総裁任期満了まで残り1カ月もないのに、岸田首相はGX実行会議で「残された任期の間に東日本における原発の再稼働に筋道をつける」と発言した。東京電力柏崎6、7号機と東北電力女川2号機は設置許可変更許可をパスしているので、地元を説得する考えのようだ。しかし、再稼働させるには「使用済み核燃料の2030年問題」がある。この2030年問題に触れずに、再稼働を目指すのは、余りにも浅はかだ。プルトニウム貯蔵量が律速になるのだ。現在、使用済み核燃料プールの貯蔵率が8割を超えており、再稼働すれば5年後には満杯になる。再処理工場で再処理してプルトニウムを取り出し、高速増殖炉もんじゅと、MOX燃料としてプルサーマルで消費することが計画されていた。ところが、もんじゅは頓挫し、プルサーマルは1基しかなく0.5tしか消費出来ない。要するにプルトニウムを消費する道は閉ざされており、行き場が無く溜まるばかりになるのだ。ところが、プルトニウムは原爆の原料なので、日米原子力協定で日本が持てるプルトニウムは47tまでとされている。日本はすでにこれまで海外で再処理された47トンのプルトニウムを保有している。だから、再処理工場は、延期を繰り返し未だに稼働出来ないのだ。この現状を知りながら、再稼働を目指す岸田は、狂気の沙汰としか思えない。恐らく、岸田の最後っ屁に違いない。
コメントをお書きください