デブリ取り出し vs 石棺化

福島原発事故現場からのデブリ取り出しに失敗したことは昨日書いた通りだ。デブリは、1号機から3号機までの建屋内におよそ880tあると推定されている。しかも放射線量は極めて高く、近づく事も不可能な状況にある。今回は、たった3gのデブリの取り出しに失敗したのだ。3gでも、取り出すことが出来れば、今後の計画が立てられるかもしれないという儚い望みのために行なわれた取り出しだったのだ。そもそも試験的な取り出し自体、2021年中に行なわれる計画だった。でも、78億円かけて専用のロボットを開発した後に、経路に堆積物があることがわかり、中止した。この調子では、10kg取り出すのに250年かかると専門家が指摘している。だが、その最初の3gに失敗したのだから、あと1000年はかかるかもしれない。デブリの量は、コンクリートなどで固める石棺化したチェルノブイリの数倍といわれている。福島第1原発も、石棺が解決法としては合理的なはずとも言われている。しかし、石棺化すれば周辺の土地は永遠に立ち入り禁止区域となる。しかしながら、政府は地元住民を説得することに躊躇っている。その躊躇いが永久的なデブリ取り出しに導いているというのに。