父子2代にわたり半世紀以上続いたシリアのアサド政権が崩壊した。アサド政権の悪行は数々ある。石油生産はかつての20分の1の日量3万バレルまで落ち込んだ。その一方で国家を麻薬の製造拠点に変え、麻薬の輸出国として周辺国を悩ませている。富を一族に集め国民を弾圧し、平和的な反政府デモを弾圧するため化学兵器を使った。国内外に1300万人が避難し、欧州で難民危機を引き起こした。結局、残忍な統治が腐敗と経済の空洞化を招いた。アサド政権が半世紀も続いたのは、ロシア、イラン、ヒズボラの支援があったからだと言われている。でも、ロシアはウクライナ侵攻で疲弊し、イランはガザ支援で一杯になり、ヒズボラはイスラエルにやられてしまった。更にシリア軍にも見限られてしまった。最早ロシアへ亡命するしか道は残されていなかったようだ。亡命後、シリア国民は歓喜の声を挙げている。良かったと思う。でも、今後シリアに民主的な政治が生まれ、育つのかは分からない。ただ、アサド政権が崩壊したことは、間違いなく良い兆候だと思う。
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