栃木県那須町で高校生8人が亡くなった7年前の雪崩事故の裁判で、指導した教諭ら3被告に実刑判決が言い渡された。当時、現場は雪崩が起きやすい場所であることは山男にとって常識であり、ビーコンなどの装備も不備で、緊急時の連絡体制も不十分だったと報道されていた。栃木県高校体育連盟の主催の春山安全登山講習会としては随分杜撰な雪山訓練だと感じたものだ。7年もの歳月を掛けた裁判で実刑判決が下されたのだから、被告に落ち度があったのは間違いないのだろう。亡くなった高校生の親たちは、これで一区切り着いたことだろうと思う。それは、それで良かったが、果たして判決内容は妥当だったのだろうかとも思うのだ。雪崩に遭遇した先頭の班の教諭は登山初心者だったのに適切な指導が出来たのだろうか。ビーコンなどの装備を備える予算はあったのだろうか。責任者は宿の清算中で無線機を携帯していなかったが、一時の不携帯でも責任が問われるのだろうか。判決理由が後付けのように思えてならない。予期は出来るが現実には起きると思われない事故に対し、誰が何処まで責任を負えるのだろうか。福島原発事故では、明らかに責任のある東電幹部が無罪になった。でも、この雪崩事故では全員有罪だ。自分は真実を知らないから、その是非は問えない。でも、大いに矛盾を感じるのだ。
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