活躍するには理由があった

パリ五輪で日本の予想外の活躍が目立った。金メダル20個獲得は海外開催の五輪では史上最多とのこと。団体で初めて金メダルを獲得したフェンシング男子フルーレは、東京大会の金メダリスト、フランス人のエルワン・ルペシューをコーチとして2021年から招聘していた。チェコに単身で乗り込んで修行した女子やり投げの北口選手は、前評判通り金メダルを獲得した。男子バレーはメダルは逸したものの、フィリップ・ブラン監督により世界NO2まで登り詰めた。ルペシューは「実力はあるのに、自信がない。練習時間が長い一方、強度が低い」といった日本の他の競技にも共通する弱点を早々に発見し、克服させたという。外国人コーチにより成果を挙げた競技が目立った一方、伝統にのっとり、日本のコーチの指導によって結果を残した、体操、柔道、レスリングといった競技もあった。体操は1970年代から一貫してオールラウンダーの養成に力を入れてきた。グレコローマンは海外で外国人との合宿で技術を身につけたという。問題は水泳だ。リーダーも哲学も方法論も存在しない。選手は日水連を見限り、海外に流出するばかりだ。