大阪大学ミトコンドリア動態学研究室の岡本准教授は「少しでも老化を遅らせるには、ミトコンドリアを鍛えるのが良い」と言う。ミトコンドリアは細胞の中に存在する小器官で、地球上の多くの真核生物はミトコンドリアを持っている。真核生物とは、すべての動物、植物、菌類、多くの単細胞生物は真核生物だから、殆どの生物はミトコンドリアを持っているということだ。ミトコンドリアのもっとも重要な働きは、エネルギーをため込んだATP(アデノシン三リン酸)を作ることだ。ミトコンドリアは体重の10%を占め、1日にその10倍ものATPを作っている。なんと毎日体重と同じくらいのATPが作られているのだが、作ったATPは即座に消費されてしまう。つまり、人間はそれぐらいエネルギーを使っているということだ。ミトコンドリアのATPを作る機能が低下すると、エネルギー不足になり、細胞が果たしているさまざまな機能が保てなくなるのだ。これが老化だ。老化を遅らせるためミトコンドリアを活性化させる方法があるという。1つは適度な空腹。12~18時間食べないとミトコンドリアを増やすスイッチが入る。2つ目は適度な運動。3つ目は寒冷刺激。乾布摩擦や冷たい水で顔を洗えば良い。但し、無理をすると心的ストレスでミトコンドリアの機能低下を引き起こすという。要するに、適度な運動と食事で、心地良く暮らすことが老化を遅らせるということのようだ。
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