Liイオン2次電池の進展には目を見張るものがある。Liイオン2次電池の短所は、燃えやすい、重い、長時間もたない等だ。それを克服するために、トヨタと中国では車用の本命とみられている全固体電池開発が激化している。豪州の大学研究グループでは、燃えやすい電解質の溶媒ジメチルカーボネートを水に置き換える水電池を開発した。安全で安価なLiイオン2次電池が生まれるかもしれない。一方、中国は、Liイオン2次電池の範疇を飛び越え、原子力電池を開発したという。半減期の長い放射性元素が放出するエネルギーを半導体変換器を用いて電気に変換するのだ。永遠に充電する必要がないスマホや永遠に飛び続けられるドローンも実現できると豪語している。Liイオン2次電池は旭化成の吉野リサーチフェローが開発し、ノーベル賞を受賞したが、それだけに終わらなかった。全世界に電池の重要性を認識させ、かつ多様な電池開発の発火源となったのだ。電池で世の中は様変わりしている。ノーベル賞の対象は物作りでは無いと言われてきた。受賞当時、それが問われた。だが、今になると、単なる物作りではなく、社会を激変させたのだ。まさに、ノーベル賞に値することが実証されつつあるようだ。
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