IOCの性別騒動

パリ五輪ボクシング女子66キロ級の2回戦で、アルジェリアのイマン・ヘリフ選手は、対戦相手のアンジェラ・カリニ選手が開始46秒で戦闘意欲を喪失し棄権したため勝利した。テレビ画像を見る限り、男性対女性の戦いのようで、闘う前からヘリフ選手が圧倒するように感じた。この件がIOCの性別騒動へと発展している。ヘリフ選手は、昨年の世界選手権で行われた性別適格性検査で男性のXY染色体を持つとして優勝をはく奪され、失格となった過去がある。生物学上は男性なのだ。バッハ会長は「どうして女性として生まれ、育てられ、競技に出場し、パスポートを持つ女性を、女性と認められないというのか」と異例の声明を出した。一方で、トランプもハリーポッター作者のJ・K・ローリングもテニスのナブラチロアも国連も、IOCがヘリフ選手の参加を認めたことを批難している。勿論、IOCのルール通りなので、問題は無いと言う來田中京大教授もいる。問題は、IOCが性別判断材料としてパスポートを主張していることだと思う。性別判断は国の事情によって異なるものだ。世界共通の性別適格性検査に基づいていないのだ。IOCは金儲けには前向きだが、科学的根拠には後ろ向きだ。魑魅魍魎が跋扈している世界に映る。