NHK番組「100カメ」の「福島第一原発」を観た。第一原発をシールドする作業の実写だ。鳶職人が大活躍している。現場は放射線量が非常に高く、作業時間に制約があり、真夏だというのに防護服を着ての作業だ。しかも、巨大な構築物を数人で設置するのだ。余りにも過酷過ぎて、作業員仲間の結束とモラールの高さがヒシヒシと感じられた。同じ釜の飯を食う仲間というよりは、運命共同体とでも言うべきだろう。ところが、東電が福島第一原発から核燃料デブリを取り出す「試験的な取り出し」を延期したと発表した。格納容器の内部に通じている直径60cmの配管を使って、伸縮式のアームを伸ばし、内部に到達した先端部分から、さらにデブリを掴む器具をケーブルで釣り下ろし、デブリを掴んで回収する計画だった。延期の原因は、押し込みパイプの連結順を間違えたからだという。設計ミスか作業ミスかは発表されていない。でも、直感的に責任は東電にあると思った。何故なら「100カメ」の現場には、東電の社員が一人もいなかったからだ。危ない仕事は他人任せの東電体質が、作業を遅らせ、かつより危険なものにしているように映った。
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