ふるさと納税の拡大が止まらない。ついに1兆円を超える見通しだ。2019年の地方税法改正で、返礼割合は3割、経費は寄付の5割までと限定された。返礼品競争は下火になったものの、もっと大きな問題がある。返礼品の調達・配送、広報・決済、職員の人件費で約5000億円が使われ、本来地域で使われるべき納税額は半分しか残らない。一方で流出した自治体には、流出分の75%が地方交付税で補填されるのだ。しかも、交付税財源が不足すれば国や自治体が借金で穴埋めをしているのだ。更に、高所得者ほど恩恵が大きい歪な構造になっている。寄付者の給与収入が300万円だと寄付上限額は年間3万円で、2500万円ならば90万円なのだ。更に更に、寄付が多い自治体でも法人住民税などは伸びていないので、寄付が地域経済の振興に結びついていないのだ。菅元総務相が「地域を応援したい寄付者の思いを実現する制度」として始めたが、税制度を歪めただけだ。能登支援では返礼品無しでも60億円寄付された。ふるさと納税創設の志を貫くならば、返礼品を無くし、全額を地域のために活用出来るよう改正すべきだと思う。
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