日経新聞の「社長100人アンケート」で、原子力発電所の新増設を支持する声が過半となった。再稼働を進めるべきだとの答えが7割に達した。アンケートは国内主要企業144社の社長が対象だった。2011年の東日本大震災後に全原発が一時停止し、これまで12基が再稼働し、21基が停止中だ。日本の主要な経営者の7割もが原発再稼働に前向きなのだ。原発を再稼働すべきではないとする経営者は1割にも満たなかった。残りの2割以上は「分からない」との回答だった。7割の経営者は福島原発事故を忘れてしまったのだろうか。貯水槽が壊れ、偶々燃料棒が水で覆われたことで、奇跡的に核反応が暴走せず、関東一面が放射能汚染を免れたというのに。能登地震でも志賀原発が危なかった。避難手段も砂上の楼閣だった。原発を再稼働させるべきではない理由は2つある。1つは、日本は火山列島で地震の巣窟の上にあること。もう1つは、原子力リサイクルシステムが既に破綻していること。原発を動かせば動かすほど核のゴミが溜まり保管する場所も無いのだ。決して、今苦しいからといって、再稼働すれば、益々核のゴミ処理に困ることになる。再稼働を支持した経営者は、目先の利益しか考えられない不適任者だ。「分からない」と答えた経営者はアホとしか言い様がない。原発を再稼働すべきではないと回答した経営者だけが、日本の将来を見据えている本物の経営者といえる。
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