WOWアライアンス vs ラピダス

一時は日本が世界をリードした半導体だが、今は細線化技術の後進国に成り下がっている。ところが、挽回の芽も有りそうだ。大場東工大特任教授が半導体の3次元積層技術を開発している。2008年に産学研究プラットフォーム「WOWアライアンス」を立ち上げた。当時、国家プロジェクトによらない半導体の産学共同開発は初めてだった。設計、プロセス、装置、材料関連の半導体メーカーや大学など40組織、約150人の研究者からなる大所帯チームだ。国家プロジェクトでは難しい柔軟性を備えている。特徴は、チップレットをウエハー上に接合するチップ・オン・ウエハーCOWと、ウエハー上にウエハーを接合するウエハー・オン・ウエハーWOW技術だ。微細化に頼らず、配線長を短くし伝送エネルギーを抑え、消費電力を大幅に減らしている。大場特任教授が2018年に創業したテック・エクステンションは台湾で3D集積ラインを整備し、2025年に量産を始める計画とのこと。大場特任教授は「半導体は後追いでは成功できない。3D積層技術で従来存在しなかった全く新しい領域に事業を展開していくのだ」と語っている。さて、WOWアライアンスとは両極に有る国家丸掛かりのラピダスは成功の道を歩めるのだろうか。