閣議決定の在り方

政府が、内閣官房報償費(機密費)について、歴代の官房長官の支出状況を確認する考えはないとする答弁書を閣議決定したとのこと。内閣官房報償費は、官房長官の判断で支出される経費で領収書が不要で、会計検査院による監査も免除されており「権力の潤滑油」とも言われている。昔から選挙支援や餞別やマスコミと野党の口封じや私用への転用や、ありとあらゆるものに使われ、その都度使途が問題視され追及されてきた。今回は元官房長官が国政選挙の陣中見舞いに機密費を使ったと証言したと中国新聞が報じたことで野党が追及したため、答弁書をわざわざ閣議決定したのだ。政府は「自らの責任と判断の下に、厳正かつ効果的に執行している」としているが、そうではないから問題なのだ。一定期間を設け、後日必ず公開する仕組みに改正すべきだと思う。内閣の閣議決定には、いつも胡散臭さを感じる。安倍元首相が「首相夫人は公人ではない」と閣議決定したのが典型例だ。首相夫人は公人でもあり私人でもある。それを力技で「公人ではない」と組み伏せてしまう。一方で岸田は、国会討論もせずに自衛隊の軍隊化を閣議決定してしまった。今まさに閣議決定の在り方が問われている。