日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。授賞理由は、核兵器の無い世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使われてはならないことを、証言を通じて示したことで、核兵器の使用は道徳的に許されないとする国際的な規範が醸成され「核のタブー」の確立に大きく貢献したこと、とされている。でも、そういう理由であれば、数十年前に授賞しててもおかしくない。何故、今なのだろう。世界情勢と被爆者年齢を考慮したのだろうと思う。プーチン大統領は、先月ウクライナに対し核兵器使用のハードルを引き下げる指針改定案を公表した。イスラエルはイランの核施設を標的にしている。核兵器保有国は兵器の近代化と改良を進め、一方で新たな国々が核兵器を手に入れようと準備を進めていると言われている。再び核兵器を使う危機が目前に迫っているのだ。更に決定的なのは、被爆者の高齢化だ。あと10年もすれば生き証人がいなくなる。核兵器の悲惨さが風化してしまうのだ。自分は、授賞の最大の理由は、生き証人の存在だと思う。日本も、生き証人のいる間に、核拡散防止条約の再検討会議に拘らず、核兵器禁止条約に参加すべきだと思う。
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