環太平洋経済連携協定TPPに英国が加わった。英国の加入によって人口5億8000万人、世界の国内総生産GDPの15%を占める経済圏となった。地理的にもアジア太平洋から欧州に枠組みが広がった。日英は既に経済連携協定EPAを結んでいるので、今回の協定で日本からの輸出では精米やパックご飯などの関税が撤廃され、英国からはバターや脱脂粉乳などの関税が下がる。英国には、今回の加入によって長期的には英経済に年約3900億円の押し上げ効果があるという。協定はモノの関税引き下げだけに留まらず、サービスや投資の自由な取引を促進する。保護主義的な動きがある中で、英国の加入により自由でルールに基づく貿易といった価値観を日本と共有する仲間が増えたことは価値が有る。TPPには更なる拡大が求められている。だが、米国はトランプ時代に保護主義を徹底し撤退した。一方中国は加入を申請しているが、TPPの高度な加盟条件を満たせる見込みは現時点では殆ど無い。中国の加入申請は、台湾の加盟を阻止し、マレーシアなどアジアの加盟国に対するTPPの求心力を弱める狙いがあるからだといわれている。いよいよTPPは米中を除く経済大圏に生まれ変わろうとしているようだ。
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