつ外交官で、日本を最もよく知るアメリカ人の一人だ。この本は「ゆすり」に限らず、アメリカ側から見た日本政府や沖縄問題を簡潔かつ的確に述べており、アジアの中の日本の地政学的立場を理解するのに適した本だ。沖縄県民や日本の政治家は一度は読んでみても損はない。いや是非読むべき本だと思う。
21日 9月 2011
豊田中央研究所が世界で初めて特殊な光や薬品を加えずに、水と二酸化炭素と太陽光のみを用いた人工光合成の技術開発に成功したと発表した。リン化インジウムにルテニウムを塗布したCO2還元光触媒を開発し、これに酸化チタン光触媒を組み合わせることで、酸素とギ酸ができる仕組みを確立したとのこと。太陽光のエネルギー変換効率は0.04%と低く、植物の5分の1程度だが、今後引き上げてより有用な有機物の合成を目指すという。基本方式が見つかれば後は早い。世界中の研究者が高効率化を検討し実用化はそれほど遠い将来ではないだろう。人工光合成はCO2吸収だけでなく、バイオ燃料の生成も可能とみられ環境問題の解決策として注目されている。地球の明日は明るそうだ。科学者の大きな夢の技術がまた一歩実現に向かっている。またまた日本の科学者畏るべし。

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