米大統領の免責特権を認めた理由

米連邦最高裁は、トランプ前大統領が主張する大統領の「免責特権」を幅広く認める判断を示した。最高裁のリベラル派判事3人が反対したが、保守派判事6人が賛成し、多数決で免責特権が認められる事になった。保守派判事らは表向きには「大統領が大胆かつためらうことなく職務を遂行したり、訴追を恐れて意思決定がゆがめられないようにしたりする必要がある」と説明したが、果たして適切な判断だったのだろうか。自分が子どもだった頃、米大統領は清廉潔白で正義の味方と信じていた。ところが、実態は違う。むしろ奸計塗れの政治屋だ。箍が外れたら何をするか分からない連中だ。特にトランプは最悪だ。トランプは、縦横に免責特権を行使するだけでなく、己が法律だと豪語し実行に移すに違いない。それにしても、何故保守派判事はこんな間違った判断をしてしまったのだろうか。答えは簡単だ。保守派判事のうち何人かはトランプが大統領時代に就任させたのだ。米連邦最高裁は、大統領の上に位置する最高権威だ。最高権威に就かせてもらったのだから、返しきれないほどの恩義がある。ただ、それを返しただけだと考えると腑に落ちる。この間違った判断による禍根は末代まで続きそうだ。