光触媒による新しい水素製造技術

10月7日から今年のノーベル賞の発表が始まる。化学賞の候補として名前があがっている1人が、信州大学の堂免一成特別特任教授だ。太陽の可視光で水を分解し、水素と酸素を作る光触媒を開発した。水素は燃えても水になるだけで環境への負荷が少なく、次世代のエネルギーとして、自動車をはじめ、さまざまな分野での活用が期待されている。従来技術として、天然ガスのメタンと水を反応させて作る方法はあるが、製造過程で二酸化炭素も発生してしまう。二酸化炭素が発生しない電気分解で水素を作る方法もあるがコストが高い。堂免教授の方法は、どこにでもある水と太陽の光からエネルギーを取り出し、しかも二酸化炭素を発生させない夢の技術だ。先月ノーベル賞の登竜門とも言われる「クラリベイト引用栄誉賞」を受賞した。クラリベイト引用栄誉賞が贈られたノーベル賞受賞者には、本庶佑氏や大隅良典氏、山中伸弥氏がいる。この光触媒は山中伸弥氏のiPS細胞に匹敵する画期的な技術だと思う。今年がダメだとしても数年以内にノーベル賞を受賞することが期待出来る。