飾りだけの国民主権

今日は憲法記念日なので、憲法について感じたことを書いてみることにした。憲法第30条には「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」とある。だが、当初案には無かったのだ。ところが保守系の議員たちが「納税の義務を規定しないと国民は税金を払わなくなる」という発想で、最終段階で加えたという。しかし、お上に上納するという発想は戦前の憲法だ。主権は国民に存するとする現憲法とは矛盾する。国民に主権があるのであれば、税金の在り方は国民が決め、その使途も国民が決めるべきものだ。国家が税金を取りたければ「国家に課税徴税に権利がある」と記載すべきものだったと思う。現在の日本の政治は、戦前のお上思想がベースになってしまっている。お上側に立っている政治家に特権が与えられ過ぎている。例えば、今問題になっている裏金事件だ。政治団体が課税逃れに使われている。これを是正するのは国民の権利だが、現状は無力だ。諸悪の根源は、現憲法が実情に合っていないということだと思う。しかし、憲法記念日というのに、憲法の在り方は議論されない。せめて憲法学者くらいは声を挙げてほしいものだと思うのだが。