韓国の医療現場が大混乱に陥っている。韓国政府が医師不足を補うため医学部定員を千人程度増やす方針を発表したが、医師団体が反対している。総合病院の医師の4割を占める研修医のうち8割が辞表を出す騒ぎになっている。韓国の医師数は、人口1,000人あたり2.2人。OECD加盟国の中でも最下位レベルにある。韓国社会にとって増やす方がメリットが大きいはずだ。韓国民の8割は賛成している。医師側が反対する理由は、医師数が増えると開業医が増え、利益主導で医療費が上がったり、医療の質が落ちたりする。また、人口当たりではなく絶対数で比較すると他国と較べて少ないとは言えない、としている。しかし、本音は収入が減るからだろう。韓国の医師は、数は少ないが、年収は世界最高と言われている。結局、利権絡みの反対と言えそうだ。でも、韓国医療界の問題は医師数だけではない。収益性の低い小児科や、医療事故のリスクが高い外科・産婦人科は医師が少なく、収入が高い整形外科、皮膚科に集中している。また、都市部と地方との格差も大きい。公営病院は5%しか無い。韓国では、医師数を増やしても解決しない多くの問題を抱えている。抜本的な解決をするのは、まさに韓国政府の腕の見せ所だろう。
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