日産の役員は一体何を考えているのだろうか

ホンダと日産の経営統合が白紙になった。当初統合を前提としていたが、ホンダが日産の子会社化に舵を切ったからだ。ホンダから見ると、日産の再建策は甘く、対応が遅いからだ。一方日産から見れば、ホンダの変わり身が速く不信感を募らせたからだ。実際、日産の再建策は甘過ぎる。日産の生産能力は500万台だが320万台しか生産出来ず、稼働率は6割しかない。メキシコのダイムラーとの合弁工場と追浜工場は閉鎖すべきだが、日産はそこまで踏み込めない。日産が窮地に陥っているのは北米事業の悪化にあるが、北米事業の責任者を切れず、役員の抜本的な改革も出来ないでいる。このまま統合に進めば、ホンダは大きなお荷物を抱え込むだけで、共倒れするのは目に見えている。統合話が白紙に戻るのは当然だと思う。それにしても、日産の役員らは、何故統合撤回を決めてしまったのだろう。抜本的な構造改革もしない、役員の首もすげ替えないでは、お先真っ暗だ。恐らく、子会社化ということに役員らのプライドが許さなかったに違いない。でも、そのプライドが日産を消滅の道へと進めているというのに。