嗚呼、政界と検察の柵

東京地検特捜部は8日付けで、自民党の裏金事件で刑事告発を受けていた国会議員と元議員16人と会計責任者らを不起訴処分にした。その不起訴処分を下した畝本直美検事長が検察トップの検事総長に就任した。政治家からのご褒美かもしれない。鹿児島地検は5日、鹿児島県警の情報漏えい事件で、犯人隠避容疑などで刑事告発された県警トップの野川明輝本部長を不起訴にした。鹿児島県警も鹿児島地検も組織丸ごと解体させるべきとの声が挙っている。大阪地検検事正在任中、森友学園への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題などの捜査を指揮し、佐川宣寿元国税庁長官を不起訴処分とした北川健太郎元検事正が、今になって在職中に行なった準強制性交罪で起訴された。安倍元首相の守護神と言われていた黒川検事長のため、法律の解釈を変更し定年を延長した閣議決定を問う裁判で「法解釈の変更は、退官を間近に控えた黒川氏の定年延長を目的としたものと考えるほかない」と判決され、資料開示命令が出た。政界と検察の柵は、いつになったら断ち切れるのだろうか。権力と権力は、親和性がある過ぎる。