スギの次はヒノキと続き、花粉症の季節はまだまだ続く。最近花粉症症状の人を見掛けることが少なくなったが、恐らく薬を飲んでいるのだろう。花粉症の根治治療としては舌下免疫療法などのアレルゲン免疫療法が有力だとされている。だが、口内のただれなどの副作用の発症率が高いことや、気管支喘息などの重症患者には適用できないなどの欠点がある。九州大学らの研究グループは、この問題をマウス実験で解決する見通しを得たと発表した。酵母の細胞壁から抽出したマンナンでアレルギーの原因となるタンパク質を覆ったナノ粒子をマウスに経口投与したところ、アナフィラキシーを示さず、高い治療効果を示したとのこと。研究グループは今回の成果について、治療期間の短縮だけでなく、これまで適応の難しかった重症患者のみならず、乳幼児にも適応できる可能性があると述べている。更に、アレルギー体質になると別のアレルギーに次々と罹患し続けるアレルギーマーチを、早期に断ち切る治療薬の開発にも期待されるという。研究の本命はアレルギーマーチの遮断に違いない。花粉症を入口にして、本命をクリヤーすることを期待してやまない。
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