中国でメルトダウンしない原発の実証実験が成功したとのニュース。2011年の福島原発事故では緊急電源システムが失われメルトダウンしたのは記憶に新しい。現代の原発は、過剰な熱を炉心から除去するために動力を必要とする冷却機構や、緊急時には人間の介入による停止に依存しているのが実情だ。水や液体二酸化炭素が冷却材として使用されるが、これらは通常、外部電源に依存しているので、外部電源が失われると、メルトダウンは免れない。清華大学の研究論文によると、外部電源が完全に失われた場合でも、冷却システムを使用せずに受動的に冷却するメルトダウンを起こさない商業用原子力発電所を実証したとのこと。ペブルベッド炉と呼ばれている。高エネルギー密度の燃料棒ではなく、グラファイトに囲まれた少量のウランを含む低エネルギー密度のペブルを多数使用する。これにより核反応を遅くし、高温に耐えることが出来る。このエネルギー密度の低さにより、過剰な熱が全てのペブルに分散され、伝導や対流などの自然冷却プロセスで除去される。ペブルベッド型モジュール式高温ガス炉プラントで、フル出力で運転中のモジュールの電源を完全に遮断し、崩壊熱が自然に除去出来ることを確認したという。現在、原発は環境に優しいかが問われているが、メルトダウンしない原発であれば、間違いなく環境に優しいと言えそうだ。
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