原発事故処理は進んでいるのか

福島原発事故が起きてから、明日で15年目を迎える。この14年間で一体何を反省し、何が変わったのだろう。強制起訴裁判で刑事責任を問われた東電経営者に対し、最高裁は無罪の判決を下した。最高裁は巨大津波は予見できなかったとしたが、東電内部では巨大津波の検討はなされていた。でも、対策を先送りした経営陣を問うことは無かった。東電の事故処理費用は膨らみ続け23兆円超に達している。賠償費用は当初、東電と他の原発を持つ電気事業者が負担することになっていた。ところが膨らみ続け、小売事業者にも全国民にも負担を課すようになった。燃料デブリの取り出しは全く目処が立っていない。収束までの道筋は未だに見えていない。国がこれまで東電に支援した額は計15兆円超。東電は年間5000億円を捻出して返済していく計画だ。その柱に据えているのが柏崎刈羽原発の再稼働だ。だが、テロ対策設備の不備で再稼働は延期になった。地元の不信感を払拭出来ず、再稼働に必要な地元合意に至っていない。原発の借りを原発で返すなど、まさにブラックジョークとしか言い様がない。