7月3日に新紙幣が発行される。新札の一万円札は渋沢栄一、五千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎の肖像に刷新される。肖像が三次元に見えて回転するホログラムの導入、指で触って券種を識別できる工夫、額面の数字を大きくし券種を識別しやすくする工夫などが施されているという。それにしても何故今どき新紙幣に換えるのだろうか。一昔前は、偽造防止やタンス預金の掘り起こしだった。しかし現在では、偽造は激減しているし、タンス預金の掘り起こしも期待薄だ。経済効果は2.3兆円で名目GDPを0.27%押し上げるという試算もあるが、その内訳は新札の印刷費用、自販機などの改修費用が主で、お金が誰かから誰かへ移るだけの話だ。金融機関のATMや大手スーパーのレジなどは新紙幣に対応するだろうが、飲食店などには対応券売機が大きな負担になるだけだ。そもそも、時代はキャッシュレス化に動いている。新紙幣がキャッシュレス化を後押しする効果は無い。世界の高額紙幣は偽造防止のためキャッシュレス化している。何処からどう見ても、20年ぶりに新紙幣にするメリットは見つからない。日本の紙幣は、日本銀行が1885年から約140年にわたって発行してきたが、今回が最後の紙幣になるのは間違いなさそうだ。
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