白髪についての蘊蓄

今日は白髪の話。白髪と言えば、世界初の三冠監督に輝いた山田重雄元全日本女子バレー監督を思い出す。山田監督の逸話は多い。勝利に導いただけではない。緑色のレオタード風のユニフォームを推奨したが、選手達に「カエルみたいだから嫌」と嫌われ没にされることもあった。一夜にして白髪になってしまったことも有名だ。当時、まさかと思っていた。ところが、実際に一夜にして白髪になることは起こり得るとのこと。ナショナル ジオグラフィックにその回答が載っていた。髪の一生は、毛包から毛母細胞が成長するアナゲン期、成長のスピードが緩やかになり髪が毛包から離れるカタゲン期、新たな髪を成長させるために毛包が髪を放出する準備をするテロゲン期、そして髪が頭皮から抜け落ちるエクソゲン期から成っている。髪に色素が付くのはアナゲン期だ。毛包の毛球部にある幹細胞がメラノサイトを生成し、メラノサイトが色素を作る。ところが、年月がたつにつれてメラノサイトは勢いを失い色素を作らなくなる。その結果、毛幹の中はメラニンではなく空気で満たされるようになり、それが白髪に見えるのだ。休止期脱毛症と呼ばれる現象がある。ストレスなどによってテロゲン期の髪が増えるせいで、通常よりも抜け毛が増える。一気に抜けると、残された毛が以前よりも目立つことで、すでにあった白髪が目に付くようになるという。一夜にして白髪になるのだ。これで説明がついた。山田監督は、紛れもなくストレスに晒されていたのだと。