少子化と人手不足を背景に、企業の人材採用戦略が大きく変わりつつあるようだ。日経によると、2024年度の採用計画に占める中途採用比率は過去最高の5割に迫る水準になったとのこと。新卒の採用充足率は88%で、その4分の1が2年以内に離職する。新卒中心の採用慣行は転換点を迎えたと言うよりは、むしろ時代遅れになっているのだ。不足が顕著なのがIT分野だ。経産省によると、2030年にはIT人材が最大で約79万人不足する見通しとのこと。日立製作所は、社員の知人・友人を介した「リファラル採用」を導入した。いわば新しい形の縁故採用だ。採用面接も一変させた。もはや「学生時代に力を入れたこと」など聞かない。「入社後どの職種で日立のリソースを使ってどんな社会課題に取り組みたいか。それはなぜか」を5分以内で説明してもらうプレゼン選考だ。技術者派遣大手のテクノプロ・グループは企業が個人に直接接触できるサービス「ダイレクトリクルーティング」を取り入れた。三菱重工は、退職者の出戻りを大歓迎し応募が殺到している。ミスマッチを防ぐ選考方法に工夫を凝らす企業が採用サバイバルを生き抜くことになりそうだ。
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