自己修復する素材

自己修復する素材の開発が盛んだ。自己治癒素材と言う。自己治癒素材は、高分子独自の治癒方式やマイクロカプセル方式が多数開発され、自己治癒金属も開発されている。高分子自体の治癒方式は、高分子物質自体が熱や光、衝撃のような外部の刺激からエネルギーを得て、自ら復旧能力を備えるのだ。従来の商用コーティング素材にヒンダード尿素と光エネルギーを熱エネルギーに変える染料を混ぜると、車の表面コーティングに傷がついても、日光による熱エネルギーで分子が移動し、傷が修復されるのだ。コンクリートでは、空気で石灰を作る微生物を混ぜておくと、その後亀裂で微生物が空気中にさらされると石灰が生成され、コンクリートの亀裂を埋めるのだ。NASAでは自己治癒繊維を開発した。この繊維は、速いスピードで飛んでくる微細な宇宙ゴミなどで発生する可能性のある宇宙服の穴を自ら埋める機能を有しているという。そのうち、人体の自己治癒も夢では無くなるかもしれない。