現場の声を聞くという名の茶番

岸田首相の保育所訪問の次は武見厚労相の薬局視察だ。武見厚労相と河野デジタル相がマイナ保険証の利用状況を見るために大手調剤チェーン「さくら薬局」を視察した。さくら薬局は、社長や副社長らが両大臣をうやうやしく入り口でお出迎え。笑顔で記念撮影を終え、薬局の担当者がマイナ保険証の利用促進に関する取り組み状況について説明した。全国のマイナ保険証の利用率は7.73%だが、さくら薬局は利用率21.39%という抜群の成績。利用率の高い現場を見たかったという。ここが変だ。マイナ保険証は低利用率にあえいでいる。だから低利用率の薬局を視察するべきではなかったのか。武見は「大変、有意義な視察だった」と満足げだったとか。マイナ保険証に関しては、患者がマイナ保険証しか使えないと勘違いする事例が発生したり「本年12月2日から現行の健康保険証は発行されなくなります」と脅しめいた文句が並んだままだ。記者に問われると「改めて考えてみたい」と言い、更に「現場の職員の方からお話を聞くと、極めて臨場感があって分かりやすかった」と視察の意義を説明した。ところが、武見の手元には「ご発言メモ」と題した台本が置いてあったとのこと。まさに「現場の声を聞く」という名の茶番であった。昨日の岸田とソックリだ。もはや、内閣総辞職の道しか無さそうだ。