日銀がマイナス金利政策の解除を発表した。教科書通りであれば、利上げは円高・株安が進むはずだが、円安・株高が進んだ。マイナス金利政策は解除したものの、当面緩和的な金融環境が継続すると明記されていたからだと言われている。でも、少なくとも、アベノミクスの金融緩和策からの脱却を日銀が表明したことには間違いないだろう。しかし、現在の日銀は身動きが取れないほどの金融資産を抱えている。国債の保有率は53%で580兆円。その購入ペースを緩めた途端に長期金利は上昇し、株価も下落する定めにある。そうなれば、日銀が保有するお宝は、一転して巨額の不良資産と化す恐れがある。また上場投資信託ETFは70兆円もあり、東証プライム市場の時価総額の7%強にあたる。売れば市場は暴落し、一方持ち続けるのも問題だ。植田総裁には、マイナス金利政策を解除したものの、この先は二進も三進も行かない状況が待ち構えている。こんな状況を引き起こした黒田前日銀総裁は、今何処で何をしているのだろうか?日経の「私の履歴書」など執筆する前に、解除についてコメントをするべきだと強く思う。
コメントをお書きください