2人の医師が「やぶ医者大賞」を受賞したとのニュース。酷い賞があるものだ。受賞した医師の心中は如何ほどかと按じてしまった。やぶ医者と言えば、下手な医者の代名詞だ。だが「やぶ医者」の本来の意味は違うようだ。その語源は、江戸時代に活躍したとされる「養父(やぶ)にいた名医」とのこと。その後「自分は養父の名医の弟子だ」と評判を悪用する医者が続出したため、下手な医者の代名詞になってしまったのだ。「やぶ医者大賞」は「養父にいた名医」に因み、兵庫県養父市が大賞を2014年に創設したとのこと。大賞は、若手医師の育成や医療過疎地域の医師確保、地域医療の発展に寄与することを目的に、過疎地の病院、診療所に5年以上勤務する50歳以下の医師、歯科医師から選ばれる。今年は全国から9人の応募があったという。受賞したのは、浜田市の佐藤優子医師と山口市の中嶋裕医師。佐藤医師は、地域の健康課題について関係者を巻き込んで啓蒙活動を実施し、後進の育成にも尽力していることなどが評価された。中嶋医師は、無医地区に遠隔診療を導入し、みとりを支援し、住み慣れた地域で最期まで安心して暮らし続けるという住民の望みをかなえる献身的な活動などが評価された。全国的に過疎地が拡大している。中国地方に限定せずに「やぶ医者大賞」が全国に広がるよう願いたいものだ。
コメントをお書きください