大分大学が、高純度の竹セルロースナノファイバー(竹CNF)が水以外の有機物のガスを放出しない材料であることを世界で初めて実証したと発表した。従来、プラスチックや接着剤から出るアウトガスは、宇宙空間に打ち上げた衛星カメラで撮影する際にレンズを曇らせる原因として課題だった。それが解消され宇宙での活用が見込まれるのだ。大分大学理工学部の衣本研究室は、SDGsとイノベーションに繋がる技術開発を目指している。燃料電池、二次電池の材料、水から水素を取り出すための電極、竹CNFの研究開発をしている。竹に注目したのは、異常繁茂で生物多様性の低下などの社会問題(竹害)を引き起こしているからとのこと。セルロースナノファイバーは、環境にやさしい植物由来の素材ながら、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度を持ち、熱で膨張しにくい、吸水性が高いなど、さまざまな特徴がある。今後色々な分野で活用されることになるだろう。同時に竹害が減れば、まさに一石二鳥と言えそうだ。
コメントをお書きください