健康食品とは広く健康の保持増進に資するものとされているが、日本の健康食品には健康を阻害するものも含まれている。食品は、特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、一般食品に区分される。トクホは臨床試験が必要で1件ずつ審査して国が許可するのに対し、機能性表示食品は企業が文献提示し届け出るだけで国の審査は無い。トクホは国が責任を持つが、機能性表示食品は民間任せという国の無責任体制になっている。そもそも、機能性表示食品は導入時から、安全性が危惧された。それが今回の紅麹で立証されてしまった。安倍元首相は米国の要求に屈し、国民の命よりも「米国の利益」を優先して規制緩和した。アベノミクスの成長戦略の一環として、国民の健康よりも経済重視の発想でこの制度を導入したのだ。この手軽さが企業に受け、機能性表示食品の届け出は約6800件とトクホの6倍を超え、5年間で3倍超となる6865億円まで急成長した。しかし、消費者庁実施の買い上げ調査は22年度で119品に過ぎない。確認が追いつかないのだ。被害の拡大を受け、自見英子消費者相は「機能性表示食品全6800品を緊急点検する」と言明したが、一体何を点検しようとしているのだろうか。点検で安全を確保出来る訳がない。
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