大阪地検特捜部の違法な人質司法について、大阪高裁は田渕検事を審判に付することを決定した。大阪地検特捜部が逮捕・起訴した不動産会社社長が、248日間身柄拘束された後に無罪が確定したが、人質司法について弁護人側が付審判請求を行っていた。検事が審判に付されるのは初めてのことだ。決定では、田渕検事による「威圧的、侮辱的な言動を一方的に続けた」取り調べを黙認した検察組織の姿勢を厳しく批判し「検察における捜査・取調べの運用の在り方について、組織として真剣に検討されるべき」と異例の要請を行なった。日本の刑事訴訟法は、検察官が起訴するまで被疑者の身体を最大で23日間拘束することを認めている。しかし、被告人が無罪を主張したり黙秘をしたりしているときには保釈が認められず、長期にわたる身体拘束が続くのだ。人質司法は、国内の学者や弁護士はもちろん、国際的にも強く批判されている。今回の大阪高裁の決定は、やっと初め一歩を踏み出したことになる。今後、取調べの全過程の録音・録画を義務付けることと、取調べへの弁護士立会を認めることも法律上明記すべきだと思う。
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