航空機の騒音対策と24時間運用のため、海上に造られた関西国際空港が開港から30年を迎えた。大阪湾の海上5km沖の水深20mを埋め立てて造られた空港島だ。2018年の台風の高波では大きな被害を受けたことを思い出す。だが、埋め立てた土の重さによって海底の粘土に含まれる水分が絞り出されて沈下するのが宿命だ。沈み方は均等でなく、不同沈下で対策をしなければ、建物がひび割れたり傾いたりする。900本の柱がある第1ターミナルビルでは、沈下を自動的に計測し、柱をジャッキで持ち上げて鉄のプレートを挟み、建物の傾きを調整する。このジャッキアップの作業を数年に1回のペースで実施しているのだ。何とか沈下するための護岸のかさ上げは完成したものの次なる災害が待ち構えている。関西エアポートの責任者は「騒音問題などに対応して海上に建設した代償として、沈下や高波、台風、地震、津波の影響がある」と、告白している。果たして関西国際空港開港の意味はあったのだろうか。さて、普天間に替わる辺野古は最適な解なのだろうか。
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